久しぶりに道路公団民営化議論が、テレビのサンデープロジェクトで取り上げられていた。
猪瀬直樹氏を悪者にし弁明の機会を提供するという設定で面白かった。
取り巻く評論家の疑問の第1は、「結局不採算路線を含む9342kmすべてが出来てしまうのは、改革がまやかしであるからだ。」というもの。
第2は、「なぜ松田氏など民営化推進検討委員会の元委員が猪瀬氏を批判するのか」というものであったと思う。
第1の質問に対する回答は明快で、「これから完成する約2000kmを照査して採算性の確保できる区間のみ民営化企業で取り込む。残りは無料道路で、税金(特定財源)で対応するが、地方負担が課せられているので歯止めはある。」「この考えは朝日新聞なども社説で主張していた方式だ。」
また「民営化の要点の第2は財投を使わず市場で資金調達を行なうので、経営努力が市場に評価され、国民の監視ができることである。」とも主張。
第2の質問には、「私を批判する人には、上下分離や分割に反対する人もいる。民営化の要点は経営権の民営化であって、開かれた民営化を目指す必要があり現在の民営化の仕組みはこの方向である。道路という公共財産を保有し経営するべきだという主張は閉ざされた民営化で、利権構造の隠蔽をねらう陰謀である。」と主張。
ハイカなどの利権がらみの実態、JHが値下げすると困るJRなどの思惑があるとすると鋭い主張に思えました。
全体として、回りの評論家の不勉強(という役回りだったか?)が目立ったひとコマに思えましたが如何でしょう?
(森 靖之)