水平震度について

セクション: 
|
タグ: 
ユーザー dosannko の写真

お世話になります。

地盤面の水平震度の標準値についてです。

レベル1では、Ⅰ種地盤<Ⅱ種地盤<Ⅲ種地盤
であるのに対して、
レベル2では、Ⅰ種地盤>Ⅱ種地盤>Ⅲ種地盤
となっている理由を教えてください。

レベル1は、Ⅲ種地盤(緩い地盤)=揺れやすい は理解できますが、
なぜ、レベル2になると逆になるのかが分かりません。

どうぞよろしくお願いいたします。

コメント

ユーザー 中筋 智之 の写真

 ご質問に関して、改訂年毎の「日本道路協会:道路橋示方書」に拠る耐震設計上の地盤種別及び(表層)地盤面における設計水平震度の標準値を下表に私は纏めました。
耐震設計上の地盤種別     地盤面における設計水平震度の標準値(khg0)
地盤種別 地盤の特性値TG[s] Level1地震動 Level2地震動
                      (typeⅠ)      (typeⅡ)
              2002年、現改訂 1996,2002年、現改訂 1996,2002年、現改訂
Ⅰ種    TG<0.2      0.16    0.30   0.50    0.80
Ⅱ種   0.2≦TG<0.6     0.20    0.35   0.45    0.70
Ⅲ種   0.6≦TG       0.24    0.40   0.40    0.60
                        
 耐震設計(検討)での基盤面よりも上の表層地盤の基本固有周期(特性値)TG[s]に応じて地盤種別は、仰る様に硬いⅠ種から軟らかいⅢ種に区別され、Level2地震動の内、大陸
plateと海底plateの境界で起こるtypeⅠ地震動について、平成8,14年改訂では1923年の関東地震に際して東京周辺で生じた地盤上の加速度は0.3~0.4g(ここに、g:重力加速度
≈9.80665m/s^2)と推定され設計水平震度はⅢ種の方が大きかった。表層地盤の固有周期と地震動の周期が一致すると、地盤に因る減衰を考慮しても変位が急増する共振現象を起こ
し、2011年の東北地方太平洋沖地震を例とする大震災後に改訂される際、必ずしも軟らかい地盤の方が揺れ易いとは限らず、河井 正 氏に拠る土質動力学で議論に成りましたが、設
計水平震度は震源との位置関係にも因り、magnitude 9以上も有るplate境界型地震よりもmagnitude 8未満の1995年兵庫県南部地震に因り地盤上で観測された加速度強震記録
に基く内陸直下型地震の方が大きいと私は判断します。
参考文献
1)(社)日本道路協会:道路橋示方書・同解説Ⅴ耐震設計編、平成14年3月 2)(東北大)河井正准教授による2018年土質動力学講義資料

ユーザー 中筋 智之 の写真

 上表について、Level2(typeⅠ)地震動に因る設計水平震度の値は変わらず表示を、私は整えました。
耐震設計上の地盤種別     地盤面における設計水平震度の標準値(khg0)[1]
地盤種別 地盤の特性値TG[s] Level1地震動 Level2地震動
                      (typeⅠ)       (typeⅡ)
              2002年、現改訂 1996,2002年 現改訂 1996,2002年、現改訂
Ⅰ種    TG<0.2       0.16    0.30     0.50    0.80
Ⅱ種   0.2≦TG<0.6      0.20    0.35     0.45    0.70
Ⅲ種   0.6≦TG        0.24    0.40     0.40    0.60