H13年度会長提言特別委員会の報告書が11月中旬土木学会より出版されます。
土木学会刊
人口減少下の社会資本整備
−拡大から縮小への処方箋−
編者・著者代表 丹保 憲仁
B6判・218頁・定価1200円(会員 1140円)
100年後の将来に何を用意すべきか!
まもなくわが国は世界に先んじて人口減少時代を迎える。
人口増を前提にしてきた社会資本整備は、大きくパラダイムを転換させなければならない。これは人類未踏の、また人類共通の挑戦であり、その成否は国際社会における我が国の位置づけをも左右する。
最近の発表によれば、2006年にピークに達する我が国の総人口は、2050年には1億人程度にまで減少すると推計され、また、2100年総人口は、6,400万人ぐらいになるという参考推計値も発表されました。この規模・時間スケールでの急速で大幅な人口変動を人類は経験したことがなく、社会のさまざまな分野で、価値観の転換、各種制約条件の変化が生じ、社会的・経済的構造も変容するものと考えられます。
このような大変動期に社会的共通基盤を整備しつづけることは、我が国はもとより世界でも初めての経験です。このような状況下で、土木技術者(Civil Engineer:市民工学者)は100年後の将来に向けて何を用意すべきか、その学術と技術をどのような方向に展開し、その結果をいかに社会に還元すべきかを検討してまいりました。
本書「はじめに」より
目 次
提 言 拡大から縮小への処方箋
総 論 近代卒業のために
近代の拡大と閉塞、そして日本
近代文明の特徴とその有用性
地球環境制約の発生(近代の終焉)
地球環境時代の制約と戦略
次世代の空間分割の基礎
第一章 人類史上はじめての経験−長期的な人口減少
人口動態に関わる諸点
日本の人口動向
高齢化と人口構造
小子化
労働力人口
人口配置
第二章 人口減少下での社会資本整備のための新たな社会設計
資源・環境容量は制約条件となるか
パラダイム転換と新たな合意形成手法の確立を求めて
文明の転換期における設計思想の転換
第三章 人口減少下での社会資本整備のための新たな空間設計
新たな人口分布を描く
空間運用の新しい形
社会資本整備の新しい方向
代替労働力創出のための整備
エネルギー基盤
ライフライン
交通・物流基盤
防災安全基盤
健康安全基盤
廃棄物とマテリアルバランス
第四章 人口問題での国際社会における先導役
以上