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重ね継手のいわゆるイモ継手状態の考え方について教えて下さい。
通常、継手を設ける場合は、基本定着長で重ねて、隣同士を25D離して千鳥配置すると思います。
ある手引きの内容ではいわゆるイモ継手状態では基本定着長Ld=30Dの1.3倍以上=40Dとなっています。これはコンクリート標準示方書(設計編)を参考にしてと書いてありました。
そのため、千鳥配置できずイモ継手になる場合の対処として、「2007年制定コンクリート標準示方書(設計編)P363の6.2軸方向鉄筋の継手について」を参照したのですが、いまいち内容がわかりません。
コンクリート標準示方書には以下の内容が書かれています。
(1)「配置する鉄筋量が計算上必要な鉄筋量の2倍以上、かつ同一断面での継手の
割合が1/2以下の場合には、重ね継手の重ね合わせ長さは基本定着長Ld以上としなけ
ればならない。」
(2)「(1)の条件のうち一方が満足されない場合には、重ね合わせ長さは基本定
着長Ldの1.3倍以上とし、継手部を横方向鉄筋等で補強しなければならない。」
(3)「(2)の条件の両方が満足されない場合には、重ね合わせ長さは基本定着長
Ldの1.7倍以上とし、継手部を横方向鉄筋等で補強しなければならない。」
(4)〜(7)省略
仮に今、計算上必要な鉄筋量がD16@125(図面もD16@125)でここに重ね継手を設ける
とします。
(1)〜(3)の内容で考えると以下の対処で良いのでしょうか?
注)基本定着長Ld=30D=30×16=480
(1)の内容で考えると、D16@62.5の2倍に増やし重ね継手を千鳥配置にすれば基本
定着長Ld=30D=480でよいと言うことでしょうか?
(2)の内容で計算上必要な鉄筋量の2倍以上がない場合(鉄筋ピッチを変えず
D16@125のまま)は、重ね継手を千鳥配置にすれば基本定着長Ldの1.3倍以上=1.3×
30D≒40D=640でよいと言うことでしょうか?
(3)の内容で、いわゆるイモ継手状態(D16@125が同一断面で重ね継手)の場合は
基本定着長Ldの1.7倍以上=1.7×30D=51D=816≒820でよいと言うことでしょうか?
それとも、同一断面で重ね継手を行えば鉄筋量は2倍になっているので(2)の内容
となり、基本定着長Ldの1.3倍以上=1.3×30D≒40D=640で良いのでしょうか?
もし(1)の考え方で正しいとすると、基本定着長で重ねて、隣同士を25D離して千鳥配置しさらに鉄筋量を2倍にしなければなりません。いままでそんな対処をしている設計や現場は見たことがありません。
もし(2)が正しいとすると、鉄筋量はそのままで千鳥配置すれば基本定着長×1.3となりますが、ある手引きに書いてあった、いわゆるイモ継手状態では基本定着長Ld=30Dの1.3倍以上=40Dがおかしいことになります。
結局、いわゆるイモ継手の場合は基本定着長×1.3倍なのか×1.7倍なのかどちらにすればよいのでしょうか?教えて下さい。
コメント
#4301 間違ってたらごめんなさい。
A)同一断面での継手の割合が1(100%)の場合 → いわゆるイモ継ぎ
B)同一断面での継手の割合が1/2より大の場合
→ イモ継ぎでないがイモ継ぎに近い状態で、継手間隔が不十分な継手
C)同一断面での継手の割合が1/2以下で25D以上ない場合 → 継手間隔が不十分な継手
D)継手間隔が25D以上の継手 → 通常の配筋
(1)を読み替えると、
「継手間隔がC)の性能で、かつ計算上必要な鉄筋量の2倍以上が配筋されていれば30D以上でよい」
(2)を読み替えると、
「継手間隔がC)の性能で、計算上必要な鉄筋量の2倍以上が配筋されてなければ、1.3×30D以上必要ですよ」
または、
「継手間隔がA)B)の性能であっても、計算上必要な鉄筋量の2倍以上が配筋されていれば、1.3×30D以上でOKよ」
(3)を読み替えると、
「継手間隔がA)B)の性能で、計算上必要な鉄筋量の2倍以上が配筋されてなければ、1.7×30D以上必要ですよ」
ということではないでしょうか。
#7804 Re: 間違ってたらごめんなさい。
(1)を読み替えると、
「継手間隔がC)の性能で、
(2)を読み替えると、
「継手間隔がC)の性能で、
または、
「継手間隔がA)B)の性能であっても、
(3)を読み替えると、
「継手間隔がA)B)の性能で、
に当たる日本語が基準書には書かれていないと思います。
日本語から解釈すると道路橋示方書の2倍の鉄筋量を配置していなければ通常の設計ではないように解釈されます。
#4303 お礼
hirahira様
コメントありがとうございました。
そうすると、基本的には継手を設けたとき、必要鉄筋量の2倍(D16@125→D16@62.5)にすることはないので、いわゆるイモ継手は必基本定着長×1.7dにするということですね。
ある手引きに書いてあった基本定着長×1.3dは違っているのでしょう。
ありがとうございました。
#4304 Re:お礼
>ある手引きに書いてあった基本定着長×1.3d
について
一般的に、鉄筋の継手は応力の小さいところで継ぐのが基本です。
したがって、必要鉄筋量の2倍程度になっている場合が多いです。
なので、ある手引きの基本定着長×1.3dは、上記を前提にした
基準と考えます。
質問の継手については構造計算書によるか、または応力状態を想定して
判断すればよいかと思います。
#4309 Re:お礼
> イモ継手は必ず基本定着長×1.7d
こういう対応ももちろん可能だと思いますが、構造物の規模、スペースによっては、基本定着長×1.7dが確保できない場合もあるでしょうから、その場合は、鉄筋量を2倍にする対応もあるのではと思います(必要鉄筋量の2倍(D16@125→D16@62.5)の対応が無理なら、鉄筋径を上げて対応するとか)。
イモ継ぎをしないが大前提にあるのでしょうが、現場の状況でやむを得ない場合とか、施工方法によっては、イモ継ぎにならざるを得ない工法(例えば、ゼロスペース工法など)の場合に対応するための救済措置的基準なのでしょうね。
#4305 なぜイモ継ぎ手がだめなのか。
最近、よく見かけるのは、規格・基準通りであればよいと考えられている人が多いと感じています。
問題の「なぜイモ継ぎ手がだめなのか」考えてください。そうすると理解できると思います。
1.鉄筋は引張力に対して配置しているものであり、片方の鉄筋端部が集中するとひび割れが発生しやすくなるから継ぎ手位置をずらすのが本題の目的である。
2.継ぎ手長の問題は、応力を伝達させるための、必要長である。
よって、重ね継ぎ手部の中心位置(半分の長さ)に隣の鉄筋端部があるか、半分の長さ以上に互いの鉄筋端部をずらすかであり、ラップ長を長くしても同一位置に鉄筋端部が集中している場合は、イモ継ぎと同じでありひび割れが発生しやすくなるのです。