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道路横断ボックスカルバートの杭基礎について、耐震設計を行う必要はあるのでしょうか?
杭基礎設計便覧を確認すると橋台、橋脚の耐震設計手法が殆どで、ボックスカルバートの耐震設計が記載されていません。
杭頭結合方法のところに「ボックスカルバートのような水平力が小さく比較的底版厚が薄いような場合はヒンジ構造が望ましいばあいもある」との記載だけのようです。(杭に地震による水平力を与えない?考慮しないとのことでしょうか?
私は、以下の理由で常時のみで良いと思いますが、他のかたの意見を教えてもらえないでしょうか。
① BOXは周辺の土よりも見かけの単重が小さいことから、周辺地盤の挙動に支配される。
このため、杭頭に大きな慣性力が作用しない。
また、抗土圧構造物の様に片側から土圧が作用する訳では無く、両側から土厚が作用(交番作用)するため転倒の恐れは無い。
② 杭に多少の損傷があっても本体が崩れなければ生命や財産の危険が無い。
(このため、BOX本体だけは、B6.5m×H5.0m(カルハ゛ート工指針より)を越えた場合、耐震設計は行う。)
③ 河川構造物の函渠においても、杭基礎に塑性化が生じたとしても函渠を支持することは可能であるため耐震性能照査は省略している。
(出典:河川構造物の耐震性能照査指針(案一問一答 河川局治水課 平成19年11月版)
④ BOX杭基礎の損傷事例をインターネット等で調べたが特に報告されていない。
(「被災事例を考慮して総合的な工学的判断を下すことが必要である」カルハ゛ート工指針 H22.3 P49)
⑤ 近畿地方整備局の設計便覧のボックスカルバート杭基礎設計においても「常時のみとする。」と記載されている。
【その他】
PHC杭、鋼管杭は、場所打ち杭に比べて水平力に弱いため、経済性等の観点から優位性が無くなってくると思います。
また、BOXの慣性力の影響が小さいのであれば、BOX本体の仕様規定型と性能規定型の枠組みから離して考え、重要路線によっては小さな水路BOXの杭基礎においても耐震を考慮しなければならなくなると思います。
コメント
#5893 Re: 道路ボックスカルバート 杭基礎の耐震設計
③と⑤は管理者と協議する内容だと思います、また③は管理者が違うから参考になるかどうかは?
①②は、・・・しない とか 無いとか言うことを何らかの方法で照明する必要があると思います
#5921 Re: 道路ボックスカルバート 杭基礎の耐震設計
返信ありがとうございました。
こちらからの返信遅れましたが、あれからお二人の返信を見て考え
L1のみ照査することとしました。
照査方法としては、2DFEM(土はソリッド、BOXと杭は梁要素)で杭頭に発生する
せん断力から水平力を求めました。
そして、この水平力を通常の杭の変位法に取り込み照査を行いました。
この方法を採用した理由は、物部岡部の地震時土圧で水平力を求めると
受動側に土が無いため過大に水平力が発生し、現実的で無い杭基礎の規模になるからです。
とりあえずこれで、発注者に確認したいと思います。
ありがとうございました。
#5896 Re: 道路ボックスカルバート 杭基礎の耐震設計
ヒンジ構造は水平力は伝えます。剛結合のようにモーメントを拘束しないという意味ですので注意ください。
杭基礎設計便覧に記述されているように、杭基礎は剛結合が一般的。水平変位の制限で設計が支配される場合は、変位が低減される剛結合が有利という意味合い。
剛結合にするとこれにより生じる杭頭モーメントに対して底版の構造設計が必要となるので、比較的底版が薄いような(必要以上に厚くしたくないような)場合にはヒンジ構造が望ましいということになる。
①~⑤については、管理者の判断によるところが大きいように思います。目標性能としてどういうことを目指すのかによって「耐震設計」といっていることの意味合いも微妙ですが、例えば一定の地震を受けた後に杭がせん断破壊、曲げ破壊して鉛直支持性能を失ってしまってもよいかとなると、そうは言えないのでは。少なくともL1レベルではこういう判断になるのではないでしょうか。応答変位法のような照査で地盤変位で杭が破壊してしまうような状況、杭頭を剛結にしたために多少の水平変位で杭が終局モーメントに達してしまい、そのことが全体挙動の評価上問題があるような状況では注意(検討)が必要かと思います。
③にあるように照査をしなくても支持することが可能といえるような使用状況であれば照査を省略するという考え方はあり得ると思います。
#5922 Re: 道路ボックスカルバート 杭基礎の耐震設計
返信ありがとうございました。
こちらからの返信遅れましたが、あれからお二人の返信を見て考え
L1のみ照査することとしました。
照査方法としては、2DFEM(土はソリッド、BOXと杭は梁要素)で杭頭に発生する
せん断力から水平力を求めました。
そして、この水平力を通常の杭の変位法に取り込み照査を行いました。
この方法を採用した理由は、物部岡部の地震時土圧で水平力を求めると
受動側に土が無いため過大に水平力が発生し、現実的で無い杭基礎の規模になるからです。
とりあえずこれで、発注者に確認したいと思います。
ありがとうございました。