高速道路に付加価値を付けるには

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ユーザー inoue の写真

 道路4公団について、旧国鉄同様分割民営化の方向で議論が進んでいます。
私は、旧国鉄の分割民営化がうまくいった大きな要因は、基盤である旅客輸送部門での努力もさることながら、一日1,600万人という方が交差し利用する駅施設を有効に活用できたことも大きな要因となっていると思います。
 詳細は、例えばJR東日本のHP(http://www.jreast.co.jp/index.html)の会社概要を見ていただければ良いと思いますが、平成13年度は運輸付帯事業801億円に対し関連事業収入は、576億円となっています。15年前の昭和62年では、運輸付帯事業460億円、関連事業収入163億円を考え合わせると如何に力を入れてきたかがわかります。
 では、高速道路ではどうでしょう。
 道路と鉄道はたしかに運輸と言ってしまえば同じかも知れませんが、その実体の持つ性格は大きく異なる様に思います。
 しかしながら、高速道路でも民間で成功している例があります。皆さんの中にはご存じの方もおられると思いますが、通常首都高ではKK線などと呼ばれている汐留と京橋間の全長2kmの部分です。この区間は、東京高速道路株式会社が保有し、昭和59年にその一部が開通しています。
 うまく行っている理由は、銀座を通る高速道路ということで高架下の空間をテナントとして貸し家賃収入を得ていることにあります。車の通行料を取っていないことを考えると賃貸建物の屋上を道路として利用させていると見ることもできます。
 興味のある方は、以下のHPを参照してください。

コメント

ユーザー sakai の写真

井上さんの提起に対しては、直接のレスではないので、申し訳ありませんが・・。
高速道路の負荷価値について、広義の意味での負荷価値は、やはり高速道路が通る
ことによる、経済への波及効果ではないかと思います。そういう観点で、道路公団
民営化に際し、建設費用・料金収入のバランスのみ議論され、地域経済波及効果に
ついて(少なくとも新聞情報では)不明です。私は専門ではありませんが、土木計画
学的にこのようなものの算定はどうなっているのでしょうか?

ユーザー 匿名投稿者 の写真

土木計画学的には、ということについて;
結論から言うと「全て見積もるための方法を提案している」
ということになると思います。
前段として教科書的な定義から紹介します。
現代の経済学で、公共事業の評価は「効率性」と「公平性」で評価されます。
 効率性;如何にうまくお金を使えたのか。費用と便益を計算する。
 公平性;プロジェクトによる効果に偏りはないか。

まず、経済波及効果が大きい・小さいなどは、基本的に効率性の話です。
公平性は、みんなの税金はみんなのためになっているのか、っていう話です。
#地域的な偏り、というのは民営化委員会の議論にもなっているところですよね。
このような計測は、ちょっとやってみれば誰にでもできることですが、
社会的な合意材料とするための共通した手法の明示と理論的裏づけが必要です。
土木学会の、土木計画学系という分野では
「どうやって測定するのか」「精度を上げるにはどうすればいいか」
等の議論を担当しているといえます。

例えば、ある地域に道路を建設することにより1万人が1時間だけ時間短縮できるとする。
そうすると、1万時間が節約される便益になります。
土木計画学では、これに対して、
・本当に1万人か?(便益を受ける地域の測定方法に関する理論)
・本当に1時間か?(便益のクオリティに関する議論)
・1万時間をどう評価するのか。(時間の価値に関する議論)
などの疑問に答えられるようにしています。

#節約することは本当に便益か?なんて話もありますが、
#その辺は土木の人も頭を突っ込むところですが、哲学・経済学的な問題になります。
ここから高速道路の話、

まず、効率性の話に行きましょう。

効果を時間的に分類すると
建設工事などで一時的に仕事ができて、お金が出回るような効果(フロー効果、事業効果)と
道路が出来て、通勤時間が短くなって便利になる、ような継続的な効果(ストック効果、施設効果)の2種類があります。

それから、お金になる効果とお金にならない効果があります。
お金になるのは料金収入やガソリン代の節約など。
時間短縮や騒音低減などはお金にならないものです。

学問的には分かれないけれど、良い効果、悪い効果、という分類の仕方もあるかもしれません。

土木計画学の世界では、
「上記の全てを合算して評価する方法を提案する」というのが基本的な仕事だと思います。
公平性に付いて:
なかなか計測する方法が難しい分野です。またあとで補記します

ユーザー sakai の写真

ありがとうございました。
ところで、私は、高速道路民営化問題を日夜追っかけているわけではないのですが、新聞などでは、建設費用と料金収入の話題に限られているように見受けられたため、前回のコメントをしました。どこかの機関(国土交通省とか)では、このテーマについて、「土木計画学的」に全てを算定しているのでしょうかね?
不可能であればしょうがありませんが、可能であればそういうこと(道路ができることによる経済効果等)を広く国民にアピールする必要があると思いますが。

ところで、全てを算定する場合の、算定母体の問題:本四連絡橋の場合、マクロで見た経済効果が仮にあったとしても、連絡橋が出来たことによって四国から本州に人が流れ、四国の店は却って売上が減る(実際、TVでそういうことを言っていたので)という事態が起こると思われます。つまり、算定母体として例えば中・四国として捕らえた場合はプラスであっても、四国の一地域を捉えた場合は「ない方がよかった」となるわけで。橋ができる前は「いいことしか聞いていなかった」のに・・。ということになるわけかと。地域住民にに正確な情報を伝えることが大切だと思ったしだいです。

公共事業への不信感の根っこはそこらへんも一因ではないかと・・。始め:ばら色。結果:ブルー。