ダムの耐震設計について

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ユーザー hathiouzi の写真

 ダム管理事務所に勤務しています。

 地震が発生したときダムは大丈夫なのかといった質問をよく一般の方から受けます。その場合、ダムは設計震度法により設計されており、ここのダムは設計震度K=0.12で設計され滑動に対する安全率は4以上となっていて安全であると説明しておりますが、気象庁の発表する震度との関係が解らず、その当たりの事を含めて説明することが出来なく、良く納得してもらえません。
 設計震度と気象庁の発表する震度との関係はあるのでしょうか。あるとすればどの様な関連で設計震度を地域別(強震地域、中震地域、弱震地域)に設定しているのでしょうか、わかりやすくご教授頂けませんでしょうか。

コメント

ユーザー seki の写真

 ダムの設計に用いる設計震度と気象庁発表の震度は全く関係がありません。

 設計震度とは、「震度法」という耐震設計法の考え方に基づいた指標です。
 「震度法」は地震力を簡便な水平力等に置き換えて設計する方法であり、ダムに限らず多くの構造物で適用されておりますが、近年は解析技術の向上や各構造物の地震時挙動の解明等により、簡便な「震度法」を用いない設計事例も数多く見受けられます。

 さて、「震度法」における設計震度とは、設計に用いる水平方向慣性力の大きさを示すものです。例えば、k=0.12とは重力の0.12倍の慣性力を設計荷重に用いることを表しています。具体的には、コンクリート重力式ダムの場合ではダム重量の0.12倍の水平力を載荷させた場合でもダムが所要の安全率を満たすようにダム形状、コンクリート強度を設計することを意味しております。