環境税の議論について

セクション: 
|
タグ: 
ユーザー 匿名投稿者 の写真

京都議定書の発効が間近に迫り、CO2の発生抑制の議論が活発になってきている。昨年は環境税の提案が環境省から出されるなど、税による抑制策も選択肢として検討されている。年末に出された税制改正大綱でも、環境税は継続検討となっており、今年あらためて議論されることになる。地球温暖化は、夏の熱帯夜といった我々の日常生活レベルの問題だけではなく、海面上昇や、豪雨災害との因果関係が取りざたされるなど、地球レベルの問題であり、土木技術とも関連の深い課題である。
CO2発生量の約22%を占める運輸部門が、2010年目標値との乖離も大きく、対策は急務であるが、環境に資することは何でも実施すべき、といった情緒的な議論で判断すべきではない。昨年ガソリンの価格が年初に比較して15%も上昇したにもかかわらず、ガソリン販売量にはほとんど変化がなかった。自動車が生活や業務に不可欠なツールとなり、その使用の燃料費に対する価格弾力性が小さいというのは、困った現象とも言えるが、少なくとも「税」をCO2抑制策に使うのであれば、このような現実をしっかり把握した上での、地に足をつけた議論が必要であろう。

コメント

ユーザー 岡崎康生 の写真

 最近、環境税の議論が盛んですが、議論が、とかく、この景気の悪い時に税金を上げられるかとか、道路特定財源が沢山あるからあそこから取ってしまえとか、全くつまらない議論に終始しているのは、心配でなりません。
 京都議定書の如何に拘わらず、交通分野での省エネや環境対策が急務であることは、誰一人異論はないと思います。問題は、それをどう進めるかという事です。
 そのため、まず議論すべきことは、この先我が国が、基本的に如何なる交通体系を目指していくのかという事について、国民的なコンセンサスを得る事だと思います。大雑把な方向としては、都市部では大量輸送機関の方にシフトしていくべきですが、地方部は自動車に頼らざるを得ませんし、何よりも物流の90%を担うトラックの問題をどう取り扱うかが最大の課題だと思います。トラックは環境面でも大きなウェートを占めますし、今の便利な生活を維持しようと思えば、国民も大幅な負担増を覚悟しなければならないのではないでしょうか。
 といったような、基本的な議論は一切なしに、いきなり、どこから税金を取るのが一番抵抗が少ないか、という議論ばかりで、いつも愕然としています。我が国の政策論争は、全て、同じように、本末転倒が常套手段になっていますが-−−−−−−。