擁壁の亀裂補修について

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個人住宅の外周擁壁を重力式擁壁(H=1.5m程度)で造られているのですが、コーナー部分に斜めに亀裂が入っており、対策はどのような方法がよいのか教えていただきたい。
 擁壁には、目地材というものが入っていない為にコンクリートの収縮によってできたものと判断しています。
擁壁の形状としては、高さ1.5m程度でコの字型に施工されております。
完成後2年経って気付きました。

コメント

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 コの字型で外周を構築した重力式擁壁であっても、延長がそれなりにある場合は、一般的には目地を設けることが必要です。コンクリートは、膨張材などを入れない限り、必ず収縮しますから、収縮の吸収をどこかで行わないと(強制的に誘発目地を設けるなど)、必ずクラックは生じます。
 コーナー部に亀裂ということですが、コーナー部の配筋が通常部よりも密であるか角度があり、結果として、鉄筋によって、コンクリートが収縮するのに相反して拘束されているわけですから、拘束されてない分部のコンクリート収縮と拘束された箇所との境界で、亀裂が生じたのだと考えます。
 無筋であっても、コーナーから先に伸びる擁壁分部の収縮によって、コーナー部は、両方の収縮を受け、引っ張られてしまいクラックが発生します。補修についてですが、まず、どのぐらいの亀裂なのでしょうか。クラック幅1.0〜2.0?程度でしょうか。クラックの幅にもよりますが、当該構造物は、打設後2年を経過しているコンクリートですから、これ以上の収縮は殆ど無いと考え、方法としては、クラック注入工程度で良いと考えます。補修後の見栄えが気になるようでしたら、塗布材を用いて化粧することも一つの手ですが。以上

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 重要な事項を忘れておりました。亀裂が一方向だけなのか、亀状に入っているのか、いずれにしても、クラック注入工や、亀状なら脆弱部を取り除き、断面補修をする必要があります。また、擁壁はH=1.5mですから、小学生などの子供より高いものとなります。第三者被害が想定されるような道路脇であれば、はく落に対する措置も必要になってきます。やはり基本的には、実物を見識者に見ていただき、適切な対応をお願いいたします。

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 ”コーナー部分に斜めのひび割れが入っていた”ということであれば、鉄筋の錆びやアルカリ骨材反応といった進行性のひび割れではなく、コンクリートの収縮によるひび割れだと思います。そして、コンクリートが収縮した理由は、当該構造物が重力式擁壁であることを考えると”乾燥収縮”が最有力であり、更に、季節によるコンクリート(構造物)の温度変化も考えられます。多分両者が作用しているのではないでしょうか。
 補修に関してはひび割れが進行性のものか否か、ひび割れ幅等により補修工法・補修材料が異なるため、正しい診断なくしては正しい補修は出来ないと考えています。とはいえ、現実にはエポキシ樹脂を用いた低圧充填工法を行うケースが多いと思います。不適切な補修は用を足さないばかりか、事態を悪化させることもあり得ますし、補修時期が不適切だとひび割れの再発もあり得ます。一方、ひび割れの程度、構造物の役割によっては放置してもかまわない物もあるのではないでしょうか?やはり、一度診断を受けたほうが良いのではないでしょうか?