アンカー付山留め擁壁(永久)の設計基準書?

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 道路土工擁壁工指針に示されている、「アンカー付き山留め式擁壁」を設計することになりました。仮設構造物として設計する場合の基準書は多数あるのですが、永久構造物として用いる場合の詳細を示した基準書がなかなか見つかりません。
 安全率等を永久の値にし、壁面腹起しをコンクリートで巻く等の対処を考えてはいるのですが、アンカー頭部の処理等、詳細の設計事例を確認したいと思います。
 永久構造物としての設計基準書、設計事例等をご存じでしたら、教えて下さい。

コメント

ユーザー 匿名投稿者 の写真

御質問より時間が経っていますのでもう解決済みかもしれませんが、アンカーの設計基準は「グラウンドアンカー設計・施工基準、同解説(社団法人 地盤工学会)」がありますので参考にしてはいかがでしょうか?

的外れな回答でしたら申し訳ございません。

ユーザー 大村 の写真

 コメントありがとうございます。
 アンカー単体についてはご指摘の基準等いろいろあり、参考にさせて頂いています。
 しかし、このアンカー工を、”アンカー付き山留め式擁壁”として使用する場合の、
擁壁もふくめた設計条件について検討してみると、例えば 
  
  1.支持杭+腹起しはコンクリート巻き立てとなるが、アンカー頭部は維持管理のために
   コンクリート前面に出す必要がある。このためにはアンカーをいったん除荷し、
   コンクリート巻き立て完了後、アンカーを継ぎ足し、コンクリート前面で
   再緊張する必要がある。となると、アンカー緊張力は腹起しではなく、コンクリート
   で支持杭に伝えることとなるので、巻き立てコンクリートは受圧板として設計すべきか?
  2.となると腹起し(埋め殺しとなる)は仮設になるため腐食シロは見込まないでいいのか?
  3.そもそも1.の作業は可能なのか???無理なのなら、道路土工擁壁工指針p150の、

            ”アンカー付き山留め式擁壁”は何を想定しているのか?

など、考えればいろいろ難しいことが出てくるので、道路土工指針に載っている工法ならば
解説書がないかなーと安易な思考に走っている次第です(^^;

 地すべり鋼管杭の資料等まで手を広げたのですが、今のところ発見していません。

 ご意見、経験談等ありましたら教えて下さい。 
 

ユーザー 匿名投稿者 の写真

私も基準を探していますが、なかなか見つかりません。だれか教えてください。

過去の設計事例として以下の2通りが採用されました。

?投稿の通り、山留設計の許容応力度を永久で見る方法
?擁壁工指針に従い、試行くさび法から土圧を算定し、フレームの断面計算からアンカー反力を求める方法

アンカー頭部については維持管理の必要性は議論となったことがないので、普通にコンクリートで巻きたてていました。もしかして問題ありますか?

ユーザー 大村 の写真

「グラウンドアンカー設計・施工基準,同解説」((社)地盤工学会,H12.3)p92によると、

「また、永久アンカーは基本的には再緊張が必要なためコンクリートで被覆すると再緊張できなくなる。そのため、アンカー頭部全体を直接コンクリートで被覆する工法は、基本的には採用しないものとする。」

とあります。この”しないものとする”という表現は、同じくp32を見ると、強調程度が最も強い”強い表現”に分類されますので、コンクリート全巻きはするべきではないと思います。
今は、仮設の腹起しや再緊張が不要な案として、

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H鋼建込み→矢板設置→前面コンクリート(アンカー受圧版として鉄筋構造。H鋼に溶接)設置
  →背面盛土→アンカー下段打設→背面盛土→アンカー上段打設→最終背面盛土

(H鋼は永久として設計。溶接するためにSM材使用。各盛土段階毎の土圧算定し、もつように設計アンカー力算定)
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を考えています。腹起しを設置しない問題点としては、以下の点かな。

”前面コンクリートを、”アンカー受圧版の現場打ち連続版”として配筋設計してしまうと、
 アンカー力が、受圧版の仮想梁である2方向(縦・横)に分担されてしまう。となれば山留め アンカーの設計モデルである、”腹起しでのアンカー力1点支持”が成り立たない???”

たくさんご意見ください。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

矢板は木ですか? PC版を使っているところもあるみたいですが。

ユーザー 大村 の写真

 矢板は木を考えています。

 前面コンをアンカー受圧版として設計するつもりなのですが、通常のアンカー受圧版では背面が直接土ですよね。
つまり受圧版自体が永久の土留めとなると考えられます。
 今検討している施工方法では、H鋼建て込み後すぐに設置する前面コンクリートが土留めとなり、
その後背面を盛り立てることができるので、本来なら矢板すらいらないことになります。
 
 ただし、前面コンと親杭は、鉄筋とH鋼の溶接により一体化させているものの、不慮の事故が怖いので、
施工中の安全性を考慮し、単価の安い木矢板は設けたいと考えているところです。