原子力発電環境整備機構(以下,「NUMO」(※)という)は,最新の科学的知見や技術開発成果を反映し,高レベル放射性廃棄物およびTRU廃棄物の安全な地層処分をどのように実現するのかを説明するための包括的技術報告書「わが国における安全な地層処分の実現性 -サイト選定で想定される多様な地質環境を対象としたセーフティケース-」の取りまとめを行っています。
※NUMOの事業概要については,HP( http://www.numo.or.jp/index.html )をご覧ください。
そこで,この包括的技術報告書の内容について,地層処分技術に関連する学会に所属する専門家にご意見を伺うことを目的とした「NUMOセーフティケースに関する外部専門家ワークショップ」を,以下の日程で開催します。ご関心のある多くの専門家のご参加をお待ちしています。
参加をご希望の方は,以下のメール宛てに,①企業・団体名,②所属・役職,③所属学会,④氏名(漢字),⑤氏名(フリガナ),⑥メールアドレス,⑦電話番号,⑧参加希望会場をご記入の上,9月15日(金)までにご送信下さい。詳細等については,ご登録いただいたメールアドレス宛に別途ご連絡いたします。
参加希望メール送付先 :tech@numo.or.jp (担当:技術部 亀之園,藤山)
参加費は無料です。参加受付はお申込み順とさせていただき,お申込み多数の場合には,折り返しご連絡をさせて頂きます。
1.日時・場所
(1) 大阪会場(定員:100名)
日時:平成28年9月21日(水) 9:30~17:30
場所:大阪科学技術センター http://www.ostec-room.com/html/access/access.html
(2)東京会場(定員:120名)
日時:平成28年9月23日(金)9:30~17:30
場所:三田NNホール http://www.mita-nn-hall.com/access/access.html
2.プログラム
9:30- 9:40 開会挨拶
9:40-10:00 WS主旨説明,報告書作成の背景,配付資料確認,事務連絡など
10:00-10:50 セッション(1):安全戦略
10:50-11:50 セッション(2):地層処分に適した地質環境の選定およびモデル化
11:50-12:50 昼休憩
12:50-14:00 セッション(3):処分場の設計と工学技術
14:00-14:45 セッション(4):閉鎖前の安全性の評価
14:45-15:00 休憩
15:00-16:20 セッション(5):閉鎖後長期の安全性の評価
16:20-17:20 セッション(6):わが国における地層処分の技術的実現性
17:20-17:30 閉会挨拶
なお,大阪会場,東京会場とも,プログラムとご紹介する内容は同じものです。
3.包括的技術報告書の概要
NUMOは2000年の設立以来,地域からの応募という方法で地層処分場の建設地選定のための調査を受け入れていただくための活動を,全国を対象として行ってきました。この活動と並行して,地層処分のさらなる安全性の向上を目指し,技術開発を進めてきました。
今後,国による科学的有望地の提示と自治体に対する文献調査の協力の申し入れが予定されています。このような状況を受け,事業者として,文献調査を受け入れていただいた後,どのようにそのサイトの調査を進め,安全な処分場を設計・建設・操業し,閉鎖後も長期間にわたって安全性を確保しようとしているのかを総合的に示し,文献調査に即応できる技術的な準備を整えていることを示すことは,事業の円滑な推進にとって重要と考えられます。
そこで,包括的な技術報告書「わが国における安全な地層処分の実現性 -サイト選定で想定される多様な地質環境を対象としたセーフティケース-」の取りまとめを行っています。その結果,主に,次のような成果が得られました。
①放射性廃棄物を長期にわたって隔離し閉じ込めるための,処分場を設置する地質環境に必要な条件と望ましい条件を明確にし,この条件に応じた適切な地質環境を選定する技術を整えたこと。
②我が国で地層処分の対象となり得る代表的な三種類の候補母岩について,地下深部で得られている断層の存在状況等の特徴を反映させて作成した「地質環境のモデル」に対して,設計および建設・操業・閉鎖に関する技術開発成果に基づき,要求仕様を満足できる処分場を設計できること。
③設計された処分場について,地質環境や処分場の仕様の特徴を反映し,閉鎖前及び閉鎖後長期にわたる安全評価を行うことが可能であり,その結果は国際機関や諸外国の規制に示された,あるいは国内類似施設に関する安全基準等に照らして,安全を確保できる見通しが得られていること。
④処分場の設計・建設・操業に関する技術の信頼性や,我が国の地質環境に対する適応力を高めるため,今後,技術開発や品質保証活動,知識管理活動,人材育成に適切に取り組む必要があり,そのための基盤が整えられつつあること。
本報告書に集約した技術を基盤として,今後,事業の段階に応じて,その時点の最新の科学的知見を踏まえて繰り返し安全性を確認していくとともに,さらなる技術の改良を進めていきます。