コンクリート 水で飽和される場合とは?

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 コンクリート標準示方書「施工編」p81で相対動弾性係数を満足するための最大水セメント比の規定が構造物の露出状態の違いにより規定されているが、連続してあるいはしばしば水で飽和される場合とは具体的にどのような場合なのでしょうか。
 ○通常の融雪や雨水は対象外か。
 ○例えば、水面から離れている橋台や床版で気象作用が厳しい場合に、冬期間は降雪や融雪による影響をしばしばうけると考えられるが、これは水で飽和されていると考えればいいのか。
 ○対象とするのは露出部だけで、地下部や地下水影響部は対象外か。
 

コメント

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コンクリート標準示方書「施工編」p81で定められている
相対動弾性係数に関する規定は,コンクリートの耐凍害性に
関するものです.凍害は,コンクリートが水で満たされてい
るかどうかが極めて重要なので,コンクリート構造物が水に
よって飽和し易い状態であるかどうかで判断するのが妥当で
す.ですから,一概に,この状態はOKとか,言い難いのが
実態と思います.ご指摘の箇所について,述べますと,

○通常の融雪や雨水は対象外か。

これらは,いったん飽水状態になっても,凍結するまで湿っ
た状態が保たれなければ,しばしば飽水とは見なせません.

○例えば、水面から離れている橋台や床版で気象作用が厳しい場合に、冬期間は降
雪や融雪による影響をしばしばうけると考えられるが、これは水で飽和されていると
考えればいいのか。

通常の状態で,コンクリートの表面が湿った状態になりがち
であれば,飽水状態が長く続くものと判断して良いと思いま
す.ただし,凍結し易いかどうかは,実際の構造物の置かれ
た状況で判断せざるを得ないと思います.

○対象とするのは露出部だけで、地下部や地下水影響部は対象外か。

これも結局は実際の構造物の状態によって判断するのが適切
だと思いますが,地下部や地下水影響部は,しばしば飽水状
態ですが,凍結はし難い環境と考えられます.

といった具合です.コンクリート構造物の耐凍害性を確保し
たいのであれば,念のため,という考え方で,相対動弾性係
数を確保するようにしておくことが重要ですが,不必要な箇
所まで凍害を気にするというのも,どうかとも思います.