断面修復後のマクロセル腐食について

マクロセル腐食の腐食電流はアノードからカソードに流れるのでしょうか。カソードからアノードに流れるのでしょうか。

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コンクリート中はアノード(陽極)からカソード(陰極)へ電流(イオン伝導)が流れます.
鉄筋中はカソード(+)からアノード(-)へ電流(電子伝導)が流れます.

アノードでは鉄筋からコンクリートへ電流が流出し,これは腐食電流といいます.
流出した電流は,カソードでコンクリートから鉄筋へ流入し,これを防食電流といいます.

塩害の場合,断面修復箇所では,一般的に既設コンクリート側の鉄筋電位が低く(卑で)アノードとなります.
一方,断面修復部の鉄筋電位は高く(貴で)カソードとなります.
そして断面修復材の電気抵抗(イオン伝導抵抗)が低ければ,上述のような電流が流れ,アノード側が腐食します.
断面修復材が樹脂モルタル等で電気抵抗が高ければマクロセル電流は流れません.
ただし,鉄筋電位の低いアノード側の腐食環境は変わらないので,ここでの腐食(≒ミクロセル腐食)は止まらない可能性がありますので,要注意です.