本川・支川合流部に近い築堤設計をしたいのですが、背水計算式がわかりません。至急、教えて下さい。また、記載されている文献も併せてお願いいたします。
本川、支川の二つの河川が合流して一本になる場合の不等流(時間では変化しない場所で変化する流れ)の計算ですか。 まず、合流点を中心とした本川上流、本川下流、支川について、それぞれ ?河川横断面(河川断面)、?河川縦断面図(河床こう配)、?粗度係数、?エネルギ−補正係数(流速分布係数α)?流量などの水理学的諸量を用意する。 これらの諸量から、それぞれの河川について ?等流水深、?限界水深 を計算し ?等流水深線(N.D.L) と ?限界水深線(C.D.L) を縦断面図に記入する。 上記の図から 本川上流、支川、本川下流の各々に想定される水面形を上記の縦断面図に記入する。 上流支配断面、下流支配断面、人工支配断面などの支配断面から水面形を確定する。射流から常流に跳水するところがあればその場所を確定する。
上記の作業が終わったら、不等流の微分方程式を積分して各点の水深(水路断面の深さが正しい)を求める。跳水が含まれる場合は比力計算(跳水計算)を別に行う必要がある。 詳しくは水理学或いは河川工学の書籍を見て下さい。 例えば Chow.V.T.: Open Channel Hydraulics, McGraw-Hill,1959 及びこれの日本語訳本「開水路の水理学 上巻、下巻、丸善」 は絶版になっていますが、土木学会図書館などにあると思います「
土木学会発行の「水理公式集」にも書かれていますが、上記の書籍の方が判りやすいと思います。
本川上流、支川、本川下流の3河川とも一様断面一様こう配直線水路とほぼ見なせる場合は、等流水深線(N.D.L)、限界水深線(C.D.L)を各河川に記入して。各河川ごとに水面形を記入します。 水面形の種類は 緩勾配河川 M1(常流せき上げ背水)、M2(常流低下背水)M3(射流せき上げ背水) 急勾配河川 S1(常流せき上げ背水)、S2(射流低下背水)、S3(射流せき上げ背水) 限界勾配河川 C1(常流せき上げ背水)、C2(限界等流)、C3(射流せき上げ背水) 水平河川 H2(常流低下背水)、 H3(射流せき上げ背水) 逆勾配河川 A2(常流低下背水)、A3(射流せき上げ背水) の13種類に 常等流、射等流、が加わります。 これらの水面形に対して豊富な経験を持つことにより、背水計算をしなくても大方の流れを推定できます。
上記の作業をすることにより、正しい境界条件で不等流計算が出来ます。 不等流の計算には ?不等流の微分方程式をRunge-Kutta法などを用いて数値積分を行う(解析解が得られる場合は除く) ?摩擦損失などの損失を考慮した不等流の差分方程式を解く。 上記の計算は最近は完成した電算ソフトがある場合が多い。
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#3328 背水計算式について
本川、支川の二つの河川が合流して一本になる場合の不等流(時間では変化しない場所で変化する流れ)の計算ですか。
まず、合流点を中心とした本川上流、本川下流、支川について、それぞれ
?河川横断面(河川断面)、?河川縦断面図(河床こう配)、?粗度係数、?エネルギ−補正係数(流速分布係数α)?流量などの水理学的諸量を用意する。
これらの諸量から、それぞれの河川について
?等流水深、?限界水深
を計算し
?等流水深線(N.D.L) と ?限界水深線(C.D.L) を縦断面図に記入する。
上記の図から
本川上流、支川、本川下流の各々に想定される水面形を上記の縦断面図に記入する。
上流支配断面、下流支配断面、人工支配断面などの支配断面から水面形を確定する。射流から常流に跳水するところがあればその場所を確定する。
上記の作業が終わったら、不等流の微分方程式を積分して各点の水深(水路断面の深さが正しい)を求める。跳水が含まれる場合は比力計算(跳水計算)を別に行う必要がある。
詳しくは水理学或いは河川工学の書籍を見て下さい。
例えば
Chow.V.T.: Open Channel Hydraulics, McGraw-Hill,1959
及びこれの日本語訳本「開水路の水理学 上巻、下巻、丸善」
は絶版になっていますが、土木学会図書館などにあると思います「
土木学会発行の「水理公式集」にも書かれていますが、上記の書籍の方が判りやすいと思います。
#3331 Re:背水計算式について
本川上流、支川、本川下流の3河川とも一様断面一様こう配直線水路とほぼ見なせる場合は、等流水深線(N.D.L)、限界水深線(C.D.L)を各河川に記入して。各河川ごとに水面形を記入します。
水面形の種類は
緩勾配河川 M1(常流せき上げ背水)、M2(常流低下背水)M3(射流せき上げ背水)
急勾配河川 S1(常流せき上げ背水)、S2(射流低下背水)、S3(射流せき上げ背水)
限界勾配河川 C1(常流せき上げ背水)、C2(限界等流)、C3(射流せき上げ背水)
水平河川 H2(常流低下背水)、 H3(射流せき上げ背水)
逆勾配河川 A2(常流低下背水)、A3(射流せき上げ背水)
の13種類に
常等流、射等流、が加わります。
これらの水面形に対して豊富な経験を持つことにより、背水計算をしなくても大方の流れを推定できます。
上記の作業をすることにより、正しい境界条件で不等流計算が出来ます。
不等流の計算には
?不等流の微分方程式をRunge-Kutta法などを用いて数値積分を行う(解析解が得られる場合は除く)
?摩擦損失などの損失を考慮した不等流の差分方程式を解く。
上記の計算は最近は完成した電算ソフトがある場合が多い。