自己責任で防災教育を

「CE建設業界」の6月号に、東京大学の花田達郎先生が”「自己責任」という政治の言葉”と題する論説を載せておられる。
イラクの人質事件に関係して、日本のマスコミや政治家が「自己責任」という言葉を自己の立場の弁護・強化のために都合よく使っていたという指摘で、とくに最後は引用ですが、日本という共同体に迷惑をかけたことへの非難という方向に向かっており、ご都合主義が目に余るとの趣旨と思います。
自己責任の議論は、公共物の管理に深いかかわりを持つ我々土木技術者にとっても他人事ではなので一言。
(1)先ず最初に自己責任が正しく使われたのは、家族の方々が「自衛隊を早く返して下さい」
と発言したことに対して、それは違う貴方方の「自己責任でしょう」との声。
(2)最後に至り明らかに感情的な使われ方は、「今回の様々な費用を負担しろ」との意見。
一体家族の方々に、民間定期便を代替案として示したのであろうか?もちろん人質の方々に関しては、政府として救出の義務があります。一方家族の方々は民間機の利用も可能ですからそれこそ自己責任で、政府の特別機には費用がかかることをあらかじめ確認して対応すべきでしょう。
振り返って、三陸の海岸地帯で大きな地震発生後も家に残ってテレビの警報にのみ注意を集中する方も多いというご時勢、仮に警報が遅れて非難しても始まりません。「自己責任」でわが身を守れる防災意識の向上が急がれます。