設計水平震度

セクション: 
|
タグ: 
ユーザー 匿名投稿者 の写真

設計地震動に関する質問です。
道路橋示方書の耐震設計編に示されている標準加速度応答スペクトルと設計水平震度の関係が一致しないことが理解できません。
?耐震設計編のp84の解説に「固有周期ごとの減衰定数の補正を加えて定めたもの」とありますが,少し具体的にコメント頂けますと有難いです。
よろしくお願い致します。

コメント

ユーザー 匿名投稿者 の写真

例えば、地面に固定されている棒の頂点に重りがある場合を想像して頂ければわかりやすいと思います。

重りを一定にした場合、棒の太さあるいは堅さ(棒の諸元)を変えて、地面をいろいろな周期で振動させると、重りが一番大きく揺れる周期が棒の諸元ごとに存在します(固有周期)。

しかし、地面の揺れの大きさに対して、重りの揺れの大きさは若干小さくなります。小さくなる原因は、揺れの速度に比例する減衰定数です。

減衰定数にもいろいろあり、粘性減衰、履歴減衰、地下逸散減衰があります。
粘性減衰は、棒の材料の分子間摩擦によるエネルギー消費です。
履歴減衰は、棒が壊れていく(塑性化)していき履歴ループを描くと、エネルギー消費とエネルギー吸収を繰り返しますが、吸収しきれませんので、このエネルギーの吸収効果のことを表します。
地下逸散減衰は、棒から地面に吸収されることによるエネルギー逸散です。

図-解6.3.5は、標準加速度応答スペクトルから構造物の減衰を考慮して、実際に近いの加速度応答を模擬したものです。
このようなレベルの説明で宜しいでしょうか。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

早速コメント頂きまして有難うございます。
理解を深めるために,次のことについてアドバイス頂けると助かります。
レベル1を対象としてコメントします。
道示?p14に示される標準加速度応答スペクトルは減衰定数0.05に基づき設定されているとの理解でよいでしょうか。
また,長周期構造となる場合,設計水平震度が道示p14に示される応答スペクトルに比べ設計水平震度が応答スペクトルより大きく評価されることは,長周期構造であると減衰が0.05より小さく評価されているとの理解でよいでしょうか。
道示?p84に示される固有周期ごとの減衰定数の補正と関係しているのでしょうか。
何卒よろしくお願い致します。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

#3170です。

p.14で示す加速度と、p.84で示す設計水平震度は別のものと考えてください。
p.14はレベル1地震動における耐震設計上の地盤の加速度スペクトル図です。
p.84は複雑でない一般的な構造物の設計水平震度を求めるための図です。

図-解6.3.5に示す固有周期は構造物の固有周期でしたが、図-解4.2.1に示す固有周期は地盤の固有周期で、耐震設計上の地盤面の応答スペクトルを表しています。減衰定数0.05は地盤の減衰定数です。

p.84では代表的な減衰定数(おそらく2〜3%)を用いて計算された図なので、一般的な構造物であれば、p.84の設計水平震度で設計してもよいですが、長周期構造物や地震時の挙動が複雑な構造物は、p.14から求まる地盤の応答スペクトルから、動的解析により構造物の応答を求める必要があります。

図-解5.1.1にフローがありますので参考にして下さい。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

静的設計を行う場合の震度については長周期帯について工学的判断で
5%〜10%程度割りましてあります・・・・平成2年ごろの道路橋示方書?
それ以前指針の解説を参照されたい

ユーザー 匿名投稿者 の写真

アドバイス頂きまして有難うございました。
今後,耐震設計についてより深く理解していこうと思います。