シュミットコンクリートテストハンマー
08年10月9日にtaxiさんが「岩シュミットとコンクリートシュミ
ット」について,質問していました.以下に,両者の概要を述べま
す.
岩判定の方法に関しては,例えば,菊地宏吉,平成2年,地質工
学概論,115-117 などを見て下さい.
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<コンクリート用シュミットハンマー>
シュミットコンクリートテストハンマー(シュミットハンマー)
は,試験面に当てるプランジャーが鋼棒(直径1.5cm)となってい
る.一軸圧縮強度は,シュミットハンマーの反発度と一軸圧縮強度
試験で求めたコンクリート供試体の強度との相関から求める.日本
材料学会の反発度とテストハンマー強度の換算式もある.
詳しい説明は,「コンクリート標準示方書 基準編 土木学会基
準および関連基準」(土木学会,2007)や「コンクリート診断技術
〔基礎編〕」(日本コンクリート工学協会)に載っている.
また,土木研究所のHPの「研究成果・技術情報>プログラム・要
領等の提供 」に「テストハンマーによる強度推定調査の6つのポイ
ント」が載っている.
なお,JISA1155-2003に「コンクリートの反発度の測定方法」が
あるが,土木学会基準(JSCE-G504-2007)とは異なっているので注意
が必要である.
<岩盤用シュミットハンマー>
シュミットロックハンマーは,外見はシュミットハンマーのプラ
ンジャーの先端に皿状の鋼板を付けたものである.この皿状鋼板は
直径3.0cm,厚さ0.75cmである.衝撃エネルギーは2,207Nmでシュミ
ットハンマーと同じである.
反発度から推定一軸圧縮強度を求めるのは,推定式あるいは本体
に付いているグラフから行う.当然,推定式はシュミットハンマー
とは全く異なる.
シュミットロックハンマーは電力中央研究所の研究成果をもとに,
シュミットコンクリートテストハンマーを開発したシュミット博士
が実用化した器械だそうです.
【END】