建設会社に勤める設計歴1カ月の者です。 初歩的な質問で申し訳ございませんが教えていただけますでしょうか。
カルバート工指針(H21年)のP140に、「ハンチを設けない場合の断面は、余裕としてコンクリートの曲げ圧縮応力度が許容応力度の3/4程度となる部材厚さにするのが望ましい」と記載がありました。 上記が記載される理由をご存じの方がいらっしゃいましたら、詳細に教えていただけませんか。
構造計算上そうだからです。 ただ、望ましいと書いているわけですから、理由が立てばそれによらなくても良いと言う事を示唆しています。
ハンチが無いことによって、応力分散効果が見込めないための処置だと理解してます。
曲げ引張が先行するようにしなさいってことと計算モデルでの剛域の問題かな
「道示:コンクリート橋編(文献1)」に拠り,(曲げmomentが卓越する)rahmen(骨組)部材接合部は#9456の方が理解されている応力の方向が急変し応力の伝達機構が複雑と成る為,接続部 材相互に断面力が確実に伝わる様に設計しなければ成らない為,rahmen部材隅角部にはhaunchを設ける事を原則とする. haunchを設けないと隅角内側に乾燥収縮の応力集中に因るひび割れが生じ易く,「道示:耐震設計編(文献2)」を参考に,地震時に正負交番繰返し作用に因り塑性hingeを形成し崩壊に 至り易く成り,道路では上側は路肩上方でhaunchを設けても建築限界を侵さず,国交省近畿地整(文献3)は, 「側壁下端と底版端部において,ハンチ無しの影響を考慮してコンクリートの曲げ圧縮応力度が許容応力度の3/4程度となる部材厚にする.」 とすると,底版・側壁(部材)厚が大きく成り(掘削断面積が増え)建設費が多く成り,周辺地盤への影響が大きく成る可能性が有ります. 梁の撓みv[m]は, d^2 v/dy^2=-M(y)/(E_c・I_i).(1) 此処に,y:部材の横断方向座標[m],M(y):縦断方向1m当りの曲げmoment[kN・m],E_c:concreteのYoung係数(=1.4×10^7 kN/m2), I_i:concrete換算等値断面積の図心に関する断面2次moment[m^4] I_i=(Bx^2/2)(h/2-x/3)+nA_s'・c'(c'-h/2+x)+nA_s・c(c+h/2-x).(2) B:縦断方向単位長(=1m),x:圧縮縁から中立軸までの距離[m],h:床版又は側壁厚[m], n:Young係数比 応力度計算ではn=E_s/E_c=15を使用,E_s:主鉄筋のYoung係数(=2.10×10^8 kN/m2),A_s,A_s':引張・圧縮側主鉄筋断面積[m^2], c,c':部材厚方向中心軸から引張・圧縮側主鉄筋まで距離[m] concreteに生じる最大圧縮応力σ_c[N/mm^2],引張側主鉄筋に生ずる引張応力度σ_s[N/mm^2]は, σ_c=10^-3・M(y)/{(Bx/2)(h/2-x/3)+(nA_s'/x)c'(c'-h/2+x)+(nA_s/x)c(c+h/2-x)}<(3/4)σ_ca(3.1) σ_s=(nσ_c/x)(c+h/2-x)<σ_sa.(3.2) 此処に,σ_ca:concreteの許容圧縮応力度[N/mm^2],σ_sa:主鉄筋の許容圧縮・引張応力度絶対値(大きさ)[N/mm^2] なので,(3.1)の分母(曲げひび割れconcrete応力を無視した断面2次moment)/xが,分子Mの4/3倍と成る様にhを大きくすると骨組解析時に軸力変動を考慮しない場合の入力値I_iを大 きくし,(3.2)を満たし最大鉄筋量である釣合鉄筋比の75%以下として曲げ引張破壊先行と成る様にA_sを減らし,(1)に拠りM(y)も大きく成り,(3.1),(3.2)を満たす迄,同様に計算し,剪断 補強鉄筋を増やす方向の設計をします.#9457の方が挙げた剛域(I_i=∞)は道示に拠り,haunchが無い場合,接続する相手の部材厚h_j(j:側壁,下床板を夫々表す添字)に対し0.25h_jで, 部材軸線に対し25°以上60°未満のhaunchが有る場合,自分側部材厚が1.5h_jと成る断面より内側 とします. 同じ鉄筋concrete理論で設計し有効高さを最大にできる鋼殻を型枠と兼ねる合成構造について,haunch及び剪断補強鋼を設け曲げ・剪断耐力の向上を確めた報(文献4)を以下のURLに示します.報(文献4)を以下のURLに示します. 参考文献 1,2)日本道路協会:道路橋示方書コンクリート橋・耐震設計編 3)国土交通省:近畿地方整備局ボックスカルバート,p5-17 https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/jigyousya/technical_information/consulta... 4)中筋智之・齋藤優・森正嗣・原田尚幸・角田晋相・田福勝:アンダーパスラクロス工法用サンドイッチ構造継手のせん断特性,隅角部の曲げ・せん断性能の実験的研究,2007年錢高組技報 https://app.box.com/s/1phtfpge9079pnu8agwkwb54yn23k939
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コメント
#9455 Re: ハンチの部分の曲げ圧縮応力度について
構造計算上そうだからです。
ただ、望ましいと書いているわけですから、理由が立てばそれによらなくても良いと言う事を示唆しています。
#9456 Re: ハンチの部分の曲げ圧縮応力度について
ハンチが無いことによって、応力分散効果が見込めないための処置だと理解してます。
#9457 Re: ハンチの部分の曲げ圧縮応力度について
曲げ引張が先行するようにしなさいってことと計算モデルでの剛域の問題かな
#9465 Re:haunchを設けない場合のconcrete曲げ圧縮応力度規定
「道示:コンクリート橋編(文献1)」に拠り,(曲げmomentが卓越する)rahmen(骨組)部材接合部は#9456の方が理解されている応力の方向が急変し応力の伝達機構が複雑と成る為,接続部
材相互に断面力が確実に伝わる様に設計しなければ成らない為,rahmen部材隅角部にはhaunchを設ける事を原則とする.
haunchを設けないと隅角内側に乾燥収縮の応力集中に因るひび割れが生じ易く,「道示:耐震設計編(文献2)」を参考に,地震時に正負交番繰返し作用に因り塑性hingeを形成し崩壊に
至り易く成り,道路では上側は路肩上方でhaunchを設けても建築限界を侵さず,国交省近畿地整(文献3)は,
「側壁下端と底版端部において,ハンチ無しの影響を考慮してコンクリートの曲げ圧縮応力度が許容応力度の3/4程度となる部材厚にする.」
とすると,底版・側壁(部材)厚が大きく成り(掘削断面積が増え)建設費が多く成り,周辺地盤への影響が大きく成る可能性が有ります.
梁の撓みv[m]は,
d^2 v/dy^2=-M(y)/(E_c・I_i).(1)
此処に,y:部材の横断方向座標[m],M(y):縦断方向1m当りの曲げmoment[kN・m],E_c:concreteのYoung係数(=1.4×10^7 kN/m2),
I_i:concrete換算等値断面積の図心に関する断面2次moment[m^4]
I_i=(Bx^2/2)(h/2-x/3)+nA_s'・c'(c'-h/2+x)+nA_s・c(c+h/2-x).(2)
B:縦断方向単位長(=1m),x:圧縮縁から中立軸までの距離[m],h:床版又は側壁厚[m],
n:Young係数比 応力度計算ではn=E_s/E_c=15を使用,E_s:主鉄筋のYoung係数(=2.10×10^8 kN/m2),A_s,A_s':引張・圧縮側主鉄筋断面積[m^2],
c,c':部材厚方向中心軸から引張・圧縮側主鉄筋まで距離[m]
concreteに生じる最大圧縮応力σ_c[N/mm^2],引張側主鉄筋に生ずる引張応力度σ_s[N/mm^2]は,
σ_c=10^-3・M(y)/{(Bx/2)(h/2-x/3)+(nA_s'/x)c'(c'-h/2+x)+(nA_s/x)c(c+h/2-x)}<(3/4)σ_ca(3.1)
σ_s=(nσ_c/x)(c+h/2-x)<σ_sa.(3.2)
此処に,σ_ca:concreteの許容圧縮応力度[N/mm^2],σ_sa:主鉄筋の許容圧縮・引張応力度絶対値(大きさ)[N/mm^2]
なので,(3.1)の分母(曲げひび割れconcrete応力を無視した断面2次moment)/xが,分子Mの4/3倍と成る様にhを大きくすると骨組解析時に軸力変動を考慮しない場合の入力値I_iを大
きくし,(3.2)を満たし最大鉄筋量である釣合鉄筋比の75%以下として曲げ引張破壊先行と成る様にA_sを減らし,(1)に拠りM(y)も大きく成り,(3.1),(3.2)を満たす迄,同様に計算し,剪断
補強鉄筋を増やす方向の設計をします.#9457の方が挙げた剛域(I_i=∞)は道示に拠り,haunchが無い場合,接続する相手の部材厚h_j(j:側壁,下床板を夫々表す添字)に対し0.25h_jで,
部材軸線に対し25°以上60°未満のhaunchが有る場合,自分側部材厚が1.5h_jと成る断面より内側
とします.
同じ鉄筋concrete理論で設計し有効高さを最大にできる鋼殻を型枠と兼ねる合成構造について,haunch及び剪断補強鋼を設け曲げ・剪断耐力の向上を確めた報(文献4)を以下のURLに示します.報(文献4)を以下のURLに示します.
参考文献
1,2)日本道路協会:道路橋示方書コンクリート橋・耐震設計編
3)国土交通省:近畿地方整備局ボックスカルバート,p5-17
https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/jigyousya/technical_information/consulta...
4)中筋智之・齋藤優・森正嗣・原田尚幸・角田晋相・田福勝:アンダーパスラクロス工法用サンドイッチ構造継手のせん断特性,隅角部の曲げ・せん断性能の実験的研究,2007年錢高組技報
https://app.box.com/s/1phtfpge9079pnu8agwkwb54yn23k939