小径コアの圧縮強度について

セクション: 
ユーザー 匿名投稿者 の写真

先日、コンクリートの劣化についての講義を受講し、
圧縮強度試験の際、コア径を小さくすると圧縮強度が大きくなると講師の方が
おっしゃっていました。その場でなぜ大きくなるのか伺ったのですが
明確な回答が得られませんでした。

気になり、自分でも調べたのですが、
「小径コア強度のφ100mmコア圧縮強度への変換については、小径コアの
直径が小さいほど、φ100mmコアに比べて圧縮強度が大きくなるとの
研究報告と圧縮強度が小さくなるとの研究報告があり、必ずしも統一された
見解があるものではありません」という内容の記事を見つけました。
https://www.jpci.or.jp/eeee/v47/470218.pdf

①コア径を小さくすると圧縮強度が大きくなるという認識であっているのでしょうか。
②小さくすると圧縮強度が大きくなる場合、それはなぜなのでしょうか。
上記につきまして詳しい方ご教授いただけないでしょうか。
どちらか片方の回答でも結構です。
調べているのですが内容が難しくてなかなか理解できずにいます。
どうぞよろしくお願いいたします。

コメント

ユーザー 匿名投稿者 の写真

公的な根拠は示せませんが、次のとおり考えます。

コア径を小さくすると圧縮強度は大きくなる場合も小さくなる場合もあると考えます。
理由はコアの圧縮強度がコンクリートの強度と骨材の強度に関係するからです。
例えば、コア径を小さくした場合に、骨材量が多く、骨材の強度の方が大きい場合は圧縮強度が大きくなると思われます。

骨材の表面積の大小や付着強度なども関係すると思われますので、「大きくなる」または「小さくなる」のどちらか一方になるとは思えません。
ケースバイケースではないでしょうか。

主任技士のテキストとかに参考になることが載っていませんでしょうか。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

返信ありがとうございます。
コンクリートの劣化・補修にについての講義を受けたのですがその講師が「必ず大きくなる」と断言しており、
すごく疑問だったので【強度は骨材比による】とおっしゃっていただけて納得できました。
自分はコンクリート診断士の勉強をしているのですが、そのテキストをみても今回の回答になる記述を
見つけられなかったのでコンクリート主任技士のテキストも調べてみようと思いました。
ご回答いただきありがとうございました。

ユーザー こう の写真

私も専門家ではありませんので、定性的な推論になりますが下記のようなことが考えられると思います。
コア径が大きくなると荷重の掛かり方に偏在が生じやすくなり、またコアが大きいことにより曲げモーメントのような距離依存の力積が大きくなることが影響して大きい供試体が壊れやすくなるのだと思います。
例として適切かは分かりませんが「昆虫が人間サイズだったら凄い能力だ」みたいな話だと感じました。
昆虫が実際に人間サイズになると自重でまったく動けないのですが、サイズが小さければ強度の低い材料でも成立することが、サイズが大きくなると成立しない話と似ているのかなと。

定性的な話なので、参考になるかは分かりませんが、ご参考になれば幸いです。
考えてみると面白い話なので分かったら逆に教えて頂けると助かります。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

解説いただきありがとうございます。
こう様のように身近なものに置き換えて理解すると記憶としても定着しやすいと思いました。
まだまだ勉強が足りないですが、自分なりにかみ砕いて勉強を続けたいと思います!
ありがとうございました!

ユーザー 中筋 智之 の写真

 コンクリート診断技術(文献1)の下記URLに示す原典(文献2)に於ける小径core強度x[N/mm^2]と直径d100高さh200mmのcore強度X[N/mm^2]との関係の,h/d=2.0について最小2乗法に拠る回帰直線式(相関係数^2=0.96)
x≈1.00X+1.7 (1)
に拠り,小径core強度とd100h200mmのcore強度との相関は高く,回帰直線勾配はほぼ1に等しい事から,小径core強度がd100h200mmのcore強度よりも強度に関わらずほぼ一定値大きいとしているのを其の儘
読み,質問に対応されない講師は失格と言わざるを得ません.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/coj1975/39/4/39_27/_pdf/-char/ja
 (#9327の方について,Amsler試験機に球座が有り,直径100高さ200mmのcore端面を平面に切削又はmortarでcappingする為,偏圧に因る曲げmomentはほぼ生じません.既設梁の粗骨材最大寸法(以下でG_maxと記す)は,砕石で
20mm,川砂利で25mmに対し,小径core直径を18,22mmとしている為,core直径100mmに対する相似則は,G_maxを18/100,22/100に縮尺していない為,恐縮ですが厳密に成り立ちません.
 小径coreについて主任技士text(文献3)に載っていません.)
 小径coreの特徴は写真1の大きな硫黄capping,骨材とmortar pasteの平均強度とする為,圧縮試験用供試体についてJIS A 1107-1993(文献4)に拠り「core供試体の直径は一般にG_maxの3倍以上とする.」と規定されているがG_max程として#9323の方が記されている様に骨材又はmortar pasteが主のcoreと成った場合,強度の点で統計的に棄却している事で,回帰式から
X≈x-1.7 (1')
に拠りd100h200mmの強度に換算して評価されています.正常に水平面から45°+φ/2(此処に,φ:内部摩擦角[°])で剪断破壊した値のみ採用した事が記されていませんが,私は同じ技研で業務した厳しい寺田氏・共同
研究者・試験者に拠るdataをほぼ信用でき,守秘義務も有り公表reportに拠り判断願います.
 尚,打設時の供試体として「コンクリート技術100講(文献5)」に,h/d=2.0,Gmax≦d/4でのコンクリートマニュアルを抜粋した円柱形供試体寸法の影響が載り,供試体の寸法が大きい程見掛け上圧縮強度は小と成るのは,供試体体積
が大きい程欠点数が多く成り易く成る事,供試体周辺の緻密なmortarの厚t[mm](G_max/2程と考えられる)は供試体寸法に関わらず一定である事に起因する,即ち,
供試体断面積に対するmortar層面積比
πd・t/{(πd^2)/4}=4t/d (2)
は供試体寸法が大きい程減少し直径が450mm程以上に成るとd150h300mm標準供試体強度と比した変化は少なく80~85%と成り,此の関係は標準供試体強度から大きい断面の実部材のconcrete強度を推定する
場合に用いられる.
参考文献
1)JCI:コンクリート診断技術[基礎編]、pp99,100,2014. 2)寺田、谷川、中込、佐原:小径コアによる構造体コンクリート強度の推定法、コンクリート工学,Vol.39,No.4,2001.4
3)JCI:技士・主任技士text'19 4)コンクリートからのコア及びはりの切取り方法並びに強度試験方法(JIS A 1107-1993)
5)村田二郎:コンクリート技術100講,pp139,140,山海堂,1993.5

ユーザー こう の写真

文献ありごとうございます!
小径coreの強度相関ってこのようになるのですね。勉強になります。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

文献ありがとうございます。
まだまだ勉強が足りずすぐに理解はできませんでしたが、文献を時間をかけて読み解いてみたいと思います!
ご教示いただきありがとうございました。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

荷重載荷面が大きくなる毎に平滑性が確保出来ないという事なんだと思います。
平滑性がとれなければ偏荷重が掛かりひび割れが入るのが早いですものね。
コンクリートコアが正方形だと適切な荷重などかけることが出来ないですものね