テルツァーギの支持力公式

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テルツァーギの支持力公式について、色々調べてみると以下の二種類が出てきますが、
第2項で1/2を乗じているものとそうでないものの違いは何なのでしょうか。
qd={α・C・Nc+ 1/2・γ1・β・B・Nr+γ2・Df・Nq}
qd={α・C・Nc+γ1・β・B・Nr+γ2・Df・Nq}

コメント

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 簡単に言えば、1/2をかけるのは地盤の短期許容支持力度で、かけないのは長期許容支持力度です。「建築基礎構造設計基準」(日本建築学会)では、この式に2/3(短期)あるいは1/3(長期)をかけて許容支持力度としています。
 鹿島出版の「設計の基本知識[地盤編]」(2020年)の「2.3 地盤の支持力」に詳しい説明があると思います。私が持っているのは1993年出版のものですが、目次は変わっていません。書店で実物を確かめてください。

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追加コメント:1/2が入るのはテルツァギーの修正式と言われるものです。

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後者は,支持力係数を生んだTerzaghiが浅い基礎に対し基礎直下での楔角を水平面からφ(土の内部摩擦角[°])と仮定した式(文献1)で,塑性域速度場の性質から当仮定
が誤りである事が明らかと成り(文献2),
前者は,Meyerhofが深い基礎迄対応できる様に工夫し,基礎直下では主働楔と考え同角は45°+φ/2と成り,他に後者との違いとして,
・滑り線が基礎底面より上方迄達している.
・受働楔迄の過渡領域での主応力の回転角度を大きくしている.
・基礎鉛直方向面を新概念で等価自由表面と呼ぶ.
である以外は前者と変わらない(文献3)事が支持力入門(文献4)に纏められ,道示(文献5)では前者の考え方が採用されています.
1)Terzaghi:Theoretical Soil Mechanics,1965. 2)山口柏樹:土質力学,pp.257-260,1984.2 3)Meyerhof:The Ultimate Bearing Capacity of Foundations,Geotechnique,Vol.1,pp.301-332,1951.
4)地盤工学会:支持力入門,pp51-68,1990.11. 5)日本道路協会:道路橋示方書Ⅳ下部構造編,pp.297-307,平成24年3月