このたび,(一財)経済調査会では木下誠也編著による『公共工事における積算マネジメント』を発刊しましたのでご案内申し上げます。
2014年に品確法が改正され,適正な予定価格の設定と適正な契約変更・支払いにより受注者の適正な利益を確保するなど,発注者の責任が法律で明確に規定されましたが,実際には趣旨どおりに運用されているとは言い切れない状況です。
本書は改正品確法の趣旨を踏まえた上,積算に焦点を絞り,公共土木事業の各段階において,それぞれに応じた積算をしていくことの必要性を説いています。ここでは建設プロジェクトのライフサイクルのうち,調査,設計,積算を経て工事を実施し,構造物を完成するまでの過程について,コストを適正に管理する手法を「積算マネジメント」と称します。ライフサイクルコストの中でも初期投資部分に注目し,建設工事を完了するまでの過程を取り上げ,公共工事の積算のあるべき姿を探っています。
内容は,第1章で積算マネジメントについて概説し,第2章では積算マネジメントが求められる背景をポイントごとに紹介。第3章はより細かい視点から,土木工事の積算について解説。第4章では設計変更・契約変更に関わる法令に触れ,第5章では会計検査での積算検査の考え方を,第6章では米国の公共事業から河川事業と道路事業を例に段階的に行われる積算システムを紹介しています。
「受発注者双方にとって,公共工事の積算における運用の実際を理解する上で,極めて意義の大きい図書と思います」
-東京大学大学院工学系研究科・小澤一雅教授(推薦のことばより)
●A5判・256頁/3,456円(税込)
●2018年5月1日発行
問い合わせは,(一財)経済調査会出版事業部書籍編集室(03-5777-8221)まで。詳細は当会HP( https://book.zai-keicho.or.jp/book_info.php?id=141 )をご覧ください。