ガス圧接の区分

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ガス圧接について一般的にはD29以上から用い、D25以下では重ね継ぎ手が用いられることが多いかと思います。これは、コンクリートのゆきわたりが悪くなる、ブリージング水が溜まりやすくなる、継手強度の低下が考えられる、ことからだと思いますが、なぜD29での区分となったのでしょうか。また、いつごろから適用されているのでしょうか。何らかの文献に記載されているのでしょうか。ご存知の方がいましたら、教えて頂けますと幸いです。

コメント

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 ガス圧接については、豊島光夫氏著 ?建築技術発行の「鉄筋最前線」p104から ガス圧接についていろいろと、書かれています。
 ガス圧接は昭和27年3月に山の手線の擁壁工事で採用されたと書かれています。(p105)
 建築学会では、1988年に「RC計算規定」が制定されているとも、書かれています。(p104)
 また、ガス圧接は「D19からD51の極太鉄筋までに幅広くなされています。」とも書かれており、土木コスト情報や土木施工単価にもD19からの工事費が記載されています。
 しかし、何故基準ではD29での区分となったのか? 重ね継手と、ガス圧接の使い分けは?については、残念ながら知りません。
 すみません。

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昔のことですが設計標準で経済性と施工性について比較し通達か事務連絡で通知がなされています。

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重ね継手とその他の継手との区分は、基準によって異なります。

建築の分野では建築学会の建築工事標準仕様書・同解説JASS 5によるとD35以上の鉄筋には重ね継手を用いることが原則禁じられており、重ね継手の上限はD32となります。

JASS 5の解説によると「太径の異形鉄筋の重ね継手は、かぶりコンクリートの割裂を伴いやすいので、RC基準では、D35以上の異形鉄筋には原則として重ね継手は設けないと規定している」とあります。現実には太径で重ね継手を行う場合、どうしても鉄筋が密となり、施工面での問題が生じることになりますので建築系の共通仕様書では「柱、梁の主筋に対してはD16以下を重ね継手、D19以上はガス圧接にする」と規定されています。

日本圧接協会のHP(http://www.assetsu.or.jp/body1.html#histry)によるとガス圧接機が開発されたのが1951年、実際の工事に使用されたのは1952年です。それ以前は重ね継手だったはずですから、重ね継手とガス圧接の区分けをされるようになったのは1952年以後であることはまちがいありません。ただ基準・指針等で区分けされるようになったのはいつかはよくわかりません。

世界的にも広く用いられている米国基準ACI 318の規定ではNo.11鉄筋(D35相当)より太い鉄筋には重ね継手を用いてはならない、とあり、D35まで重ね継手を用いても良いことになっています。さらに、圧縮のみを受ける場合は規定が緩和され、例えばNo.11とNo.18(57mm径)を重ねても良いことになっています。また、重ね継手の鉄筋径に上限を設ける理由として、鉄筋径が大きい場合の実験データが十分でないため、と解説文にあります。なお、米国ではガス圧接はなく機械式継手が一般的です。