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急傾斜地崩壊対策として、現況斜面に吹付法枠工を施工する設計を行っています。
現況斜面の安定計算の結果、最小安全率が1.2以上(神奈川県基準値)のため、対策工は抑制工とする方針となりました。
全国特定法面保護協会「のり枠工の設計・施工指針」(改訂版第3版,平成25年10月)P38~42に則り、
吹付法枠の設計計算を行おうと考えているのですが、計算に用いる入力値について以下の疑問が生じました。
①P39の荷重算出で、「のり枠の設計で考慮する荷重Pは、荷重のすべり面方向の分力に、増加させる安全率⊿Fsを乗じたものとする。」
とありますが、安定計算で抑止工(=安全率1.2以上)であるのに、安全率を増加させる必要はあるのでしょうか。
P40の計算式内に、「⊿Fs:増加させる安全率(のり枠が分担する安全率)」との記載もありますが、
斜面が安定しており、すべりが基本的に発生しない(地山が抵抗する)ので、法枠は土塊の重量を分担しないのではと考えました。
抑制工であっても、将来的に斜面の風化などによって局所的な崩壊が起き、法枠に土塊荷重がかかると仮定し、
設計計算を行う必要があるのでしょうか。
それとも、安定計算により、斜面が安定していると判断できている場合には、本設計計算は不要なのでしょうか。
②抑制工であっても法枠に土塊荷重がかかると仮定して設計計算を行う必要がある場合、
すべり土塊の規模はどのように設定すればよいでしょうか。
P42の算出式のように、すべりの規模(すべりの深さ、崩壊の長さ(円弧の場合弦の長さ))から土塊重量を算出する必要が
あるかと思いますが、安定していてすべりが基本的に発生しない斜面で、どのようにすべりの規模を設定すればよいでしょうか。
最小安全率となるときのすべり円弧を用いようと考えましたが、表層以下を含む大きな円弧な上、安全率が1.2以上のため、
本設計計算に用いるのは不適と考えました。
以上、稚拙な文章で申し訳ございませんが、ご助言いただけますと幸いです。
コメント
#9805 Re: 吹付法枠工 抑制工として用いる場合の設計計算について
崩壊履歴があり対策が必要なんですよね?土質試験値はサンプルをとったその箇所の値であって、斜面全体の定数とすると崩れているのに安定しているなど実態と解離があります。普通、土質定数は安全率FS=0.95〜1.00として逆算します。移動土塊の層厚から粘着力cを定めればせん断抵抗角Φが決まります。更に、準拠する基準にもよりますが、計画安全率FS=1.2として必要抑止力を決定します。
#9807 Re: 吹付法枠工 抑制工として用いる場合の設計計算について
崩壊履歴があるわけでなく、高さや角度から、急傾斜地崩壊危険区域に指定された斜面の対策工事設計です。
崩壊履歴がなく、安定計算からも斜面が安定していると判断されるため、抑制工とする方針です。
土質試験が行われていない場合や、地質調査の地盤定数値を使用した安定計算の結果がFs<1.0となる場合は、
おっしゃる通りの逆算法でC,φを設定し、計画安全率に対する必要抑止力を求め、ロックボルト等の抑止工を
検討するかと思います。