
災害復旧工事の設計要領に示されている福岡ー宇都の式を用いて地盤反力係数を求める場合、常時、地震時ともに同じ値を用いることになると思います。
一方、道示のⅣ下部構造編に示されている変形係数より求める地盤反力(以降、道示の式と略します)では、地震時は常時の2倍の値となります。
矢板護岸を設計する際、地震時の地盤反力係数がより大きく見込める道示の式を用いて地盤反力度を求めることは間違いでしょうか。
また、基本的には福岡ー宇都の式を使うものとして、変形係数の試験値がある層に対してのみ道示の式を使うというのは間違いでしょうか。各層で変形係数の算出式がちがうとき、地震時の取り扱いはどうすべきでしょうか(道示の式で地盤反力係数を算出した層のみ地震時2倍にするか?それとも福岡ー宇都の式の考え方と合わせて2倍にはしないか?)
コメント
#10218 Re: 地盤反力係数について
矢板護岸を設計する際、地震時の地盤反力係数がより大きく見込める道示の式を用いて地盤反力度を求めることは間違いでしょうか。
個人的な意見です。間違いだと思います。理由はいたって簡単で、護岸の設計に道示の適用基準使用は、設計思想がバラバラとなります
この件に対して他の方の意見も聞けたら幸いです
#10220 Re:矢板護岸の地盤反力係数
矢板種が示されず,「災害復旧工事の設計要領,1965.10.1」には常時土圧のみ記され,土留めである矢板は「土木学会:仮設構造物の計画と施工,2011.」で耐震を考慮して
いない経緯も有り,下記URLに示す「(一社)鋼管杭・鋼矢板技術協会;鋼矢板Q&A,2017.3」に於いて,
p58に「地震時の土圧算出方法は基本的に常時と変わらない.」と有る.
p61,62に横(水平)方向地盤反力係数k_h[kN/m^3]を求める場合,土質試験から得られた実測値を使用する事が望ましいが,N値からの推定法として鋼矢板の計算でよく使用さ
れる物に次式が有る.
・福岡-宇都のboring孔を利用した実測値(文献1)
k_h=6910N^0.406(1)
・試験方法に拠る変形係数E_0[kN/m^2]を用いた算出値(文献2)
k_h=k_h0(B_h/0.3)^(-3/4)(2)
此処に,B_h:換算載荷幅[m]此処では=10mとする.
k_h0:直径0.3mの剛体円板に拠る平板載荷試験の値に相当する水平方向地盤反力係数[kN/m^3] k_h0=αE_0/0.3
α:地盤反力係数の推定に用いる係数 (2)は「道示 下部構造編,2017.」と同型だがαとして地震時に常時の2倍としない.
http://www.jaspp.com/assets/img/pdf/kouyaita_qanda_2017.pdf
道示は本設対象で,矢板の内,鋼管矢板井筒基礎のみが載っています.
当地盤反力係数は基礎地盤に対する静的な載荷状態を想定して定義した物で常時及び地震時の静的設計法である震度法や地震時保有水平耐力法に用いられ,固有周期の算出や動的
解析に用いる地盤反力係数については,別途算出する.
文献1)(社)全国防災協会;災害復旧工事の設計要領,2009 2)鋼管杭協会,(財)先端建設技術センター;自立式鋼矢板壁設計マニュアル,2007.12