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ホーム › シールド工法に必要な施工管理、地盤の沈下・変状に関する管理の工夫についてアドバイスが欲しいですシールド工法に必要な施工管理、地盤の沈下・変状に関する管理の工夫についてアドバイスが欲しいです
初めてシールド工法にて水道管工事を経験するものです。
シールド工法により内径1000のセグメントを設置し、そのなかに配水本管を布設していくものです。多くが砂質土層(N値4~12)を掘進していくもので、住宅市街地の市道下を掘進し、鉄道軌道を2箇所(土被り10m程度)、直轄国道1箇所(土被り10m程度)を横断、一部の箇所においては急曲線(R17)での施工となります。このような条件のもと、特に注意して施工管理や施工に際しての工夫などがあれば、当該工事を経験された方からのアドバイスをいただきたいです。よろしくお願いします。
コメント
#7955 Re: シールド工法に必要な施工管理、地盤の沈下・変状に関する管理の工夫についてアドバイスが欲しいです
質問文からでは適切なアドバイスは困難かも知れません。まず、シールド工法というより推進工法に近いように見受けられますが掘進方法や土圧・水圧などへの対策方法が不明です。
また地下水位などの情報が不足しています。N値4~15の緩い砂質土での掘進では特に地下水に対しての留意が必要と思います。
#7958 Re: シールド工法に必要な施工管理、地盤の沈下・変状に関する管理の工夫についてアドバイスが欲しいです
おつかれさまです。
ありがとうございます。
情報量不足でした。
地下水位は管低より3~4m上方、土被りは10m程度です。
一次覆工(ミニシールド工法)はRCセグメント・鋼製セグメント1000mm、二次覆工(DXR工法)はPN形ダクタイル鋳鉄管700mmです。
シールド機・設備の故障や突発的な事故等を想定した安全対策も気になるところです。
#7962 Re: シールド工法に必要な施工管理、地盤の沈下・変状に関する管理の工夫についてアドバイスが欲しいです
地下水位が掘進位置より高いので排水による地下水位低下が考えられます。地下水位の掘進ルート上に観測井を設置し変動を観測するとかの対応が必要かもですね。
また切羽からの水の取り入れにより周囲の砂が固結化し掘進不能になる可能性が強いのではとも考えられます(千葉・東金近傍での経験から)。かなり前の経験ですので参考にはならないかもです。
#7964 Re:急曲線重要構造物下での小口径shield工法の地盤変状工夫案
1. 3 hinge鉄筋concrete(以下でRC) (ホ゛ルトレス三等分割)segment(文献1)
3 hinge RC segmentが使われた理由は、反力が3 hingeでの法線(半径)方向のみが前提で、不静定次数(r)がr=(反力数)+(部材間拘束数)-3×(部材数)=3+2×3-3×3=0の静定
構造でしたが、当該地盤では「示方書(文献2)」に拠り側方土圧係数が0.50程で、頂(crown)部は常時に内空側に変形して主働側と成り、実際は受働側の法線方向及び接線方向に
剪断ばねが生じて不静定次数は∞である事が「地下利用学(文献2)」に記されている。当該地盤は緩い砂の為、固い(良い)地盤に限られるsegment(横断方向、piece間)継手を、いも継で
なく、曲げmomentに抵抗できないhingeを曲げmomentの大きさが内空側で最大と成る頂部及び地山側で最大と成るspring line(水平直径点)且つ隣接鋼製segmentの主断面と比し曲げ耐力が小さ
いsegment継手と重ならない位置で2 ring 1 cycle千鳥組にしてring全体の変形を低減するのが実際と私は判断します。
当該工事では曲率(線)半径17mの曲線が在り、曲線外側のshield jack推力を大きくせざる得ない状況に成ると曲線内側のring(縦断方向)継手が目開きを起こし水だけでな
く土が浸入する恐れが有るので、全線を引張耐力を確保できる鋼製segmentに設計変更して頂いた方が適切と私は判断します。其の場合も、縦断方向segment ringを梁に、地
盤との相互作用をばねでmodel化して片押しする軸力及び曲げmomentを作用させて曲線内側のring継ぎboltが施工時許容応力度(常時の1.5倍)以下と成る仕様に強度を上げる
か本数を増やす必要が有ります。
設計変更が間に合わない又は工費の制限から3 hinge RC segmentを使わざるを得ない場合、RC segmentが鋼製segmentと接続するring継手として剪断耐力及び圧縮耐力を有
すが引張耐力が無い臍(ほぞ)でなく短bolt継手とし、横断方向segmentを梁、segment継手を曲げmomentに対する回転ばね、ring継手を剪断ばねにmodel化してring継手が常時許
容剪断応力度を下回る事を確かめた上で、前記縦断方向梁ばねmodel照査をした方が良い。此の結果として曲線に入る直前のringを鋼製segmentとしたり、曲線外側の地盤反力
を確保する為、地盤改良を要する場合が有る。
2.地盤の変状を抑える施工管理
2.1泥土圧
泥土圧shield(又は泥水式shield)として、ハ゛ルクヘット゛(隔壁)に付ける圧力計での土圧及び水圧を下記のRankineの主働土圧+余剰圧(一般値20kN/m^2(kPa))で管理する。
当該地盤は緩い砂で全土被り分の鉛直方向土圧(pe)は、供用中に作用するとし、地下水位から静水圧が作用するとし、p_eは、土の単位体積重量として、地下水位より上部
では湿潤単位体積重量γtを、地下水位以下では水中単位体積重量γ'(γsub)を用いて算定する。
p_e=p_0+Σ(γ_ti・Hi)+Σ(γ_i'・H_i)・・(1)
ここに、p_0:上載荷重(各区間で自動車に因るT-25又は鉄道荷重が45°の角度で分散するとし、建物荷重の一般値10kN/m^2と比較した大きい方の値) γ_i'、γ_sati:各土層の水中、飽和
単位体積重量[kN/m^3]浮力に関するArchimedesの原理に拠り、γ_i'=γ_sati-γ_w γ_w:地下水の単位体積重量(=10kN/m^3) H_i:各土層の層厚[m]
と表され、上記の様に、静水圧が作用するとして、式(2)となる。
p_w=γ_w・H_w・・(2)
ここに、H_w:地下水位からの深さ((3~4)-(管底から圧力計迄の高さ))[m]
∴p=p_e+p_w
圧力計位置での水平方向荷重(q)
土圧:q_e= p_e・[tan(45°-φ/2)]^2ここに、φ:砂の内部摩擦角[°]
水圧:q_w=p_w(Pascalの原理に拠る。)
∴q=q_e+q_w
2.2添加材
岩石の主成分であるcolloidal silica(SiO2)等で細粒分を補い、塑性流動性を確保し、構造系 氏が記された様に、砂と水との分離を防いで排土する。排土量の管理は、掘進
した体積に添加材を加味して質量で管理する。X線等を用いて体積管理する事も有る。boring位置と離れている掘削位置では掘削土の篩分け試験をして、急変時には適切な添
加材を対応するのが良い。
2.3裏込め注入
同時(又は)即時注入とし、注入圧を切羽圧力+(50~100)kN/m^2、注入率を132%程(地盤に依る。)を管理値とする。(私が総合建設会社在職時、小口径鋼製segmentを選定
させて頂いた例を文献4に記す。)
2.4 影響検討
鉄道横断部では有限要素法に拠る逐次解析をし、掘削に伴って緩むtunnel上部の範囲を地盤改良するかを判定した方が良い。水準測量をして変状に早く対応した方が良い。
3. 施工時荷重対処
(shield jackを後胴に装備しsegment縦断方向に平行になる様に配し偏心曲げmomentが作用しない様にする。)shield jack spreader球座の中心とRC segmentの縦断方向図
心をできるだけ近付けshoeを横断方向で均等に配置する。鋼製segmentの縦断方向図心はRC segmentよりも外側の為、可能ならば鋼製segment区間で使うspreaderも用意する
と縦ribの座屈を防げる。当該地盤では、推力過多に成らないと推定され、1種だけ用意するならば無筋concreteの被りが剥離又は割れ易いRC segmentの図心に近づけるspreader
を装備した方が良い。
参考文献
1)mini shield工法協会
http://www.minishield.com/segment/
2)土木学会:トンネル標準示方書シールト゛工法編p48、2006. 3)小泉淳監修:地下利用学、p86、技報堂、2009.10.
4)佐藤誠・徳山哲也・中筋智之・山下武男:東京カ゛ス砂町運河横断工事,p54、トンネルと地下、2000.11.
https://app.box.com/s/xgosciht3umylxjpyt308sk20sd0wmuf
#7965 Re:急曲線重要構造物下での極小口径shield工法の地盤変状工夫案(口径分類を補完したお詫び)
文献4)に私が記した様に、「土木学会・日本下水道協会:シールト゛工事用標準セク゛メント、2001.」でsegment外(直)径が1800mm以上の為、当該shield口径を極小口径と分類します。
#7966 Re: Re:急曲線重要構造物下での小口径shield工法の地盤変状工夫案
詳しいアドバイス、どうもありがとうございます。
参考文献も含め、熟読させてもらいます。