合成粗度係数に関する質問

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【概要】河川等の流下能力を考える際に用いる合成(等価)粗度係数について、各部位ごとに粗度係数nとその潤辺Sを用いて " n^(3/2)*S "とし、最終的に" (Σ(n^(3/2)*S)/ΣS )^(2/3) "としますが、この3/2乗や2/3乗にはどのような理由があるのでしょうか。

土木の勉強をしている者です。建設省河川砂防技術基準(案)同解説 調査編p.108 平均流速公式レベル1aに記載のある単断面において粗度係数が異なる場合の計算方法について質問いたします。
単純に各部材ごとの粗度係数nと潤辺Sの積の合計を潤辺の合計で割らずに、累乗し、戻すことに何か理由があるのでしょうか。
計算結果にほとんど差はないように感じますが、" Σ(n*S)/ΣS "とされていない理由、あるいは数学的意味などがありましたらご教示いただけますと幸いです。

的外れなことを記載しておりましたら、ご指摘いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

コメント

ユーザー 匿名投稿者 の写真

なんでしょうね。数式が違うんじゃないですかね(特に括弧の位置とか)

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こういう疑問をもつことは良いことだと思います。
私も改めて勉強しました。以下の通りてます。
断面内をそれぞれの潤辺と粗度係数に分割した断面の平均流速が等しいと仮定します。
合成粗度係数をN、それぞれ分割された断面の粗度係数をni(n1、n2、n3)とすると、
1/N*R^(2/3)=1/ni*R^(2/3)
左辺を3/2乗すると、
1/N^(3/2)*R=1/N^(3/2)*(A/S)
右辺を同様にすると、
ΣAi/(Σni^(3/2)*Si)=A/(Σni^(3/2)*Si)
よって、左辺=右辺として整理すると、
N^(3/2)=(Σni^(3/2)*Si)/S
最後に2/3乗してN=の式にすれば出来上がりです。

ユーザー 中筋 智之 の写真

 貴殿が回答に取り組まれた事に感心します.ただ,今後の為,#9068で記した様に当基準平均流速公式レベル1aでは流水断面積Aは分割されず,径深R=A/S構成諸元の内,合
成粗度に関わる5行目右辺分母の3/2乗は,
{Σ[n_i・S_i^(2/3)]}^(3/2)=[n_1・S_1^(2/3)+n_2・S_2^(2/3)+n_3・S_3^(2/3)]^(3/2)
で,9行目左辺分母
Σn_i^(3/2)・S_i=n_1^(3/2)・S_1+n_2^(3/2)・S_2+n_3^(3/2)・S_3
と一般に一致せず,全n_iが一様な場合のnと一致する様に,合成粗度が11行目で定義されたと私は思う事を記させて頂きます.

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 一様な粗度係数n[s/m^(1/3)]である川底に於いてManningに拠る等流断面平均流速(U[m/s])公式は,
 U=(1/n)・(A/S)^(2/3)・I_b^(1/2).(1)
 此処に,A:流水断面積[m^2],S:潤辺長[m],I_b:水路床縦断勾配[1]
 単断面に於いて粗度係数がj種類で異なる場合に式(1)の平均流速公式を用いると,
・各断面間剪断力を0とする.
・各断面の平均流速は,全断面の其れと同じとする.
の仮定で,
 U=A^(2/3)・I_b^(1/2)/[Σn_i^(3/2)・S_i]^(2/3)(i=1~j).(1')
 此処に,S_i:同一粗度を有するi番目の潤辺部長さ,n_i:其の潤辺部での粗度係数
 令和2年版同基準(文献1)では記されていないが,貴君が記されているとする合成粗度係数(n_c)を定義するならば,「水理学入門」(文献2)の定義を参考に,S=ΣS_i(i=1~j)であり,
 n_c・S^(2/3)=[Σn_i^(3/2)・S_i]^(2/3).
∴n_c={[Σn_i^(3/2)・S_i]/ΣS_i}^(2/3)(i=1~j).
 此れは,粗度係数n_iが全て一様な場合,粗度係数nと一致させる配慮をされていると私は思う.
 即ち,潤辺がj等分されてS_i=S/jで粗度係数n_i=n(i=1~j)の場合,合成粗度は,
 n_c={[n^(3/2)・(S/j)j]/S}^(2/3)=[n^(3/2)]^(2/3)=n.
 (3/2乗はManning式での潤辺長の累乗,2/3乗は全n_iが一様な場合にnと一致する境界条件にする乗数)
 Manning式では,S_iの2/3乗なので,n_i,S_iが1乗である貴提案式は該当しない.
参考文献
1)建設省河川砂防技術基準(案)同解説調査編,p110,2020.
2)真野明・田中仁・風間聡・梅田信:水理学入門,pp150,151,2010.12
(j分割した各流水断面での平均流速を仮定する合成粗度式で,水路床勾配は通分される事を,私が修めた著者に送信済)

ユーザー 中筋 智之 の写真

 上記の補足で,(2/3乗はManning式での潤辺長の累乗,3/2乗は全n_iが一様な場合にnと一致する境界条件にする乗数)に訂正致します.

ユーザー 匿名投稿者 の写真

潤辺ではなく径深の2/3乗ですね。
断面が粗度と潤辺の異なる区分に分かれる場合に、全断面で一つの粗度係数に換算するための式です。

ユーザー 中筋 智之 の写真

 質問された文献1)平均流速公式レベル1aを読むと,上述した様に,各断面の平均流速は全断面の其れと同じとする仮定で,式(1')で流水断面積Aは分割されず,
径深R=A/S構成諸元の内,合成粗度に関わる潤辺の2/3条と記しました.(後は補って頂いた通りです.)
 参考文献2)に記された合成粗度式は,断面積もA_i[m^2]に分割していますが,文献1)の様に全粗度係数n_iが一様な場合にnと一致する配慮はされず,水路床勾配は
約分される式に直しますと,
 n_c=[A^(5/3)/S^(2/3)]/{ΣA_i^(5/3)/[n_i・S_i^(2/3)]}(i=1~3).

ユーザー R の写真

投稿者です。後ほどじっくりと読ませていただきます。さしあたり御礼にて失礼いたします。皆さま、ご返信をいただきありがとうございました。