(1)収縮ひずみの予測式の使い方について
コンクリート標準示方書[構造性能照査編]2002のp.30に記載されている収縮ひずみの予測式は、下式のように定義されておりますが、
ε'cs(t,t0)=[1-exp{-0.108(t-t0)^0.56}]・ε'sh (解 3.2.3)
ここに、
ε'cs(t,t0):コンクリートの材齢t0からtまでの収縮ひずみ
t0およびt:乾燥開始時および乾燥中のコンクリートの有効材齢(日)
ε'sh:収縮ひずみの最終値
上式を用いて長期(t→∞)の収縮ひずみを求めますと、t0によらずε'cs(t,t0)は必ずε'shとなります。
一方、同ページの表3.2.2に示されるコンクリートの収縮ひずみは、乾燥開始材齢により異なる値が示されております。
同表のコンクリートの収縮ひずみは、「乾燥開始材齢以降に生じる収縮ひずみ」のように思われ、また、予測式のε'cs(t,t0)も「コンクリートの材齢t0からtまでの収縮ひずみ」の定義から同じ意味にとれるはずなのですが、なぜこの違いが生じるのかが分かりません。
つきましては、
1)表3.2.2に示される値の方が妥当と思われますので、予測式の正しい使い方を教えていただけないでしょうか。
2)表3.2.2に示される値は、予測式から求めることができるのでしょうか。求めることが可能でしたら、(解 3.2.4)(解 3.2.5)で用いられるパラメータについて、実際に用いた値を教えていただけないでしょうか。
3)(解 3.2.5)について、Δtiの定義が「温度がT(℃)である・・・」とありますが、式中にTなるパラメータが見当たりません。TをT(Δti)と読み替えればよいのでしょうか。
(もしそうであれば、TおよびT(Δti)は、Ti(℃)としたほうが分かりやすいのではないでしょうか。)
(2)収縮ひずみの意味
(解 3.2.3)で予測される収縮ひずみ、もしくは、表3.2.2の収縮ひずみは、以下のいずれでしょうか。
1)自己収縮ひずみ、乾燥収縮ひずみ等のトータル
2)乾燥収縮ひずみのみ(パラメータに乾燥開始材齢が用いられていることから)
3)上記以外
もし、1)であるとすれば、コンクリート打設後、ある期間だけシール等で養生されていた場合、乾燥収縮は養生の後に始まるのに対し、自己収縮は養生によらず凝結後に収縮が始まるので、それぞれのひずみを求める際に用いる「設計で収縮を考慮するときの材齢」が異なるように思われるのですが、この場合はどのように考えたら良いのでしょうか。
それから、【解説】中では、乾燥開始材齢=(例)プレストレス導入時の材齢としていますが、なぜ敢えて「乾燥」を用いているのでしょうか。
以上、分かりにくい表現の質問となり恐縮ですが、ご回答いただけますよう、宜しくお願い申し上げます。