セグメントの設計【改訂版】では継手板の照査を両端固定梁として検討すると記載があります。
しかし照査では曲げモーメントを算定する式で正曲げの式になっています。
両端固定梁の2点集中荷重では負曲げの方が曲げモーメントは卓越します。
負曲げでは検討せず、正曲げのみで照査を行うのには理由があるのでしょうか?
また主桁と継手板の溶接部はすみ肉溶接が多いと記載があります。
主桁と継手板の溶接部にも曲げモーメントは作用するため、
すみ肉溶接ではなく部分溶け込み溶接とすべきではないでしょうか?
(すみ肉溶接が曲げで持たない場合)
コメント
#8284 Re:鋼製セグメント継手部の溶接、曲げ応力度照査
貴殿はp81許容応力度設計法を参照されて質問されたと私は推し、改訂前許容応力度設計法に載った限界状態設計法のp157図Ⅱ.6.12に記されている様に負曲げに対しても継手板の曲げ
応力度照査をします。但し、図中のsegment継ぎ(横断方向)boltの引張力として、segment継手1箇所当たりのbolt本数(n)が2の場合が記されているので式と対応させてnを記す改良案として私
が当講習前に小泉 淳 部会長に送信したfileを以下にupload致します。一部は土木学会HPの正誤表にも載っています。
https://app.box.com/s/dlgu0333onaiuf0yumtji4ydokzxxeco
私が総合建設会社在職時にmakerから聞いた事に拠ると、標準鋼製segmentが隅肉溶接されて来たのは仮設扱でも使われて鋼板が薄いので溶接熱を多く加えると歪みで変形して組み難く
成る事、横断方向で軸圧縮状態に成る条件が多い事、質量1t当たりで販売され加工費を余り掛けられない実態に因ると思います。大断面の首都高速道路では鋼鈑が厚いので開先溶接されて
います。
n=2の時、継手板に生じる曲げmoment(M_2)は
M_2=T_i・d_1^2/B (Ⅰ.7.9)
此処に、T_i:bolt1本に作用する引張力[N](添字iを私が補った。)
d_1:主桁中心からbolt中心迄の距離[mm]
B:segment幅-主桁厚[mm](図Ⅰ.7.5に対応させ力学的に私が補った。)
鋼製segmentは横断方向の主桁構造で、式(Ⅰ.7.9)から分かる様に、segment継手板中央付近でのseal材反発力を確保できる範囲でboltを主桁に近付けた方が継手板の曲げmomentが小さく
成り、私はsegment継手として水平方向楔を主桁に近付けたワンタッチ式鋼製セグメントを下記の様に共同開発しました。
中筋・須藤 等:シールド工事用ワンタッチ式鋼製セグメントの開発、土木学会第60回年次学術講演会
https://app.box.com/s/31aguqbrdq9yhw0s2ithdcrzoq63v80x