鉄筋のさび

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ユーザー hiro-mo の写真

 ご教授願います。

 施工プロセスの試行工事となった橋脚工でのーチング鉄筋を組み上げたところで
施工プロセスが入り、鉄筋の加工部にさびが発生していたのを見て「さびを除去しないままコンクリートを打設するな」と言ってきました。
さびといっても鉄筋表面にうっすら出ている程度で鉄筋内部に浸食するような錆ではありません。(当然です。加工工場から搬入して1カ月もたっていないのですから)
その程度のさびは通常であり施工を止める理由にはならないと思いますが。なにぶん、
根拠になるものがありません。
 どの程度のさびは良くて、どの程度がだめなのか何か根拠になるような文献、または皆さんの経験で何かいい資料等あれば教えていただきたいのです。

 どうかよろしくお願いします。
   

コメント

ユーザー 大村 の写真

鉄筋が引張り応力に抵抗するためには、鉄筋の「断面積確保」の他、
鉄筋とコンクリートの「付着応力度確保」が求められます。

鉄筋を浸食していないような錆の場合、「断面積確保」は担保できますが、
「付着応力度確保」は、担保できているとは言い難いと思います。
実際現場では、曲げ加工した箇所でサビが発生しているのをよく見ますが、
「設計上それが問題ない」とするのは難しいのでは。

私が良く参考にする
「土木施工何でも相談室〔コンクリート工編〕」p55(2006.土木学会)
では、「錆びた鉄筋の処置」として、
「(鉄筋断面の減少が数パーセントもない場合には)槌でたたき落としたり、
ワイヤブラシですりおとしたり、サンドブラスティングなどで必ず取り除
かねばならない」
と記述されています。

私もこの処置をお勧めします。

ユーザー いさ の写真

現場に搬入した鉄筋は、養生していても数日で錆びてしまうので
工場にあるようなピカピカの新品で組み立てることは至難の業ですよね。

日本コンクリート工学協会 コンクリートQ&Aでは
http://www.jci-net.or.jp/j/whatis/faq/answer_zairyo-01.html
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 Q36. 鉄筋に発生した錆びは、どの程度まで許容されるのでしょうか?
 A36. 鉄筋に生じた小量の錆びは、コンクリートとの付着の面では、むしろ付着強度を増大させる効果があるので、むやみに錆びを落とす必要はありません。
ただし、錆びが進行し浮き錆びの状態になったものは、付着強度の低下だけでなく、鉄筋としての必要な断面積が減少している可能性があるので、対策が必要です。
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と書かれていますし、少量のさびであればそのまま使用するのが現場の常識だと考えます。
ただし「浮き錆び(かさぶた状態)」になったものは処置が必要です。

コンクリート示方書(施工編)にも、最新版が手元に無くて確認できませんが
「鉄筋は、浮きさび、その他コンクリートとの付着を害する恐れのあるものは取り除かなければならない」
と言った記載があったと思います。
ここでも、「浮きさび」と限定して書かれています。

さびがコンクリートとの付着に与える影響としては、論文で
鉄筋の発錆が付着性状に及ぼす影響(コンクリート工学年次論文報告書 13-2 1991)
http://211.10.28.144/data_pdf/13/013-01-2020.pdf
というのを見つけました。
4.まとめ によると、
「初期付着剛性には、鉄筋の錆による噛み合い効果が大きく・・・
 コンクリートにひび割れが発生しなければ、鉄筋腐食による錆は、ある限度以内であれば最大付着耐力を増加させる」
と書かれています。

発注者側からの現場を知らない過度の要求、それにより施工者側に大きなな負担がかかっている事には、
いつも胸が痛みますし、憤りすら感じます。
がんばってください。

ユーザー 大村 の写真

先ほどコメントした大村です。

先ほどのコメント内の「錆びた鉄筋の処置」についても、
「浮き錆び」限定であったことを付け加えます。

いささま、勉強になります。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

 ケレンをしても、降雨、湿度が高い場合、露 等 錆は見ているまに出てきます

・錆を除去しなさいと言った方に常駐させて判断させればよいのでは?

ユーザー 匿名投稿者 の写真

大変そうだから、いつもなってるから、
というのは理由にならないのでは?

ユーザー hiro-mo の写真

 わかりやすいコメントありがとうございました。
浮さびが出ていなければいいということに自信が持てました。
 プロセスチェックの検査員に言い切る自信がつきました。

   ありがとうございました。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

社団法人公共建築協会が出している建築工事監理指針の鉄筋工事の章の一般事項に
「錆のうち、浮いていない赤さび程度のものについては、コンクリートの付着を阻害することがないので、無理にこれを落とす必要はない」
と書かれていますが、どの程度の錆なのかが明確に書かれていません。
錆の段階に応じてのコンクリートとの付着強度を実験した大学があります。その結果が以下のURLで見れますので参考にどうぞ!
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwd1026/onozato%20laboratory/12no4.pdf