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とても良い質問です。
結論から言うと、**砂で充填された地下空洞を地震波が通過する場合、振幅は一般的に「減衰(小さくなる)」方向に変化する**ことが多いです。ただし、条件によっては**一時的に増幅**する場合もあります。以下、理由を詳しく説明します。
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### ① 地震波の性質と伝わり方の基本
地震波(特にP波・S波)は、**媒質の弾性(剛性)と密度**に依存して伝わります。
地震波速度 ( V ) はおおよそ:
V = \sqrt{\frac{E}{\rho}}
(ここで (E):弾性率、(\rho):密度)
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### ② 岩盤と砂の違い
| 性質 | 岩盤(例:花崗岩) | 砂(乾燥状態) |
| ----- | --------------- | --------------- |
| 弾性波速度 | 約 3000–6000 m/s | 約 300–1000 m/s |
| 密度 | 約 2.6 g/cm³ | 約 1.6–2.0 g/cm³ |
| 減衰率 | 小さい | 大きい |
→ つまり、**砂は岩盤よりも「柔らかく、地震波が減衰しやすい」**媒質です。
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### ③ 空洞に砂を詰めた場合
* **空洞がそのまま**だと、地震波は跳ね返ったり、反射・散乱して「局所的な増幅」や「共振」を起こす可能性があります。
* **砂で充填すると**、空洞内部が“空気”→“固体”に変わるため反射は減り、波が通過できるようになります。
ただし、砂は柔らかいので:
* 通過時にエネルギーが**吸収・散逸**され(粒子摩擦・粘性効果)、
* 通過後の振幅は一般的に**小さくなる(減衰)**傾向になります。
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### ④ 増幅が起こる例外
地震波が**硬い層 → 柔らかい層**へ進むとき、
波の速度が急に遅くなるために、**波のエネルギー保存の結果として振幅が一時的に大きく見える**ことがあります。
これは「インピーダンスミスマッチ」による**表面波や層内の共振増幅**です。
> 例:表層が柔らかい地盤の地域で、地震動が大きく感じられるのはこの効果。
しかし、砂で充填された空洞がある程度の厚み(数メートル〜数十メートル)で、周囲が岩盤の場合、
その「増幅」は**局所的・短時間で終わり、全体としては減衰**が優勢です。
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### ⑤ まとめ
| 条件 | 振幅変化の傾向 |
| ---------------- | -------------------------------- |
| 空洞のまま | 局所的反射や共振 → 不安定(増減混在) |
| 砂で充填 | 通過可能になるが、砂がエネルギーを吸収 → **全体的に減衰** |
| 柔らかい層が上に連続している場合 | 速度差による**一時的な増幅**もありうる |
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### 🔍 要約
> 地震波が砂で充填された空洞を通るとき、
> **通常は振幅が減衰する(小さくなる)**。
> ただし、岩盤との境界条件や層構造によっては局所的に**一時的な増幅**も起こりうる。