実験でコンクリート供試体を作り、割裂引張強度の測定をしました。 3回行い、平均が3.00N/mm2 でした。 この程度の強度のコンクリートは、何を作るのに使えるのでしょうか? それともこの程度の強度では何にも使えないのでしょうか?
稚拙な質問で申し訳ないですが、回答よろしくお願いします。
いい質問です コンクリートの強度規程は各機関の工事仕様書に定められています 学校ではこのことを教えないのが間違いです 工学は使うためのものです 社会に出るといやでも教えられると言う思い上がりが先生にあるのではないでしょうか 私の知っている範囲で 具体的に言いますと 「日本道路公団 土木工事共通仕様書 H15.4]に定められています その他各機関でもお持ちです 構造物により仕様が違いますので 何に使うのかを決めて使えるかどうか判断するのが普通です H16.5.20 道栄(株)山本 武夫
「引張強度が3N/mm2」程度のコンクリートの用途がどうか、ということですが、 コンクリートは一般に圧縮強度で評価し、引張の力(引張応力)については基本的に 鉄筋に分担させるよう設計します。 と言うのも、コンクリートの引張強度は圧縮強度のおよそ10分の1しかなく、コ ンクリート単独で必要な引張応力に耐えるように設計すると、必要なセメントの量が 増えすぎて、高くついてしまうからです。(だからこそわざわざ「鉄筋コンクリート」 なる構造で構造物を作るのです)
さて、話を本題に戻しますが、引張強度が3N/mm2程度であるとすると、圧縮強度 は30N/mm2程度であると推定できます。圧縮強度がこの程度あると、橋りょうや高 架橋の本体に十分使用できるレベルです。
ちなみに、構造物をどの程度の強度のコンクリートを使って製作するか、は各機関 (河川、道路、鉄道など)で事細かに決めていますが、これは、各種の強度のコンク リートを使用して設計した場合に、最も合理的な形(寸法、形状、費用など)になる 強度に決めています。例えば、煉瓦程度の圧縮強度であれば、アーチ橋のような形に なるでしょうし、高い圧縮強度があれば、(鉄筋も強度の高いPC鋼線を使用するなど して)エレガントなPC橋りょうのような形も可能です。
蛇足ですが、一般的に、コンクリートの強度は、打設から28日目の強度で評価し ますので、より短い期間での測定値が3N/mm2であれば、実際にはもっと高い強度を 持っていると言えます。
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#531 工事仕様書を見ること
いい質問です コンクリートの強度規程は各機関の工事仕様書に定められています 学校ではこのことを教えないのが間違いです 工学は使うためのものです 社会に出るといやでも教えられると言う思い上がりが先生にあるのではないでしょうか 私の知っている範囲で 具体的に言いますと 「日本道路公団 土木工事共通仕様書 H15.4]に定められています その他各機関でもお持ちです 構造物により仕様が違いますので 何に使うのかを決めて使えるかどうか判断するのが普通です
H16.5.20
道栄(株)山本 武夫
#534 コンクリートの引張強度と用途について
「引張強度が3N/mm2」程度のコンクリートの用途がどうか、ということですが、
コンクリートは一般に圧縮強度で評価し、引張の力(引張応力)については基本的に
鉄筋に分担させるよう設計します。
と言うのも、コンクリートの引張強度は圧縮強度のおよそ10分の1しかなく、コ
ンクリート単独で必要な引張応力に耐えるように設計すると、必要なセメントの量が
増えすぎて、高くついてしまうからです。(だからこそわざわざ「鉄筋コンクリート」
なる構造で構造物を作るのです)
さて、話を本題に戻しますが、引張強度が3N/mm2程度であるとすると、圧縮強度
は30N/mm2程度であると推定できます。圧縮強度がこの程度あると、橋りょうや高
架橋の本体に十分使用できるレベルです。
ちなみに、構造物をどの程度の強度のコンクリートを使って製作するか、は各機関
(河川、道路、鉄道など)で事細かに決めていますが、これは、各種の強度のコンク
リートを使用して設計した場合に、最も合理的な形(寸法、形状、費用など)になる
強度に決めています。例えば、煉瓦程度の圧縮強度であれば、アーチ橋のような形に
なるでしょうし、高い圧縮強度があれば、(鉄筋も強度の高いPC鋼線を使用するなど
して)エレガントなPC橋りょうのような形も可能です。
蛇足ですが、一般的に、コンクリートの強度は、打設から28日目の強度で評価し
ますので、より短い期間での測定値が3N/mm2であれば、実際にはもっと高い強度を
持っていると言えます。