土の圧密沈下について教えてください。
プレロード盛土高5mに対して、盛土構築した圧密沈下層が20mあるとして、
20mの圧密沈下層を単一層としてみる場合と、5m×4層の複数土層としてみた場合の沈下量は異なるで正解でしょうか
計算した結果、異なってしまったのですが、なぜ異なるのか理解できていません
また、複数土層としてみるのは間違いなのかどうか教えてください
沈下量の算出はe-logP法です
同様の質問について,下記URLで,建築のしずむ氏に回答し,議論しました. https://jsce.jp/pro/node/7359 貴殿の条件に,私が適正条件・諸元を設定し以下に記す.圧密層の下層が砂礫等透水層の場合,盛土直後に圧密層上・下面に於いて過剰間隙水圧0で,両面排水され,圧密圧力として 盛土圧σ_e'[kN/m^2]=圧密層上面からの深さ10m(=H/2)での過剰間隙水圧[kN/m^2] とした場合,圧密時間t[day]→∞での単一層の沈下量S[m]は, S=H・m_v・σ_e'=20・m_v・5γ_et=20・m_v・90=1800m_v[m](1) 此処に,H:圧密層厚(=20m),m_v:圧密層体積圧縮係数[m^2/kN],γ_et:盛土湿潤単位体積重量(=18kN/m^3) 圧密過程での多層地盤式を単一層を4等分割して用いると, S=ΣU_t・H_i・m_v・σ_e'(i=1,・・,4)=90U_t・m_v・20=1800U_t・m_v[m](2) T_v=c_v・t/{ΣH_i(i=1,・・,4)/2}^2=c_v・t/(10^2)→U_t 此処に,U_t:圧密度[1],H_i:上からi番目の層厚=5(=20/4)m,T_v:時間係数[1],c_v:圧密係数=k/(m_v・γ_w)[m^2/day],k:透水係数[m/day](=1/86400[m/s]),γ_w:圧密層間隙水の単位体積重量(=10kN/m^3) 従って,U_t=1で式(1),(2)は一致し,単一層を4等分割してもSは同じと成る. 貴殿が複数分割し,単一層の場合と異なったSが算出された原因は, 圧密過程で層間に砂層等透水層が介在する圧密過程式を用いた 又は 多層地盤沈下量式 S=Σ[C_ci・H_i/(1+e_oi)]log_10[(σ_0i'+σ_e')/σ_0i'](3) 此処に,σ_0i':i層での圧密前有効応力[kN/m^2],e_oi:i層での圧密前間隙比[1] に於いて,σ_0i'=γ'・{5/2+5(i-1)}{此処に,γ':圧密層の水中(有効)単位体積重量=γ_sat-γ_w,γ_sat:飽和単位体積重量=16kN/m^3}とした為と私は推す. 単一層を4等分割してSを一致させるには,各要素上面からθH_i<此処に,0<θ≦0.5=1/2{θ∊R(実数)}>の位置でσ_0iを求めると,単一層では, S={20C_c/(1+e_0)}log_10{(20θγ'+σ_e')/(20θγ')}={20C_c/(1+e_0)}log_10{1+σ_e'/(5・4θγ')}(4). 4等分割すると, S={5C_c/(1+e_0)}Σlog_10<{5(i-1+θ)γ'+σ_e'}/{5(i-1+θ)γ'}>(i=1,・・,4) ={5C_c/(1+e_0)}log_10Π<1+σ_e'/{5(i-1+θ)γ'}>(i=1,・・,4)(4') 式(4),(4')を等置して, 4log_10{1+σ_e'/(5・4θγ')}=log_10〔{1+σ_e'/(5θγ')}<1+σ_e'/{5(1+θ)γ'}><1+σ_e'/{5(2+θ)γ'}><1+σ_e'/{5(3+θ)γ'}>〕. 数値計算に拠り,θ≈0.289≈1/3.46. 即ち,単一層上面から(20/3.46)m,等4分割した各上面から(5/3.46)mでのσ_0i'を用いればSは一致する.貴殿は建築基礎構造設計指針に拠り,θ=0.5=1/2で求めて誤差が生じたと推す. 以上に拠り,単一層では複数分割する意義が殆ど無く,多層地盤の場合,複数土層とする意義が有ると判断する. 参考文献 東工大 北詰 教授に拠る土質力学第二資料,2016.
ようこそゲストさん
お知らせ 話題 用語解説
コメント
#9634 Re: 沈下量の検討について
沈下量の算出はe-logP法です
#9635 Re:一次圧密沈下量の検討
同様の質問について,下記URLで,建築のしずむ氏に回答し,議論しました.
https://jsce.jp/pro/node/7359
貴殿の条件に,私が適正条件・諸元を設定し以下に記す.圧密層の下層が砂礫等透水層の場合,盛土直後に圧密層上・下面に於いて過剰間隙水圧0で,両面排水され,圧密圧力として
盛土圧σ_e'[kN/m^2]=圧密層上面からの深さ10m(=H/2)での過剰間隙水圧[kN/m^2]
とした場合,圧密時間t[day]→∞での単一層の沈下量S[m]は,
S=H・m_v・σ_e'=20・m_v・5γ_et=20・m_v・90=1800m_v[m](1)
此処に,H:圧密層厚(=20m),m_v:圧密層体積圧縮係数[m^2/kN],γ_et:盛土湿潤単位体積重量(=18kN/m^3)
圧密過程での多層地盤式を単一層を4等分割して用いると,
S=ΣU_t・H_i・m_v・σ_e'(i=1,・・,4)=90U_t・m_v・20=1800U_t・m_v[m](2)
T_v=c_v・t/{ΣH_i(i=1,・・,4)/2}^2=c_v・t/(10^2)→U_t
此処に,U_t:圧密度[1],H_i:上からi番目の層厚=5(=20/4)m,T_v:時間係数[1],c_v:圧密係数=k/(m_v・γ_w)[m^2/day],k:透水係数[m/day](=1/86400[m/s]),γ_w:圧密層間隙水の単位体積重量(=10kN/m^3)
従って,U_t=1で式(1),(2)は一致し,単一層を4等分割してもSは同じと成る.
貴殿が複数分割し,単一層の場合と異なったSが算出された原因は,
圧密過程で層間に砂層等透水層が介在する圧密過程式を用いた
又は
多層地盤沈下量式
S=Σ[C_ci・H_i/(1+e_oi)]log_10[(σ_0i'+σ_e')/σ_0i'](3)
此処に,σ_0i':i層での圧密前有効応力[kN/m^2],e_oi:i層での圧密前間隙比[1]
に於いて,σ_0i'=γ'・{5/2+5(i-1)}{此処に,γ':圧密層の水中(有効)単位体積重量=γ_sat-γ_w,γ_sat:飽和単位体積重量=16kN/m^3}とした為と私は推す.
単一層を4等分割してSを一致させるには,各要素上面からθH_i<此処に,0<θ≦0.5=1/2{θ∊R(実数)}>の位置でσ_0iを求めると,単一層では,
S={20C_c/(1+e_0)}log_10{(20θγ'+σ_e')/(20θγ')}={20C_c/(1+e_0)}log_10{1+σ_e'/(5・4θγ')}(4).
4等分割すると,
S={5C_c/(1+e_0)}Σlog_10<{5(i-1+θ)γ'+σ_e'}/{5(i-1+θ)γ'}>(i=1,・・,4)
={5C_c/(1+e_0)}log_10Π<1+σ_e'/{5(i-1+θ)γ'}>(i=1,・・,4)(4')
式(4),(4')を等置して,
4log_10{1+σ_e'/(5・4θγ')}=log_10〔{1+σ_e'/(5θγ')}<1+σ_e'/{5(1+θ)γ'}><1+σ_e'/{5(2+θ)γ'}><1+σ_e'/{5(3+θ)γ'}>〕.
数値計算に拠り,θ≈0.289≈1/3.46.
即ち,単一層上面から(20/3.46)m,等4分割した各上面から(5/3.46)mでのσ_0i'を用いればSは一致する.貴殿は建築基礎構造設計指針に拠り,θ=0.5=1/2で求めて誤差が生じたと推す.
以上に拠り,単一層では複数分割する意義が殆ど無く,多層地盤の場合,複数土層とする意義が有ると判断する.
参考文献
東工大 北詰 教授に拠る土質力学第二資料,2016.