コンクリートのスランプ及び粗骨材の最大寸法について

お世話になります。
コンクリートの配合についてご教授いただればと思います。
現場打ちの擁壁工事(重力式擁壁)をおこなっているのですが、設計配合が重力式擁壁(無筋コンクリート)の場合の標準配合18-8-40BBになっています。
本工事では、重力式擁壁が相対して2か所あり、一つが直高50cmから直高3mの連続した(スロープの土留め)片転び形状(5分勾配)で、もう一つが直高1.1mから2.84mの連続した(スロープの土留め、先述の相対側)両転び形状(表側3分勾配、裏側2分~1割)となっています。
構造物の高さ及び形状から設計スランプ8cmと粗骨材の最大寸法40mmでは密実な充填性に懸念があるため、スランプ12cmと粗骨材の最大寸法20mmで施工したいのですが、発注者の方からはスランプを上げると材料分離抵抗性が下がるから良くない、骨材寸法を40mmから20mmに変えると単位体積重量が軽くなるから良くない、使用したいなら根拠を示すようといわれます。
国土交通省発行の『土木コンクリート構造物設計・施工指針(案)R1.9』には「施工計画は,コンクリートの打込み,締固め等の作業をできるだけ容易に行えるように,最適な施工条件を設定する必要がある.スランプは,解説 表 4.4.2~4.4.6 に基づいて適切な打込みの最小スランプを選定し,解説 図 3.1.1,解説 図 3.1.2 に示す手法で現場での荷卸し時のスランプを設定し,コンクリート工事の施工計画を立案する.」とあります。コンクリート標準示方書にも同様の記述があります。骨材寸法についても鉄筋こそはありませんが、柱のようは直壁ではなく重力式擁壁の斜壁があるので、それぞれの擁壁接地面(均しコンクリート天端)では断面で見ると鋭角になり材料が充填しづらい状態です。
長くなりましたが、まとめるとスランプ8cmから12cmへの変更は問題なのか?粗骨材の最大寸法を40mmから20mmへの変更は問題なのか? 以上2点になります。(どちらも設計変更ではなく、施工承認で考えてます。)
たくさんの方からのご回答、ご意見のほどよろしくお願いします。

コメント

#10287

施工性および充填性を考慮してスランプ12cm、最大粗骨材寸法20mmに変更することについて、特に問題ないと考えます。

・材料分離に対する抵抗性:混和剤を用いることで材料分離を抑制可能
・単位体積重量の変化:限定的で、安定計算で問題となることは無い。
 地域により使用骨材の単位体積重量が異なってくるので、生コンプラントに相談し単位体積重量を想定したのち安定計算を行えば良いと思います。(実際にテストピースを作成して計測するのもありだと思います。)設計ではγ=23kN/m3を使っていると思います。

#10290

役所の発注工事では、コンクリートのスランプ、粗骨材の最大寸法が決められていると思いますので、よっぽどの理由が無いと施工承諾は認められないのでは?
特に水セメント比は共通仕様書に記載がありますので遵守は絶対と思います。
無筋ですから一般的には40㎜、スランプ8センチと思います。
スランプ12センチは生産性向上のため鉄筋で数年前に改正されたと思います。
粗骨材の最大寸法が大きいほどワーカビリティ―が得られやすく、単位水量が少なくできる配合が可能なはずです。
だとすれば、同じスランプを得るために単位水量を小さくできるため水セメント比の小さい配合が可能となり、密実なコンクリートとすることが可能です。
また、スランプを大きくするためには単位水量を多くするか、AE減水剤等の混和剤を使用する必要があります。
コンクリートの配合で目指すべきは、できる限り単位水量と水セメント比を小さくして密実なコンクリートを目指すのが原則です。

以上から、安易にスランプや粗骨材の最大寸法を変更するのは認められないと考えます。

#10292

雑駁な説明です。
AE剤が普及していなかった時代(S50前半かな?)、流動性の調整には加水しかなく、それは現場の職人のさじ加減に委ねられており、ときにはシャブコンと言われる出鱈目なコンクリート構造物が出来上がってます。
だから、流動性(スランプ)の高いコンクリートは低いコンクリートより品質が劣るとの固定観念が建設業界全般に刷り込まれています。
実はスランプ8cmというのも確たる根拠があって決まったものではなく、慣例則のようなものですが、それで施工してきた構造物を見ると妥当なスランプ(可もなく不可もなく)だろうと言えます。

AE剤をはじめとした薬が普及した以降は、水セメント比を上げなくても、充填性に懸念などなく、何も問題はないです。
「流動性を高めた現場打ちコン・・・」というのは、鉄筋量が増した鉄筋コンクリート構造物の充填懸念から検討されたもので、今回の無筋構造物に適用できるわけではありません。・・・・全然話の質が違うと言うことです。

本題のスランプ及び骨材粒径を変える話は、どなたかもおっしゃってるように、今まで出来たのだから変える理由が見当たらないです。
ただ、技術者能力の劣った現状要素を加味した場合、いずれ楽な方向に向かっていくかもしれないなとは感じます。

現実、スランプ12だろうが粗骨材20mmだろうが、薬が発達しているので耐久品質に問題が発生することはほぼないです(粗骨材粒径に関しては細かく考えればないとは言えないが)

施工技術能力も落ちているし、当然に発注者の技術レベルも落ちているので、論拠さえしっかり持っていれば施工承諾として通るかもしれませんね。
但し、私の個人観ですがそれが良いとは思いませんし、私が発注者であるなら「今は認めませんね」