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東北地方で2003年5月26日に発生した震度6弱の地震で,固定電話と携帯電話の通話は発生直後から大幅に混乱したのに対し,ADSLや光ファイバー回線を利用したインターネット通信はほとんど問題が起きなかったそうです。
インターネットを利用したIP電話も,地震による通信障害の報告はなかったといい,従来の電話より低コストのため普及が進むIP電話は,災害に強い通信手段としても期待が高まる可能性があります。
新聞記事は次のとおりです。
・2003年5月28日 産経新聞 [記事検索で"回線パンク"と入力]
災害時 ネット通信「有効」メール,IP電話「回線パンクしない」
コメント
#243 コメント
へぇー、そうなんですか。
(ますます、固定電話システムの陳腐化が進みそうな....)
ポケベルも、同報送信の使い勝手や電波の到達性などにメリットがあり
災害に有用ということは聞いていました。
気象庁の回線パンクの話もありましたね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030527-00000907-jij-soci
取り留めの無いコメントでした。
#244 震度集計システムのトラブル
なるほど。地震のときに震度集計システムがトラブルを起こしていては、何の意味もありませんね。扇大臣の発言はごもっともです。
#250 たまたまです。
私は土木学会に入ってますが、もともとは電気屋です。それで同期の連中にこの話について聞きました。結論から言えば誤解を与える表題です。長文で専門用語が入りますが、ご容赦ください。
コメント1
リアルタイム系(電話)とノンリアルタイム系(メール)の違いのためです。IP電 話もほぼリアルタイム系のため、基本は同じです。ただ、たまたま利用者が少なく使 えたということです。
インターネット経由の電話は品質保証をしていないので、ユーザが少なければ使えま す。それが誤解を与えます。自由席の切符で席に座れたので、指定席の列車は不要という論理です。電話は集中率を見てトラヒック設計を行い、品質を保証しています。集中 率が設計を上回れば、当然となります。トラヒックの性質上、呼損が再呼を呼び、急 激に接続率が劣化しパンクします。そのため入り制限(アドミッション制御)を行うことが有効で す。それがアクセス制限です。
電話もいづれIP化されます。交換機が高いこと、伝送路品質が良くなっているこ と、音声は統計多重効果が高いことのためです。しかし、リアルタイム系の保証のため遅延保証と衝突破棄率制限の保証が必要です。これらの本格的導入はこれからです。
SIPかH323の両方がありますが、前者の方向です。
品質保証すれば、異常ピークがあれば当然通話不能となります。通話不能を避けるため、符号化レートをトラヒックに応じて変えることが考えられ ます。技術的には可能ですが、システムとしては課題があります。
コメント2
本質的にそうできている事が大半の理由のようです。
そのほかにIP電話は利用者が少なく、IPネットワークの中で電話が運ばれるときに、接続不能になることがほとんどなかったということでしょう。
接続のパターンは数種類あり、細かくここで解説することは不可能ですが、阪神大震災の時に携帯電話は良く通じたということと本質的には同じでしょう。
阪神大震災の時には、携帯電話の利用者が少なくトラヒックが輻輳しなかったことと、携帯から地上電話への通話を制限するネットワークの機能が無かったか、発動する必要がなかったため、良く通じたということです。
IP電話はまだ原始的状態なので、輻輳制御が備わっていない(要確認)し有機的に輻輳制御を発動する運用方法が無いため、流れっぱなしになっているのです。
コメント3
下記についてもう一つ面白い情報があります。
IPについては、地震直後トラヒックが減ったそうです。遊んでいた人が地震に驚い て止めたのでしょう。このため地震問い合わせのトラヒック等問題無い状態のようです。
IP電話のためにはSIPサーバが必要ですが、これは元々普段のトラヒックが少な いのであまり問題なかったのではないですか。
いざというときにはやはり電話に殺到したようです。