「土木を正しく理解してもらうために」:学会誌4月号

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ユーザー 中川 義也 の写真

土木学会誌2003年4月号pp3-4「時局を論ずる」より、
市民に正しく土木を認識してもらう方法として、
篠原氏は土木技術者への提案として以下をあげています。

・土木エンジニアの顔を出すこと、
・そのためにコンペやプロポーザルを行うこと。
・土木史家を育てて先人の業績を世に問うこと
・自らの地位を貶めるマニュアル指向をやめること

JSCE.jpで、どうぞ顔を出してください。(^・^)→匿名じゃなくて...

土木の仕事で、コンペ、プロポーザルは少ないですね。
なぜなんでしょ。どうやったら増えますか?

マニュアル指向、本当に脱皮したいところです。
プロポーザルをやると勝つために脱皮するような気がします。

コメントつけにくいですけど、あなたの意見をお寄せください(^_^.)

(参考:同氏の朝日新聞2002年9月5日掲載記事はこちら)
http://www.loveriver.net/opinion/sinohara.html

コメント

ユーザー ふくしま の写真

> JSCE.jpで、どうぞ顔を出してください。(^・^)→匿名じゃなくて...

それでは、少々恐い気もしますが実名で。

じゃあ何で現在、マニュアル指向で、
それをやめるにはどうすればいいの?
と言う観点で考えます。

ほとんどの場合、土木の仕事は国民の税金を使った仕事であるため、
発注者には国民に対する説明責任があります。
その具体な形として、発注者は「会計検査」を意識せざるを得ません。
#ここを見ている多くの方が、
#発注者が「会計検査対応」と言っているのを
#聞いているに違いありません。

検査官に、
技術的・力学的に複雑な事柄や、
景観などの美的センスに関わる定性的な評価を
たどたどしく説明するより、
「マニュアルにのっとって、一番安い方法でやりました」
と説明する方が簡単です。

受注者(施工業者、コンサルタント)も同様に、
発注者の要求に応えるために
「マニュアルにのっとって、一番安い方法でやりました」
というものを作りがちです。

発注者の立場で考えれば、
以上のようなことがマニュアル指向の一因かと思います。

さて、「自らを貶めた」発言をしたところで、
問題の解決にはなりませんから、
どうしたらよいかを単純に考えたところ以下の通りです。

(1)マニュアルを変える
土木技術者が「自らを誉め讃える(?)」様なマニュアルを作ることです。
道路橋示方書が「性能規定型」の技術基準を目指していることが
その例だと思います。

(2)会計検査を変える
会計検査はそれはそれで重要な役割がありますが、
国民への説明責任の一手段でしか無いわけですから、
発注者が会計検査院の検査官を恐がる仕組みではなく、
もっと国民に説明するための仕組みにならないものかと思います。
具体例は思いつきませんが、
ニュースで「今年の税金の無駄遣いは○億円でした」と報道されるだけ
と思っている国民も少なくないと思います。

> コメントつけにくいですけど、あなたの意見をお寄せください(^_^.)

コメントつけにくいですけど、
誤解を恐れずコメントしました。

ユーザー 中川 義也 の写真

ものすごい遅レスで、すみません。

#発注者が「会計検査対応」と言っているのを
#聞いているに違いありません。

私もよく聞きます。
発注者自身は、私どもの提案を非常に理解して評価しているのに、
会計検査対応ということで、成果物は発注書に載っている内容だけで
一番面白い部分は端折って済ませてたりしますね。
単純なんですが、非常に面白いところをついていらっしゃると思います。

よく言われることですが、
高度成長時代のマニュアルに則った時代では、
マニュアルに沿って行うことで効率を向上させ、最低限の品質を確保した。
また、土木学会はシホウ書などのマニュアル作りに加わっています。

性能規定、とは、上記の流れの改革であると位置づけられます。
会計検査などもそのような流れになってくれればいい、というご意見だと思います。

ユーザー seki の写真

 「風土工学」・・・
あまり聞き慣れない学問領域と思います。
 この学問を唱えられたのは、富士常葉大学環境防災学部教授で付属風土工学研究所所長を勤められている竹林征三先生です。「風土工学」の事例などについては、今年4月発行の「土木施工」の特集記事として取りあげられているのでそちらをお読みいただいた方も多いと思います。

 まだ、お読みでない方のためにその技法を紹介させていただくと、風土工学は「地域デザインを描く」技法、九州電力の久田さんと風土工学デザイン研究所の忍見さんの言葉を借りれば、「地域の誇り意識および地域の個性・アイデンティティの形成につながるテーマ」をコンセプトに建設事業にデザイン展開を進めていく手法と定義されています(土木施工44巻4号(2003.4)P43)。このコンセプトは、地域イメージに関するアンケート調査、地域の風土、歴史、文化、生活などの意味や価値を評価していく中で形成されるとしています。

 ある事業がその地域の中で必要とされる原因は、その地域の地形や地質、土地の利用形態など過去の同種の事業の執行された要因の中に見ることが出きることが多いと思います。
 近年のマニュアル化された構造物やその執行は、地域の個性や風土に対する感覚、思いを失わせ、全国一律の風景を作り出して来たようにも感じます。また、住居表示の統合による地域固有の名称の喪失も風土の感覚を失わせる上で一役買っているとも言えるのではないでしょうか。

 どちらにしても、技術者として事業を計画する、あるいは事業を行っていく上で、地域や風土を良く知る心構えが、今後さらに求められてくると思います。