道路標識の埋込長についての質問-02

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アンカーボルト埋込長の計算についてご質問があり投稿させていただきました。

道路標識設計基準・同解説(S62.1 p.243)に「埋込長の算定」で掲載されている式は一般道路の構造物の風荷重については許容応力度の1.5倍で計算されていますよね?高架道路の場合は1.2倍で割り増しをするのがよいとききました。式のなかでL=σt・φ/6・0.8・1.5)で高架道路の場合はL=σt・φ/6・0.8・1.2)でよろしいですか?あと式のなかで6という数値はどうしてでてくるのですか?よろしくおねがいします。

コメント

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Q>で高架道路の場合はL=σt・φ/6・0.8・1.2)でよろしいですか?あと式のなかで6という数値はどうしてでてくるのですか

基本式は σ×As:断面積/(τ0a:許容付着応力度×u:鉄筋周長)
=Φ:鉄筋呼径×σ/(4×τ0a)です

標識柱の場合は丸鋼でフックを付けて定着していますから
L=2/3×・・・・→1/6としています

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結論から言うと、1.5の代わりに1.2を用いるのは誤りと思います。「道路標識設計基準・同解説」p.243では埋設長 L は次のように示されています。

 L = {(σt X φ3)/ (6 X fa)}/ 1.5 ・・・(1)

式(1)はコンクリートとアンカーボルトの間の付着力と引抜き力との釣合い式を解くことで求まります。ただし、式(1)では1.5で割っていますがこれは誤りと思います。正しくは、

 L = (σt X φ3)/ (6 X fa)

であり、式(1)が誤りである以上、1.5を1.2に代えても意味がありません。
式(1)の中の6の根拠は以上の説明で明白と思います。

では高架道路の場合どうすればよいかというと、通常は風荷重が割り増しされるのではないかと思いますが、発注元により基準が異なるので発注元に確認されるのがよろしいかと思います。

以下ご参考まで

「道路標識設計基準・同解説」に示されるアンカーボルトはフックやスタッドを付けない極めて「特殊な」アンカーですので、同基準の設計事例を適用される場合は十分ご注意下さい。設計思想がわからぬままに、設計事例を参考にアンカーボルトの埋設長を決定するのは危険です。それは設計事例で38.2cmと算出されているにもかかわらず最終的に埋設長を85cmとしていることでもわかります。「道路標識設計基準・同解説」ではアンカーボルト埋設長に関する規定は何もないと理解すべきです。

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この 1.5 は 安全率でも間違いでもないと思います。
σtが短期の応力度であるのに対して、faは長期の値なので
1.5倍して短期に揃えていると考えました。

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#1993で回答した者です。

σtは風荷重が構造物に作用した結果、アンカーボルトに生じる引張応力度であり、faはコンクリートの丸鋼(アンカーボルト)に対する許容付着応力度です。

「道路標識設計基準・同解説」P.243におけるσtは「短期」であり、faは「長期」であるというのはご指摘の通りですが、「短期に揃える」ための1.5倍というのは分母の数値「6」に含まれています。従って、再度分母を1.5倍する、というのは不要と考えます。

ところで「道路標識設計基準・同解説」の本文ではアンカー長の決定法に関する基準は何もないのですが、付録の設計例にあるアンカー長の算定式だけを見ると付着力(設計例では210kg/cm2のコンクリートに対する長期許容付着応力度7.5kg/cm2を採用)に依存するかのような式となっています。ご承知のようにアンカーボルトの埋設長は付着力で決めるべきではなく、コーン状破壊、アンカー材の降伏応力、アンカーボルト頭部のコンクリートの支圧をそれぞれ考慮して決めるべきです。

従って、p.243のアンカーボルト埋込長の算定式そのものが間違いと考えています。

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理論的におかしくても実務において問題がないので慣例的に使われている式も多くありますので。ここで議論をするのではなく、道路協会のへ直接質問状をだされたほうがよい。