現在地
ホーム › 排水性舗装の不透水層について排水性舗装の不透水層について
排水性舗装について質問ですが、ある工事で排水性舗装下の不透水層が瀝青安定処理で設計されておりました。
設計報告書には「A交通では通常は表層1層だが、不透水層を設けるため粗粒度アスコン又は瀝青安定処理を採用する」としており、
経済比較により瀝青安定処理が選定されておりました。
そこで舗装関連要領を調べてみましたが不透水層が瀝青安定処理で可能かどうかの明確な記述が見つかりませんでした。
ただし、日本道路協会が発刊している【排水性舗装技術指針(案)P.5】には排水性舗装に関する今後の課題として中・軽交通量道路
における舗装構造の簡素化、たとえば不透水性の層として瀝青安定処理路盤の採用について検討する必要があるとだけ明記されて
おりました。
瀝青安定処理を不透水層とした場合、アスファルト混合物と比べ耐久性・強度が落ちるのは分かりますが、不透水性に関しては問題ないのか疑問です。
一般的にアスファルト混合物を不透水層とするとされていますが、瀝青安定処理を不透水層としよいのかどうか分かる方がいらっしゃいましたら教えてください。
コメント
#5328 Re: 排水性舗装の不透水層について
質問は、大きな問題点だと思います。
表層に排水性舗装のとき、基層以下に不透水層として、何を使うべきか?
まず、「不透水」とは何かの定義ですが、
舗装調査・試験法便覧(第3分冊)(日本道路協会)161P
アスファルト混合物の加圧透水試験方法
解説(1)防水層(不透水層)透水係数の目安
の中に「水利用アスファルト混合物の1×10マイナス7乗㎝/s以下の透水係数を目安として配合設計をおこなう」とあります。
そしてこの不透水を満足するためには、
同162P最終行「水利アスコンおよびSMAと透水係数の関係から、空隙率が3%~4%であれば透水係数の目標値(1×10マイナス7乗㎝/s以下)を満足することが確認されている。」
とあります。つまり、この空隙率は 当地区2社の配合設計書からみると
空隙率
密粒度アスコン 3~3.5 %
粗粒度アスコン 3~4.5 %
瀝青安定処理 7~8 %
上記から、密粒度アスコンまでは不透水層として使えますが、
粗粒は材料の確認が必要でしょう。瀝青安定処理は、不透水層として使用できないでしょう。
現実問題として、排水性舗装の長期供用性を確保するなら、基層には粗粒以上のアスファルトの富配合 合材を使用すべきです。
#5329 Re: 排水性舗装の不透水層について
ご回答ありがとうございます。
舗装調査・試験便覧は手元になく確認してなかったのでそういった記述があるのを始めて知りました。
空隙率3%~4%とはおそらく橋面防水層を基準とした指標かと思われますが、密粒度As・粗粒Asと比べて
瀝青安定処理は空隙率が大きく透水しやすいということはわかりました。
また自身でも参考までに国交省・各県の舗装設計マニュアル等を調べておりましたが、どこの機関も「粗粒As
または密粒As」を不透水層とするとされており瀝青安定処理でも可能との記述は見つかりませんでした。
大変参考になりました。ありがとうございました。