鉄筋コンクリートの引張強度

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鉄筋コンクリートの引張強度は通常、圧縮強度の1/10程度と考えているのですが、このことが記載されている、文献等が御座いましたらお教え願いませんでしょうか。

コメント

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 引張強度を圧縮強度の1/10程度と考えることは、2002年度版コンクリート標準示方書「ダムコンクリート編」(土木学会発行)の2章2.4.3「強度」の解説の中に「概略設計段階では、ダムコンクリートの引張強度として圧縮強度の1/10程度の値を用いることができる。」との記載があります。
 これはあくまでも便宜的な目安にとどめ、実際には、JIS A 1113「コンクリートの割裂引張強度試験法」(同 コンクリート標準示方書「基準編」JIS等関連基準 G.硬化コンクリート参照)によって求めることが必要です。

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sekiです。

 上記のように回答させていただきましたが、ご質問の内容をもう一度読ませていただいたところ誤りが在りましたので訂正さていただきます。

 ご質問では、「鉄筋コンクリートの引張強度は通常、圧縮強度の1/10程度と考えているのですが・・・」となっています。私が回答させていただきましたのは、ダムコンクリートの場合なので鉄筋の入っていない、無筋状態での引張強度でした。
 誠に申し訳ありませんでした。

 

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 革めて回答させていただきます。

 まず、コンクリートは、適量のセメント、細骨材、粗骨材に水を加え、練り混ぜて作られています。この他上記材料に混和材料を添加している場合もあります。
 この様にして作られたコンクリートは、引張強度が圧縮強度に比べて低く、一般にその比は、1/10〜1/13程度と言われています(その一例は、先の回答に示したとおりです)。

 次に鉄筋コンクリートですが、このコンクリートの欠点を補うために鉄筋などの鋼材を使用し、部材(例えば、柱や梁など)に作用する引張力に対して抵抗させている。ちなみに、無筋コンクリートは、引張力に対して鋼材で補強しないコンクリートです。

 鉄筋コンクリートの部材の設計では、コンクリートの引張強度は無視し、引張力は全て鋼材が負担すると考えることから、「鉄筋コンクリートの引張強度は通常、圧縮強度の1/10程度」ではなく鋼材の引張強度となります。