粘性土の堤体材料への流用について

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 宜しくお願いします。 
河床掘削土を改良して築堤材に使用したいと考えています。建設発生土利用マニュアルによれば安定処理を行った土の性状はコーン指数のみで判断するような形になっていますが、感覚的にFc=100%の第3種改良土は施工後の乾燥によるクラックや、長期の安定などの問題から何となくまずいじゃないかなと思います。
 そこで、「Fc>80%程度の土は改良してもだめです」と言いたいのですが、何かいい指標になるようなものはご存じないでしょうか?
 改正前のJGSの評価方法で「粒度分布が良い」や「粒度分布が悪い」などあり、使えるかなと思いましたが、今までの試験結果よりFc>80%の土も「粒度分布が良い」に区分されるものがありだめでした。
 わかりづらい長文になりすいません。参考となるご意見、文献等が有りましたら教えて下さい。

コメント

ユーザー nomkei の写真

http://recycle.or.jp/q&a-4.htm では、第3種改良土なら、築堤材OKとなっております。
元の出典はわかりませんが。

私の感覚では、改良材を多く突っ込めば、問題なさそうに思いますが、実際の土質はかなりひどいのでしょうか。
第3種改良土のコーン指数qc≧400KN/m2は、ブル押し可能な最低のトラフィカビリティーですから、ブル転出来ればいいと言うことでしょう。築堤材の可否を問うのでしたら、透水係数でしょうが細粒分が多くていい値が出そうですね。あとは、経済性比較しかないのかな、と思います。

閲覧する方への補足説明ですが、Fcは0.075mmふるいを通過した土の細粒分含有率、 JGSは地盤工学会基準です。よね。

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貴重なご意見ありがとうございます。
 ご提示の表は「建設発生土利用技術マニュアル」のものです。これによると確かに改良後の土の性状はコーン指数のみで判断するようになっています。今改良を行う土は高含水比の粘性土のため透水性はまず問題ないと考えられ、強度的には固化材の量を増やせば目標強度まで持って行けます。また、経済性の問題においても固化材を多く入れても、廃棄処分よりは安価になると考えられます。それから、うちの現場では河床掘削土が多く排出され、他の近くの現場では堤防新設の為多くの土を必要としています。
 したがって、一番懸念される問題は細粒土分の多い土(Fc>80%)を改良して築堤材に使用した場合短期、長期的に見てクラックのおそれは無いのだろうか?ということです。
 何か数値的基準があればいいのですが。。

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・指針と室内試験をみて現場における出来が判断できない物・方であれば試験施行をされたほうが良い。地盤と地盤改良の専門家でないなら他に委託したほうが良い。

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  貴重なご意見ありがとうございます。
 試験施工も考えているのですが、災害復旧に伴う現場の為、長期的で実験的な検証が出来ません。どなたか、Fc>80%の土を改良して堤体盛土に使用したケースをご存じないでしょうか?

ユーザー tmk の写真

堤体盛土への使用はありませんが、Fc>80%程度の発生土を石灰系固化材でトラフィカビリティ改良を行い、道路盛土(路体)へ使用した経験があります。
乾燥収縮による施工後のひび割れを懸念されているようですが、ここでいう乾燥を含水比の低下と考えると、Fc>80%、qc=400KN/m2程度の土からひび割れが生じる程の排水が行われるとは考えにくいと思われます。
乾燥の影響を受ける表面部分についてはひび割れが生じるでしょうが、適切に締固めを行う限り張芝などの、のり面保護工が拘束する範囲程度だろうと思います。
これ以深の土被りのある部位においては、堤体の安定を損なう程のひび割れを考える必要はないと思われます。
もちろん、短期的な水和反応による体積変化は生じるでしょうから、二次締固めなどの適切な施工が要求されると思われます。

記述内容から施工者の方でしょうか?
これから本格的な梅雨を迎えての土工事は大変だと思いますが、頑張ってください。

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貴重なご意見ありがとうございます。
実際にFc>80%の土を扱った事があるということで大変参考になります。
 やはり、ご指摘の通り適切な締固め、のり面保護をしっかりすることがクラックは節制の防止方法だと思います。
 私は現在建設コンサルタント業に従事しています。まだまだ未熟ですが、将来はtmk様のように他の人にアドバイス出来る豊富な知識と経験を併せ持つ技術者を目指したいと思います。

 余談ですが、そもそもなぜ、今回細粒土分含有率によってクラック等に問題がるのではないかと思ったのは、築堤材料の土質判断として「河川土工マニュアル」ではFc<50%の土は望ましくない材料にあげられ、「中小河川における堤防点検・対策の手引き」では堤体材料が粘性土(Fc≧50%)の時は安全性の検討は不要と、矛盾しているともとらえられる基準が頭にあったからです。

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「河川土工マニュアル」と「中小河川における堤防点検・対策の手引き」の矛盾についてですが、これは一定のの品質を担保する上での材料に対する規定と、土構造物の恒久性(安全性)それぞれから決定されているのではないでしょうか。
築堤材料に限らずFc>50%の土は自然含水比が高いことが多く、トラフィカビリティの確保や短期的な安定などに問題があるため望ましくない材料として分類されていると思われます。
一方、維持管理段階では、すでに土構造物は完成していますので、恒久性が維持されることが要求されます。
大雑把な言い方ですが、飽和粘土あるいはこれに近い状態にある細粒土は、空気間隙の大きな材料と比較して強度が低下する余地が少ないため、長期的な安定が問題とならないと考えられます。
このようなことから「中小河川における堤防点検・対策の手引き」では安定性の検討を不要としているのではないでしょうか。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

貴重なご意見ありがとうございます。
tmkさんの言う通りマニュアルと手引きでは考え方の基本的なところが何処に重点を置いているかで違うような気がします。
 やはり改良土を使用するとはいえ、今回は新堤ですからマニュアルの方を主によりどころとして進めていきたいと思います。
 ありがとうございました。