山岳トンネルにおける充填材について

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ユーザー 匿名投稿者 の写真

現在、水力発電所を建設中の者(発注者)ですが、水路の基本断面として、小断面トンネル(掘削幅:2.9m)を自由断面掘削機により施工し、トンネル内にFRPM管を布設、FRPM管をエアモルタルで充填する計画としておりますが、当初計画では、NATM工法でトンネル施工を考えていましたが、施工業者より、矢板工法で施工したいとの協議を受けています。
延長が30m程度の小断面トンネルですので施工は十分可能と考えておりますが、矢板工法にした場合の充填材がエアモルタルでOKなのかの判断に迷っています。
予算の関係上、覆工を施工することはできず、エアモルタルのみで外力に耐えられるものなのかを懸念しています。
よろしくご教授願います。

コメント

ユーザー M.Ishii の写真

NATM工法と矢板工法

 細かい条件が分かりませんので,一つの意見として聞いてください.

 NATM工法であれば,鋼製支保工,ロックボルトに一次覆工でコンクリート
吹付けを行うというのが一般的で,二次覆工は普通,耐荷力を見込んでいないと
思います.
 これに対して,矢板工法では鋼製支保工と矢板でとりあえず地山を安定させ,
コンクリートで覆工するということになると思います.この場合,覆工に作用す
る土圧を推定して覆工の設計を行うのが一般的です.このコンクリート覆工を省
くというのであれば,NATM工法と同等の構造にはならないでしょう.考え方
としては,FRPM管が土圧を受け持たなければならないということになります.

 矢板工法にしたいという理由は,断面が小さいのでNATM工法ではロックボ
ルトの打設がやりにくいということなのでしょうか.あるいは,トンネル延長が
短いので,初期費用が小さくて済む矢板工法を採用したいということなのでしょ
うか.NATM工法と矢板工法の経済性は,トンネル延長など条件によって異な
ってきますが,この程度の断面でもNATM工法の方が経済的な場合があります.

 以上のことから,矢板工法で覆工ができないのであれば,採用するのは難しい
と考えます.

【 END 】