電線を隠せませんか?

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ユーザー 匿名投稿者 の写真

ヨーロッパなどの街では電線が見えず,すっきりとした街並みです。一方,日本は住宅地・繁華街をとわず,頭上に電線が張り巡らされていて,雑然とした印象を受けます。日本でも電線を隠して,スッキリした空が見えるようにならないのでしょうか?

コメント

ユーザー 井上 直洋 の写真

 町並みの中に電線がないのに越したことはありませんね。

 電力会社のHPで配電線の地中化率を調べてみました。東京、関西、中部の3社のHPを調べてみましたが、情報があったのは東京電力だけでした。
 ちなみに、東電管内の地中化率は8.6%、東京都区内を限ってみると42.5%となっていました。東京都区内の地中化率の高いのに逆に驚きました。

 質問にあったように海外、特にヨーロッパでの地中化率はやはり高いようです(イギリスに住んでいたからの話)。しかしながら、コストを下げるため日本と違って電線を保護した状態で埋設していない、むき出しの電線を直接埋めているようで、感電死による事故も多いようです。

 国の施策としては、「新たな電線類地中化の推進方針について(平成10年7月30日)」が現在進められており、地中化を促進する協議機関として官民からなる電線類地中化協議会を設置しています。詳細は、以下のHPにアクセスしてください。

http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/pressrelease/japanese/denki/990331j60...

その中から、地中化の方式としては以下の3つが上げられています。
1)電線共同溝方式
 「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」に基づき、道路管理者が電線共同溝を整備する式。

    なお、地方自治体が管理する道路においては、道路管理者が補助事業又は地方単独事業として電線共同溝の整備を行うもののほか、道路管理者以外の地方自治体が地方単独事業として、道路法第24条に基づく工事により電線共同溝を整備し、道路管理者が管理するものがある。

2)自治体管路方式
  地方自治体が管路設備を整備する方式。

3)単独地中化方式
  電線管理者が単独で実施する方式。

また、費用負担は、
1)電線共同溝方式
 「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」に基づき道路管理者及び電線管理者が負担する。

2)自治体管路方式
 管路設備の材料費及び敷設費を地方自治体が負担し、残りを電線管理者が負担する。

3)単独地中化方式

      全額電線管理者が負担する。

             

      その他、電線類地中化協議会において優先度が低いとされた箇所において地中化を実施する 場合は、原則として全額要請者が負担する。
としています。

 確かに建設に当たっては、国費も投入されていますが、基本的には要請者が費用を負担することになっています。
 すでに地中化が済んでいる地域で、ビルなどの建て替えで地中線用の変電機器を移設したときに電力会社よりの移設費用の請求がビルのオーナーにきます。費用請求は、電柱移設でも来ますが地中線の移設の場合はケタひとつ違うほどの金額のようです。詳細は調べていないので電力会社などに聞いてみてはいかがでしょうか。

 このように考えると、国の地中化計画外で地中化をしたいと考えるとその費用の全額を要請者が負担することが、地中化の原則となっており、このための資金の捻出が一つの課題といえます。また、電柱の保有者としては電力、電話会社など様々あること、この電柱に供架している通信事業者がいることなど更に問題を複雑化していると思います。