変状と劣化の用語の使い分け

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構造物の調査報告書のなかで、「ひび割れ」「鉄筋腐食」「中性化」という用語を使うことがありますが、これらを総称して、「変状現象」とすべきか、「劣化現象」とすべきか悩んでいますが、どなたか、考え方も含めてアドバイスをしていただけないでしょうか。もし、定義について、参考図書があれば、あわせて、おしえていただけないでしょうか。

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劣化と変状

コンクリート構造物の劣化,変状についてはいろいろな参考書があります.ちょっと長い名前ですが「非破壊試験を用いた土木コンクリート構造物の健全土診断マニュアル」(技報堂)では次のようになっています.
変状:損傷・劣化・その他の原因のためコンクリートの表面に見られる異常.
劣化:鋼材の腐食のように時間の経過に伴って進行する部材や材料の性能低下.

つまり,劣化により部材などの性能が低下し,コンクリート表面に異常が発生したものが変状と言うことになります.ですから,「ひび割れ」はアルカリ骨材反応や鉄筋腐食などにより発生した変状です.中性化は時間の経過によって生じた材料の性能低下を示す指標ですから劣化と言うことになるでしょう.

以上