町にある小さな橋のほとんど全てが反り(真ん中が高くなっている)ことの理由が知りたいのですが、どなたか簡単な説明いただけますか?
橋を乗っける部分はすべるようになっている(ローラーシショウ?とか、すべりシショウとか)と聴いたことがあります。とすると、反っているからといって、構造的な合理性は無いのでは?と思います。小さな歩行者専用ブリッジでも反っているのに、首都高などの高架道路はまっすぐです。反っているほうが工事も設計も難しいと思うのですが、どんな合理性があるのでしょうか?教えてください。
よろしくお願いします。
コメント
#3042 小さな橋でも反りがあるのはなぜですか?
高速道路でも、全てキャンバーはついています。コンクリート等の打設方法が失敗して大きくキャンバーが残っているところもありますが、ほとんどは、舗装の厚み等で平らに見せているだけです。
#3043 キャンバー?
コメントありがとうございました。「キャンバー」という言葉、初めて聞きました。
調べてみると、「橋本体の重さで凹まないように、反りをつけておく」とのこと。
橋のように大きなものでは、そんな検討も必要なのか、と感心しました。
私が疑問に思ったのは、10m程度のコンクリート製の橋などにもこの「キャンバー」が
付いているのはなぜか?ということです。私が参照したHPには、
「橋梁本体の死加重に対して、設計者が予測するもの」
「キャンバー量は、通常、設計者が計算します」とありました。
そして、
「つまり”キャンバーかける”と言えば、”複雑な計算が、別途必要”」とも書いてありました。
橋脚の間が10mや20mの橋に、この「キャンバー」が必要なのかどうか?
「キャンバー」を見込むことは法規上の義務なのかどうか?といったあたり、
もう少し教えてもらえるとすっきりするのですが。
よろしくお願いします。
#3044 Re:キャンバー?
実務的には経験に基づくいくつかの理由があるかもしれませんが、
ひとつ、現場の感覚として追加させていただきます。
それは心理的なものです。
一般的に下から見た橋の桁がわずかでも下にたわんでいると不安な感じがするものです。
そもそもまっ平らな桁の下に立つと錯覚により若干たわんで見えるということもあるようです。
キャンバーはそのような不安感を緩和する作用があると思っています。
森 靖之
#3045 Re:キャンバー?
早速のコメント、本当にありがとうございます。
感覚、不安感の話、ありえると思います。
それとは別に、見上げたときの、「かっこいいから」というだけでも、理由であってよいのだと思います。
とりあえず、力学的な理由ではなく心理的、デザイン的な理由だとして理解してみます。
ちなみに、歩道橋って大きなH鋼みたいなものがまっすぐだったと思いますが、あれもキャンバー付いているのでしょうか?
あと一点だけ教えていただけるとありがたいのですが、
キャンバーの有る無しで、施工費用はどれくらい変わるのでしょうか?
1)キャンバー無しのコンクリート橋が100だとすると、
2)キャンバー有のRC橋、
3)キャンバー有の鉄骨橋、
4)キャンバー無しの鉄骨橋
感覚で構いません。
よろしくお願いします。
#3046 Re:キャンバー?
キャンバー:日本語では 製作そり と呼んでいます
意味は、橋本体の重さで凹まないように、反りをつけておくで大まかはあっていますが
歩道橋、道路橋、鉄道橋、水道橋、通水橋、旋回橋、跳橋、昇開橋、連絡橋・・等と
目的に応じていろんな橋があります。
橋は路面高さの完成形状(計画路面高)が指定されてあります。この計画高さに
合うように構造物を作って行くわけですが、重力により橋は自重によりタワミを
生じます。そのために、あらかじめ完成時の形状が計画時の形状になるように
この自重によるタワミとは逆方向につけておくことをキャンバー(製作そり)
と呼んでいます。
計画路面高は、道路の延長方向に縦断線形と言う物から設定されます
縦断線形は、起点(出発点)と終点(目的地)を結ぶ基準となる線形です
縦断線形は、必要に応じていくつかに直線とカーブ(2次曲線)の連続した線と
なっています。カーブの目的は、?視距(たとえば対向する車・人・路面の落下物
を認識できる距離)を確保する、?角折(直線と直線で縦断線形をつくるとが折れ
点ができる)による車両(自動車、自転車も含む)への衝撃を緩和するため、?
雨水の排水勾配をとる等の目的があります。
都市高速に多用されている高架橋と言うのは側面からの見た目は確かにレベルに近く
見える部分が殆どですが、実際は微小でも縦断勾配0.3%以上がついています、縦断
勾配を0とすると、排水および見通しが悪くなるからです。
平坦地で橋の中央が太鼓のように中央が盛り上がっている橋がある理由
見た目の悪いのもありますが、計画は上記の???を基にして決めます、橋の中が下がっている橋が無いかというと、数は少ないですがあります(デザインおよび力学的優位性から)
Q>ちなみに、歩道橋って大きなH鋼みたいなものがまっすぐだったと思いますが、あれもキャンバー付いているのでしょうか?
A付いています、歩道は人間があるくのですから、できるだけ縦断勾配が無いほうが
あるきやすいのですが、上記?にあるように雨水を排水ための勾配を取っています
現場で排水マスの位置とそれ以外(大概は橋の中央付近)を見通してみるとわかります
Q>キャンバーの有る無しで、施工費用はどれくらい変わるのでしょうか?
<付けなくても良い、撓むままに作ってよいのであれば、数%でしょう
#3047 Re:キャンバー?
ありがとうございます。
「計画道路高」また、新しい言葉を知りました。
自重によるたわみを見込むという力学的な操作が「キャンバー」とすると、
もしかしたら僕の疑問は、
「なぜ計画道路高で、中央部分を高くするのですか?」ということで、
キャンバーについての質問とは違ったのかもしれません。
説明いただいた「計画道路高」はカーブになる3つの理由。
?と?は、昇ってきたアプローチからの橋についての理由で、?はどんな橋でも共通の理由なのかと思います。
?向こうが見えやすいように(=カクンと折れないでなだらかにつなぐ)
?ガタンとならないように
?雨がたまらずに流れるように
上ってきた道をなだらかにつなぐ為(?と?の理由)は理解できて来ました。
ありがとうございます。
ただ、
Ans>平坦地で橋の中央が太鼓のように中央が盛り上がっている橋がある理由
は、?と?は関係ないような気もします。
となると、アプローチで上りきってからフラットにしてしまえば、橋本体はフラットというのはありえるのでしょうか?
Ans>勾配を0とすると、排水および見通しが悪くなるからです。
排水は分かるのですが、フラットのときに見通しが悪くなるというのはなぜですか?
すみません。質問は、
a)橋脚部分までの道がフラットで同じレベルにそろっている。のであれば、
?雨水の解決だけでよいのですか?
b)首都高などの連続ブリッジ(?)では、つなぎ目部分はキャンバーの下がり同士が
向かい合っていて、谷のようになっているのでしょうか?
の2点です。
もう少しお付き合いいただけると助かります。
よろしくお願いします。
#3048 道路計画
地形と土地利用上必然的に決まる道路縦断線形
道路および鉄道を立体交差で横断する場合
立体高架橋であれば、下を通る道路・鉄道を通すだけの空間を確保していますから
高架橋の始終端は下の道路に降りる必要がある、こうすると縦断には必ず折れ点が
できます、折れ点には車両が快適安全に通行できるまた排水勾配をとるために
必要な直線と曲線・・まれには曲線の連続した・・・縦断線形を計画すると
必然的になります。
平野部で河川を横断するような場合
堤防の天端は堤内地側地盤より高い場合が多い
橋の桁下は河川断面を犯さないように一般的には堤防天端より高くする必要がある
必然的に橋桁の高さ分だけ河川内の道路路面高は(堤防EL+桁構造高)となる
堤内地は土地利用上できるだけ高さを上げたくない
以上で道路縦断線形を作ると河川の中央を頂点とする線形となる
これに、通行車両が快適に安全に通過できるために必要な縦断曲線を挿入すると
縦断線形は太鼓となる
貴方が考えるように橋梁への取付け道路を上げてしまった場合、周辺の土地を全て
上げられれば土地利用の問題もないでしょうが・・・道路(橋も含む)は人が生活
のために利用するためのあると言うことを基本に考えれば・・・その様な
荒っぽい考えは・・・一般人であれ思いつくことが信じられない
道路は安全で快適なものであること
折れ点曲線・・については、自動車専用道路であれば自分で運転されて・・一般道路で
あれば徒歩で・・・自分で体験されたい
道路計画については・・・図書館で土木大学体系のシリーズのなかに道路計画があり
ますので・・一度みられたし・・・特別な専門知識がなくても地形図を見て道路とは
何のために必要なのか程度の一般常識があれば読めます
#3050 Re:道路計画
本当に何度もありがとうございました。
私の書き方におかしなところもあったと思います。
「両側から上ってくる道をつなぐ為に、橋は反っている」
のですね。
私の疑問の始まりは、「構造的に反っていたほうが良いのでは」という
橋の専門家ではない人たちの話にいまいち納得できなかったところから
始まっています。
「力学的な理由で反っているわけではない」
ということがわかったので、大満足です。
ありがとうございました。
「どんな合理性があるのですが?」という質問ではじめるのではなく、
「力学的に有利な点があるのですか?」ではじめるべきでした。
「フラットのところ」についての疑問は、
「取り付け道路をすべてあげる」のではなくて、
「谷を横断する橋のようなときには、登ってこないからたいらの橋でも良いですか?」
といった意味でした。
私が「アプローチからフラットにして」と書いたのは、質問とずれてしまいました。
本当にありがとうございました。