2003年6月27日に開催した第二回トークサロン(ご案内した開催概要)の感想など、参加者の書き込みをお待ちしております。
以下、開催当日の概要です:
<水問題とは...>
・世界レベルで見て、災害被害(額・死亡数とも)の2/3は風水害、地震災害は1/3
この状況は途上国・先進国を問わず
・2050年には世界人口の1/8が深刻な水不足に陥る。2025年にはアメリカでも水不足が深刻になる。
・洪水・渇水から、病気の蔓延,塩害などの2次被害も発生する。
<地球的な水循環の観測>
・気候は地球上における太陽エネルギーの循環であり、
地球上で最大のエネルギーの循環は水の循環。
気候変動の予測は水の循環を正確に把握することから始まる
-例えば、アジアのモンスーン、南太平洋のエルニーニョは水循環の中でも最大のもの。
・水循環のモニタリング、アセスメントは、現在世界的に推進されている活動で
2003年のエビアン・サミット、G8水行動計画の中にも盛り込まれている。
・現状、5機の人工衛星による観測体制が完成した。
NASAや世界の気象観測所からのデータが日本(東京大学生産研究所)
に集められて解析が進められている。
・ここで得られるデータは、気象予測の精度向上に用いられている。
つい最近、国内でも3次元の水循環の予測モデルが導入され、精度が格段に向上した。
<小池先生の活動>
・流域管理技術の分野である洪水・渇水予測の研究からはじまり、
積雪状況と河川流下水量の調査などを通じて、水循環観測の重要性に目をつける
・内陸で乾燥したイメージであるチベット高原での観測で、
水循環の激しさに衝撃を受ける。国際チームによるチベット水循環観測体制を構築する。
・観測規模を広げ、世界的な水循環観測網の構築を苦労しながら達成。
・土木工学という技術体系を常に意識しながら、活動されている。
<フロアーから>
・国際社会が、気候変動における技術的な知見を必要としている中、
小池先生の活動は気候変動の観測活動を支える屋台骨になっている。
・一般から見れば氏の研究内容は土木工学から逸脱している、
ただし、私たちも、(技術畑だけではなく)社会が望む方向へあえて逸脱する必要もある。
<個人的に>
・学生の時に受講した「土木工学概論」
などで教授から興味深い講義があったときの記憶がよみがえった。
・参加数が少ないのが悲しいが、
今回はタイトルから難しい印象を受けたため周囲をあまり誘わなかった。
もっと会員同士誘い合って参加して欲しいと思う。
また、土木の世界を一般の方にも知らせるいい機会であるので、
皆さんの周りにいる勉強家を誘ってみてもいいと思う。
・「大人のための土木講座」というような名前でもいいような。