年度末になると何を直しているのか判らない道路工事が増え,本当に必要な工事なのか疑問を感じます。予算消化をしているだけではないでしょうか?必要としてもなぜ年度末に集中するのですか?
この質問はよくあるものなので、約10年前正確に調べたことがあります。 年末、年度末には交通が集中することもあるので、旧建設省では、年末と年度末のそれぞれ数週間は緊急のもの以外道路工事をやらないように文書を出しています。 実際国道事務所では年末、年度末は工事をやりませんでしたし、少なくとも国道については全国的に守られていました。また他の道路を含めても年末、年度末に工事が特に多くはないというデータを見たことがあります。 なお道路上の工事の大半が、ガス、電気、水道といった埋設物に関連したものです。沿線の各家やビルの工事にあわせて工事の時期が決められてゆくことはあるでしょう。 現在の状況については是非国土交通省の意見を確認したいものです。
・庶民に県道・市道の区別はない。 ・水道工事だって、ガス工事だって、道路をいじってれば道路工事である。 ・年度末に道路工事に引っかかれば「予算消化だ」と考えてしまうのは世の常。硬直的な単年度予算システムに関する批判である。
などが、(誤解ではあるが)一般理解じゃないでしょうか。 土木(道路)技術者は ・壊れない道路はないが、長寿命・工事が少なくできる道路構造を研究している。 (ハイブリッド舗装構造、超寿命舗装) ・道路工事をなくす道路構造を開発している(共同溝)。 という分野で貢献しています。
但し、すべての道路をそういう風にするわけにはいかないし、 住宅地内ではガス・水道などを公共用地(道路)に埋めるのは必然なので 工事に理解してほしい、とおもいます。
単年度予算に関して、 議会がそういう仕組みなんだからそうならざるを得ない。 また、予算執行の都合上、そういうようなインセンティブが働く可能性は否定できない。
これまでは、舗装の傷み方のメカニズムがはっきりとわからなかった。 そのため、恒常的に検査して、舗装状態が悪くなったら 悪く言えば「場当たり的な」対応で予算を確保し工事をせざるを得なかった。 このため、年度末の工事も必然的だったと思う。 (どこが壊れるかわからないから、年末まで舗装状態を観測して一番悪いところに投入する)
但し、 交通量・重量車混入率(軸重、軸数)などと舗装劣化の関係がわかってきた。 (土木学会の中にもこのような研究に携わる人が多い) (この関係は自然科学の法則と経済活動予測の複合分野なのでおもしろい) 舗装がどのくらいで壊れるかの見当もつきそうになっている。 このため、舗装の打ち替えも計画を立てて実施できるようになっている。 この考えが全国には広がってはいないが、 少なくとも東京都の環七はその考え方を導入中である。 (そうであっても、自然に穴があくこともあり、工事には理解してほしい) 以下は参考です。
新聞報道によると、 ・国道の一部では規制されていたと報道されている。 ・東京23区に限り、これから国道とその周辺を含めた工事規制に取り組む考えである。 ・うまくいけば全国に広げたい。
-------------------------------------------------------------------- 「同じ場所を工事している」「年度末になると必ず掘り返す」といった道路工 事への批判に対処するため、国土交通省は来年4月から東京23区内で「掘り 返し規制」に乗り出す。国道やその周辺地域で、ガスや水道、舗装など集中し て工事をしたら、その後5年間は同じ地域で緊急の工事以外はできないように する。道路の一部で規制をしたことはあるが、周辺地域も含めて規制するのは 初めて。軌道に乗れば、全国に広げる考えだ。 国交省によると、東京23区内では、年間約7500件の路上工事が行われ ている。10年前に比べ半減しているが、渋滞の原因になったり「また同じ場 所で工事をしている」などの批判が出たりしているのが現実だ。(後略)
※以上記事引用しました。全文はリンク先参照して下さい http://www.asahi.com/national/update/1212/024.html -------------------------------------------------------------------
金曜日の夜、筑紫哲也氏が(深刻な顔で)「また年度末になって、道路工事が始まりました。 毎年国民の税金が無駄に使われているのです。この国の舗装はどうしてこう弱いのでしょうか?」との趣旨のコメントを述べていました。
やはり道路関係者は、 ?事実関係の確認、・例えば工事の何割がガス・電気など民間企業によるのか? ・年度末にどのくらい工事が集中しているのか? ?今後どうすべきなのか?の見解 をマスコミと話し合ってほしいものです。 (先日の新聞報道による、工事抑制策は結構ですが、実態との関係、効果については良くわかりませんでした。)
年度末(3月)には路上工事が多く、交通渋滞の大きな要因となっている のでは無いかとの指摘を多く耳にします。 路上工事は大きく分けて、道路の維持修繕等を行う道路工事と、電気・ガス ・通信・上下水道等の占用工事の2つに分類されます。 この道路工事と占用工事の両方とも、交通量の増加により渋滞が予想される 年度末には工事の抑制を図る措置を道路管理者が行っています。 特に東京23区内の国道においては年末〜年度末にかけて工事抑制を実施し ており、年度末の工事はむしろ減少していると言えます。 また、道路管理者も占用企業者も路上工事の縮減に向けた諸施策を実施して おり、最近では面的集中化工事により効率的な工事を実施する試みや、交通 渋滞や騒音がもたらす環境阻害コストも含めたトータルコストの縮減に関する 検討も進められています。 なお、道路管理者は交通量の多い幹線道路については、掘り返しの規制を 行っており、一度工事を実施すると一定期間当該箇所の掘り返しを行うことが 抑制されております。これにより道路交通の妨げや道路を不経済に損傷する 等の問題点に対処しています。 しかし、社会生活上必要な緊急工事、供給工事等については抑制の対象外 としており、快適な社会生活は確保できる努力をしています。
以上
以前投稿した「年度末の路上工事は何故多いか (#65)」に関して 補足させていただきます.
みなさまは,道路占用工事企業者連絡協議会(通称:企連協) をご存じでしょうか? 企連協は,都区内の道路工事による交通渋滞や道路の掘返しを 少なくするための調整や,対策を講じるため、都区内の道路上で 行われる電気、ガス、水道、下水道、電話、高速道路、鉄道、地 下鉄など、生活に必要な工事を行う企業で構成された協議会です. 企連協のホームページを見ますと,平成13年度の実績によれ ば,23区内の都道・国道上の工事件数は月別では,最大が11 月の777件,ご質問のあった年末から年度末にかけては, 410件から542件であり,前回投稿したとおり工事件数その ものは年末から年度末にかけて抑制されています.
それでは,なぜ工事が多いとのご意見を頂くのでしょうか? 年末から年度末にかけて交通量そのものが多くなっているため, 交通渋滞が増加して,その元凶と考えられている道路工事が多い と認識されているのでしょうか? 東京都ロードプライシング検討委員会報告書資料2の都内交通量 の月別変化データを見る限り,年末から年度末にかけて交通量が増 える傾向は認められませんでした.
さらに,道路渋滞に関しては警視庁ホームページに渋滞に関する 情報がありました.一般道路における月別交通渋滞発生状況(平日 平均)を見ると,確かに12月と3月が他の月に比べて渋滞距離が 長くなっていることが判ります.また,データには日別交通渋滞発 生「ワースト10」も記載されており,これを見るとワースト10 のうち,4日間が12月と3月に発生しています(例えば,12月 21日年末3連休前日など).
いろいろ調べてみましたが,結局,工事抑制がなされているにも 関わらず,なぜ,交通渋滞が激しくなるのかの解釈が難しく,明快 な回答はできないのが現状です.
みなさまのご意見をお待ちしています.
【参考資料】
企連協HP http://www.kirenkyo.gr.jp/tocitizen/q&a.html 東京都ロードプライシング検討委員会報告書 http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/jidousya/roadpricing/iinkai2.htm
警視庁HP 渋滞情報 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/toukei/jyutai/jyutai.htm
年度末に予算消化で道路工事を行うのではないかとの疑問をお持ちの方も多いようですので補足させていただきます。
先ず自分の経験ですが、約30年間の公務員生活の中で予算消化の道路掘り起こし工事の経験は言うまでもなくありませんし、他の機関に関しても寡聞にしてそのような工事を見聞きしたことはありませんでした。 もしかしたら、どなたかが冗談か推測でおっしゃったことが広まったのではないでしょうか? 無い事を証明することは難しいので、皆さんのご経験をお聞きしたいと思います。
ようこそゲストさん
お知らせ 話題 用語解説
コメント
#64 年度末の道路工事
この質問はよくあるものなので、約10年前正確に調べたことがあります。
年末、年度末には交通が集中することもあるので、旧建設省では、年末と年度末のそれぞれ数週間は緊急のもの以外道路工事をやらないように文書を出しています。
実際国道事務所では年末、年度末は工事をやりませんでしたし、少なくとも国道については全国的に守られていました。また他の道路を含めても年末、年度末に工事が特に多くはないというデータを見たことがあります。
なお道路上の工事の大半が、ガス、電気、水道といった埋設物に関連したものです。沿線の各家やビルの工事にあわせて工事の時期が決められてゆくことはあるでしょう。
現在の状況については是非国土交通省の意見を確認したいものです。
#68 Re:年度末の道路工事
・庶民に県道・市道の区別はない。
・水道工事だって、ガス工事だって、道路をいじってれば道路工事である。
・年度末に道路工事に引っかかれば「予算消化だ」と考えてしまうのは世の常。硬直的な単年度予算システムに関する批判である。
などが、(誤解ではあるが)一般理解じゃないでしょうか。
土木(道路)技術者は
・壊れない道路はないが、長寿命・工事が少なくできる道路構造を研究している。
(ハイブリッド舗装構造、超寿命舗装)
・道路工事をなくす道路構造を開発している(共同溝)。
という分野で貢献しています。
但し、すべての道路をそういう風にするわけにはいかないし、
住宅地内ではガス・水道などを公共用地(道路)に埋めるのは必然なので
工事に理解してほしい、とおもいます。
単年度予算に関して、
議会がそういう仕組みなんだからそうならざるを得ない。
また、予算執行の都合上、そういうようなインセンティブが働く可能性は否定できない。
これまでは、舗装の傷み方のメカニズムがはっきりとわからなかった。
そのため、恒常的に検査して、舗装状態が悪くなったら
悪く言えば「場当たり的な」対応で予算を確保し工事をせざるを得なかった。
このため、年度末の工事も必然的だったと思う。
(どこが壊れるかわからないから、年末まで舗装状態を観測して一番悪いところに投入する)
但し、
交通量・重量車混入率(軸重、軸数)などと舗装劣化の関係がわかってきた。
(土木学会の中にもこのような研究に携わる人が多い)
(この関係は自然科学の法則と経済活動予測の複合分野なのでおもしろい)
舗装がどのくらいで壊れるかの見当もつきそうになっている。
このため、舗装の打ち替えも計画を立てて実施できるようになっている。
この考えが全国には広がってはいないが、
少なくとも東京都の環七はその考え方を導入中である。
(そうであっても、自然に穴があくこともあり、工事には理解してほしい)
以下は参考です。
新聞報道によると、
・国道の一部では規制されていたと報道されている。
・東京23区に限り、これから国道とその周辺を含めた工事規制に取り組む考えである。
・うまくいけば全国に広げたい。
--------------------------------------------------------------------
「同じ場所を工事している」「年度末になると必ず掘り返す」といった道路工
事への批判に対処するため、国土交通省は来年4月から東京23区内で「掘り
返し規制」に乗り出す。国道やその周辺地域で、ガスや水道、舗装など集中し
て工事をしたら、その後5年間は同じ地域で緊急の工事以外はできないように
する。道路の一部で規制をしたことはあるが、周辺地域も含めて規制するのは
初めて。軌道に乗れば、全国に広げる考えだ。
国交省によると、東京23区内では、年間約7500件の路上工事が行われ
ている。10年前に比べ半減しているが、渋滞の原因になったり「また同じ場
所で工事をしている」などの批判が出たりしているのが現実だ。(後略)
※以上記事引用しました。全文はリンク先参照して下さい
http://www.asahi.com/national/update/1212/024.html
-------------------------------------------------------------------
#69 Re:年度末の道路工事
金曜日の夜、筑紫哲也氏が(深刻な顔で)「また年度末になって、道路工事が始まりました。
毎年国民の税金が無駄に使われているのです。この国の舗装はどうしてこう弱いのでしょうか?」との趣旨のコメントを述べていました。
やはり道路関係者は、
?事実関係の確認、・例えば工事の何割がガス・電気など民間企業によるのか?
・年度末にどのくらい工事が集中しているのか?
?今後どうすべきなのか?の見解
をマスコミと話し合ってほしいものです。
(先日の新聞報道による、工事抑制策は結構ですが、実態との関係、効果については良くわかりませんでした。)
#65 年度末の路上工事は何故多いか
年度末(3月)には路上工事が多く、交通渋滞の大きな要因となっている
のでは無いかとの指摘を多く耳にします。
路上工事は大きく分けて、道路の維持修繕等を行う道路工事と、電気・ガス
・通信・上下水道等の占用工事の2つに分類されます。
この道路工事と占用工事の両方とも、交通量の増加により渋滞が予想される
年度末には工事の抑制を図る措置を道路管理者が行っています。
特に東京23区内の国道においては年末〜年度末にかけて工事抑制を実施し
ており、年度末の工事はむしろ減少していると言えます。
また、道路管理者も占用企業者も路上工事の縮減に向けた諸施策を実施して
おり、最近では面的集中化工事により効率的な工事を実施する試みや、交通
渋滞や騒音がもたらす環境阻害コストも含めたトータルコストの縮減に関する
検討も進められています。
なお、道路管理者は交通量の多い幹線道路については、掘り返しの規制を
行っており、一度工事を実施すると一定期間当該箇所の掘り返しを行うことが
抑制されております。これにより道路交通の妨げや道路を不経済に損傷する
等の問題点に対処しています。
しかし、社会生活上必要な緊急工事、供給工事等については抑制の対象外
としており、快適な社会生活は確保できる努力をしています。
以上
#86 年度末の路上工事は何故多いか(その2)
以前投稿した「年度末の路上工事は何故多いか (#65)」に関して
補足させていただきます.
みなさまは,道路占用工事企業者連絡協議会(通称:企連協)
をご存じでしょうか?
企連協は,都区内の道路工事による交通渋滞や道路の掘返しを
少なくするための調整や,対策を講じるため、都区内の道路上で
行われる電気、ガス、水道、下水道、電話、高速道路、鉄道、地
下鉄など、生活に必要な工事を行う企業で構成された協議会です.
企連協のホームページを見ますと,平成13年度の実績によれ
ば,23区内の都道・国道上の工事件数は月別では,最大が11
月の777件,ご質問のあった年末から年度末にかけては,
410件から542件であり,前回投稿したとおり工事件数その
ものは年末から年度末にかけて抑制されています.
それでは,なぜ工事が多いとのご意見を頂くのでしょうか?
年末から年度末にかけて交通量そのものが多くなっているため,
交通渋滞が増加して,その元凶と考えられている道路工事が多い
と認識されているのでしょうか?
東京都ロードプライシング検討委員会報告書資料2の都内交通量
の月別変化データを見る限り,年末から年度末にかけて交通量が増
える傾向は認められませんでした.
さらに,道路渋滞に関しては警視庁ホームページに渋滞に関する
情報がありました.一般道路における月別交通渋滞発生状況(平日
平均)を見ると,確かに12月と3月が他の月に比べて渋滞距離が
長くなっていることが判ります.また,データには日別交通渋滞発
生「ワースト10」も記載されており,これを見るとワースト10
のうち,4日間が12月と3月に発生しています(例えば,12月
21日年末3連休前日など).
いろいろ調べてみましたが,結局,工事抑制がなされているにも
関わらず,なぜ,交通渋滞が激しくなるのかの解釈が難しく,明快
な回答はできないのが現状です.
みなさまのご意見をお待ちしています.
【参考資料】
企連協HP
http://www.kirenkyo.gr.jp/tocitizen/q&a.html
東京都ロードプライシング検討委員会報告書
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/jidousya/roadpricing/iinkai2.htm
警視庁HP 渋滞情報
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/toukei/jyutai/jyutai.htm
#66 年度末の道路工事
年度末に予算消化で道路工事を行うのではないかとの疑問をお持ちの方も多いようですので補足させていただきます。
先ず自分の経験ですが、約30年間の公務員生活の中で予算消化の道路掘り起こし工事の経験は言うまでもなくありませんし、他の機関に関しても寡聞にしてそのような工事を見聞きしたことはありませんでした。
もしかしたら、どなたかが冗談か推測でおっしゃったことが広まったのではないでしょうか?
無い事を証明することは難しいので、皆さんのご経験をお聞きしたいと思います。