深さ10における地中での鉛直荷重について

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道路の下面は風化花崗岩であり,地下10mに空洞が生じています.
この空洞を充填材で塞ぐ予定ですが,地上部に10kN/m2の活荷重があった場合,地下10mの深さではどのくらいの荷重になるのでしょうか.
充填材の上面に係る荷重の算定方法について教えてください.

風化花崗岩の荷重の分散角が分からないため,分散角を0度とおけば

 σz= V+γ・z = 10+26×10 = 270kN/m2

   σz:深さzにおける地中での鉛直荷重(kN/m2)
    V :活荷重 10kN/m2
    γ:花崗岩の単位体積重量 2.65t/m3 = 26kN/m3
    z:深さ  10m

上記の考え方でよろしいでしょうか.

コメント

ユーザー 匿名投稿者 の写真

今の計算は空洞直上の花崗岩の左右に鉛直亀裂が発生して全部下に落ちる計算時の荷重です。
また、活荷重が10m下に10kN/m2がまともに掛かるとは思えません。
土かぶりによる衝撃係数低減があります。

目的が今一歩分かりませんので、それさえわかれば計算が必要なのかどうかも分かります。
充填剤で塞ぐなら花崗岩同等強度のもので塞げばそれでいいと思います。
もしくは砂でも入れればそれでいいとは感じます。

ユーザー 中筋 智之 の写真

 風化花崗岩(真砂土)はarching効果を期待でき、土圧と水圧とを分離する有効応力原理と下式に示す「Terzaghi:theoretical soil mechanics」による落し戸に
作用する(緩み)土圧(pv)とから、道路陥没を防ぐための空洞に充填すべきcement系mortalに作用する土圧と水圧との和(p)は、
 p=pv+pw
 pv=(B1*(γ'-c/B1)/(K0*tanφ))*(1-exp(-K0*H*tanφ/B1))+p0*exp(-K0*H*tanφ/B1)
 h0=pv/γ'
 pw=γwHw
 ここに,B1:空洞幅の2分の1[m]
    φ:風化花崗岩の内部摩擦角[°]
    福岡市では風化花崗岩の力学的な岩盤区分は「土質工学会:風化花崗岩とまさ土の工学的性質とその応用」におけるDLの岩盤試験値φ=35°とした。
    γ’:水中単位体積重量(福岡市では11 kN/m^3)
     γ’=γt-γw
    γt:トンネル周辺土の湿潤単位体積重量(福岡市では21 kN/m^3)
     土粒子の比重Gs=2.65程のため、γt=26kN/m^3か確かめられた方が良いと判断します。
    γw:水の単位体積重量(=10 kN/m^3)
    c:粘着力(=0 kN/m^2)
    風化花崗岩であり設計上の安全側の観点からc=0 kN/m^2とする。
    K0:水平土圧と鉛直土圧の比(通常1.0として良い。)
    H:土被り(=10m)
    Hw:地下水位から空洞までの深さ[m]
    p0:上載荷重(一般的な建物荷重は10 kN/m^2)
     「道示」によるT-245を考慮する道路か確かめる。「共同溝設計指針」では上載荷重による分散角を45°としている。
    h0:緩み高さ[m]
 切羽圧を(主働土圧)+(静水圧)+(余剰圧50kN/m^2程)で保持して、segmentと地山との間に即時に裏込め注入するsegmentでも、「(社)土木学会・(社)日本下
水道協会:シールド工事用標準セグメント,平成2年」では最低緩み高さを2Do(D0:セグメント外径[m])としており、空洞は応力解放100%のため、設計に用いる
最低緩み高さは空洞幅の2倍以上で土被り10m以下に設定すべきと判断します。

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Tomoyuki Nakasuji様

最初のスレ立てから時間が経過してしまいましたが,

ご提示いただいた式について「土質基礎工学ライブラリー7 土と基礎 実用数式・図表の解説」
P366~368を参考に考え直してみました.

2018-07-23にて私が勝手に解釈して計算した例は「B1」の考え方が上記図書で示す「B」の考え方と
違っていました.

上記図書では,

     B = bt + ht×tan(45-φ/2)

       bt:トンネルの半幅
       ht:トンネルの高さ

であるため,
φ=35と仮定した場合,

     B = 1.0m + 3.0m ×tan(45-35/2) = 2.56m

更に,地下水位が無く単位体積重量を21kN/m3と仮定した場合,

     Pv = 2.56×21/(1.0×tan35)×(1-exp(-1.0×tan35×10/2.56))

     = 71.80 kN/m2

上載荷重10kN/m2を考慮した場合,

     Pv = 2.56×21/(1.0×tan35)×(1-exp(-1.0×tan35×10/2.56)) + 10×exp(-1.0×tan35×10/2.56)

     = 72.44 kN/m2

となりました.

ユーザー 匿名投稿者 の写真

ブーシネクスの方法で求めた見たらいかがでしょう

ユーザー FHH の写真

pen様,Tomoyuki Nakasuji様,匿名投稿者様
ご返信いただきありがとうございます.

pen様

 >充填剤で塞ぐなら花崗岩同等強度のもので塞げば・・・

風化花崗岩を軟岩と想定し「擁壁工指針 H24 P69」の解表4-8より
「岩盤-軟岩・土丹 一軸圧縮強度 1000kN/m2」を設計強度に考えています.

ただ,「一軸圧縮強度 1000kN/m2」が充填材の天端部にかかる荷重に対して
どの程度の安全率を持っているのかを把握したいと思い質問させて頂きました.

Tomoyuki Nakasuji様

ご提示いただいた式の前半部分を,例示いただいた条件値をもとに地下水位を
無視して算定した場合,

  空洞幅      2.0m
  地下水位を無視
  土かぶり厚   10m
  単位体積重量  21kN/m3
  粘着力 0kN/m2

 Pv=b*γ/(K0*tanφ)*{1-exp(-K0*H/b*tanφ)}
=1.0*21/(1*tan(35))*{1-exp(-1*10/1.0*tan(35)}
=29.991*{1-exp(-7.002)}
=29.991*0.99909
=29.964kN/m2

地下10mで空洞幅 2.0mの時,水圧が無い場合に充填材の天端にかかる鉛直土圧は,
30kN/m2 程度で宜しいのでしょうか.

匿名投稿者様

もう少し,お時間を下さい.

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地表面に露出した花崗岩は風化岩かもしれませんが、穴の内空部は中硬岩の部類に入るのではないかと思います。
花崗岩は全体は白いけど黒い粒の入った墓石の原材料として使っているはずで、石英質を含んでいますのでなかなか風化しにくい材質だったと思います。
ちなみに風化した後は、真砂土と言われるものになります。

その岩が硬いのか柔いのかは目視も大事ですが根拠が大事です。
弾性波探査まではしなくていいと思いますが、簡易弾性波試験で比較的容易かつ安価に調べることが出来ます。
現場での岩盤掘削における掘削機械選考のリッパビリティを示すためには比較的やる試験です。
土質試験屋さんならわかると思います。

ただ、質問内容の全容を理解していないので的外れの回答かも知れません。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

pen様,ご返信いただきありがとうございます.

>地表面に露出した花崗岩は風化岩かもしれませんが、
>穴の内空部は中硬岩の部類に入るのでは・・・

>質問内容の全容

以下,長文,駄文になります事を最初にお詫び申し上げます.

業務箇所は海岸線を通過する一部区間の海側になります.

保護路肩から外側は自然斜面であり海岸まで続いています.
おおよそ道路中心線から海側へ10m,高さで13m下がると
海岸(海底)になります.

 海岸は,TP+1.0mくらいで,平均潮面は,TP+0.0m程度です.
 朔望平均満潮面が,TP+1.5m程度であるため,概ね満潮時には
 空洞内に海水が流入します.

自然斜面の内,上半分くらいまでは8分~1割程度の勾配で
草木の被覆があります.

残りの下半分は花崗岩が露頭した崖(3分~5分勾配)になります.

海岸はミニチュアのリアス式海岸の容貌を成し,硬質な岩盤や
節理が開口し分離したコアストーンが海側へ突出しています.

節理の幅が狭く発達した箇所や風化により脆弱化した部分が深く
侵食され,長い年月をかけて海岸が後退しています.

空洞は複数箇所あり大小様々ですが,風化した脆弱な層の大きさに
比例し,大きなもので幅2m,高さ3m,奥行き10m程あり,道路の
中心線下にまで達しています.

空洞内で奥行き方向だけでなく,横方向へも空洞が生じている箇所
もあります.

空洞内部の岩質については,

 天井部
  風化花崗岩
  ハンマーで数センチの塊に崩せる.
  塊を指先で潰すことはできない.
  掌で強く握ると数ミリ~数センチの大きさに潰せる.
  天井の片側には厚さ1cm程度の粘土層あり.

 側分
  両側ともコアストーンの外殻が風化と浸食で剥がされている様.
  岩自体は中硬岩の部類と思われますが,外殻分は脆く剥がれ易さ
  が空洞の形成を助長しています.
  空洞内部においての外殻厚さや風化の深さは推定できません.

全体的に現地の花崗岩は堅固な部類に属すると思われる事,風化した層は
脆弱とはいえ幾分かの固結度を保っているため,現時点で空洞が崩落したり
道路が陥没するような状況にはならないと考えています.

ですが,これ以上空洞幅が広がったり周囲からの応力を失ったりすれば
空洞の天井部が崩落する可能性は大きくなると考えられるため,空洞内を
充填材で充填する事になりました.

この時,充填材の設計強度が必要になりますが天井部の土かぶり10m
部分の節理や風化の状況が分からないため,どの程度の荷重がかかるか
想定できないため,花崗岩と同程度の一軸圧縮強度を用いることにしました.

ですが,風化花崗岩の一軸圧縮強度の値は見つけられなかったため,
「道路土工-擁壁工指針 H24 P69」の「岩盤-軟岩・土丹」より
1,000kN/m2を採用しましたが,以前のコメントで申しましたように,

 >「一軸圧縮強度 1000kN/m2」が充填材の天端部にかかる荷重に対して
 >どの程度の安全率を持っているのかを把握したい・・・

と思い,荷重算定の考え方について質問させて頂きました.

ユーザー 匿名投稿者 の写真

内容理解しました。私はてっきり戦争時の竪穴、もしくは炭鉱の坑道でも埋めるのだろうという感覚でした。
海岸道路の道路下が洗堀でさらわれて穴が開いてるという話なんですね。

まず、海岸の穴入り口をコンクリで塞ぐ。
その後道路もしくはその付近の土地に穴をあけて、流動性あるコンクリを流し込む。
穴の大きさと個所数によっては砂利を入れて、プレパックドコンクリートにしても構わない(安いから)

たったそれだけです。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

>簡易弾性波試験・・・
>現場での岩盤掘削における掘削機械選考のリッパビリティを
>示すためには比較的やる試験です。

このような試験もあるのですね,全く知りませんでした.
機会がありましたら採用を考えてみたいと思います.

ユーザー 匿名投稿者 の写真

上記の計算は,一部の値の設定において,私の解釈に誤りがあるように思います.

ユーザー 中筋 智之 の写真

 空洞の高さht=3mが調査で分かっていれば、空洞頂部での緩み幅(B1)は、矩形断面の両下端を起点として主働破壊して、水平面から破壊面が45°+φ/2と仮定し
て、調べられた「土質基礎工学」での算定式により、私も、矩形推進に作用する土圧を検討してきました。一般的な建物荷重を考慮すると、土圧(pv)は、
 pv=72.48kN/m^2
となり、
 換算緩み高さ(h0)は、
 h0=3.42m<10m=H
となります。