直接基礎の検討、粘性土の内部摩擦角について

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 直接基礎の検討で、粘性土の場合は内部摩擦角は見てはいけないのでしょうか。通常は粘性土の場合は内部摩擦角は無しと考えていましたが、今回は三軸圧縮試験で5°程度の内部摩擦角が出ておりこれを考慮して良いものかどうか判断に困っています、参考になる文献又は考え方があれば教えて下さい。

コメント

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 今、家にいるので根拠となる文書は示すことができませんが。。。

 一般論として、「完全なる砂質土」や「完全なる粘性土」はまず
存在しません。(両者とも、科学的な検討を進めるためのモデルに
過ぎません)

 従って、理論的な粘性土の内部摩擦角がゼロだからと言って、現実
の土が粘性土の成分が多くとも、内部摩擦角がゼロである必要はない
のです。

 現実に三軸圧縮試験の結果があるのであれば、その数値を使用して
構わないと考えます。

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JH設計要領第1集p1-37に、設計に用いてよい土質定数がある程度細かく示されています。
それによれば、自然地盤粘性土も内部摩擦角を15-25°みている例があります。
これらの一般的な値は土質試験を行えなかった場合の参考値であり、”原則的には土質試験によって得られた数値を採用するものとする”というのがあくまでも基本ですので、試験を行ったのであればそれを採用するべきだと思います。
ただし、土にはこれらの定数以外にも不均質性、地下水位等いろいろな不確定要素があるため、土質試験結果を元にぎりぎりの設計をするのではなく、上記の値も参考にしながら採否を検討されてはいかがでしょうか。

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ほとんど同意見で、現場条件を判断しうる資料があるのであれば、
物の本によるのではなく、試験結果を用いるのが適切だと思います。

ただ、最後におっしゃっている不確定要素というのは、
支持力式の2とか3とかの安全率で考慮されているのではないでしょうか?

また、せん断抵抗角(内部摩擦角)はもともと誤差が大きいものでしょうから、
5°の違いをわざわざ安全側にして
経済的に不利な設計をする必要は無いんじゃないかと思います。

上述は、現場条件を見ずに無責任に書いてしまっているので、
いずれにしても、技術者が現場条件に応じた設計条件を
適切に判断することが求められますね。

ユーザー kuishinbou の写真

計画構造物およびその基礎形式に関わらず,一軸または三軸試験のような室内強度試験から地盤の強度を評価する場合は,基本的には粘着力cに依存する地盤材料か,内部摩擦角φに依存する地盤材料かを決める必要があると思います。

今回の三軸圧縮試験は恐らく非圧密非排水のUU条件の場合と思われますが,均質な粘性土の場合は非排水条件下では外力が加わっても排水による体積変化を認めないわけですから,拘束圧の異なる3〜4個の供試体でも求まる圧縮強さは全て同じ(φ=0°)になるはずです。
こうならないのは,供試体毎の材料が不均質だったり,試料が飽和状態で無かったり,試料成形の仕方が個々に若干違ったりと様々な試験誤差等が考えられます。それらを包括して試験者が最小二乗法等の数学的手法や主観により描いた線にたまたま傾きがついただけで,これを地盤の強度と評価してしまうのには問題があると考えます。

粘性土のUU試験から強度定数を求める場合は,各供試体の試験結果のばらつき程度にもよりますが,φを0°として各供試体の圧縮強さの平均値または最小値の1/2を粘着力cと設定するのが良いと思います。