連続繊維シートを用いたコンクリート構造物の補修補強指針のp.18に、6.2.2コンクリートにおいて、既設構造物のコンクリートの圧縮強度の特性値f'ckの求め方が規定されています。
施工時においては、対象構造物からコア供試体を得たらよいと思いますが、例えば、既設構造物のバラつきを考慮するために、この求め方を採用する際には、基礎杭(場所打ち杭)なら、多くの建設時のコア試験体のデータを集めて評価したいと考えています。
この評価の際に気になっているのが、「既設構造物」の範囲の取り扱いです。
施工時であれば、対象となる構造物、例えば、1つの橋梁の1つの柱からコア試験体を採取し利用します。この場合、対象構造物の範疇内の話です。
今回、既設構造物、具体には、基礎杭の既設構造物のバラつきを考慮するために、建設されている多くの構造物(1000体超)の建設時に採取されたコア試験体の強度を使おうと思っています。よって、対象構造物に限らず、基礎杭という観点で、いろんな場所に建設された基礎杭を一括して取り扱おうと思っています。
この取り扱いは問題ないかといった質問です。例えば、各橋梁単位でバラつきは確認すべきといった意図があるといった留意点がありましたら、ご教授願います。
そもそもこの指針自体が、特定の既設構造物を対象とした補修・補強を目的とした指針ですので、この質問自体が、指針の範疇外であると感じてはおりますが、その点は大目に見て頂ければ幸いです。
~補足~
既設構造物のコンクリートの圧縮強度の特性値f'ckの求め方は、コンクリート圧縮強度のヒストグラムは正規分布で近似できるという前提のもと、定式化されたものだと思います。ですので、特性値f'ckの求め方は、コンクリート圧縮強度を取り扱う場合に、そのバラつきを考慮したければ、対象構造物が何であるかに関係なく使用できる求め方だと考えています。