地盤の変形係数について

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私の経験では、地盤の変形係数について下記?,?のような使い分けがなされています。一般的にもこのような事例が多いかと思います。同じ"変形係数"でも4倍も値が違うことに常に疑問を感じています。
この理由について、「地盤は非線形材料であり扱うひずみレベルの違いがある」との定性的な説明をよく耳にします。しかし、定量的にかつ明確に説明している図書等は目にしたことがありません。?,?のような使い分けを決め付けるのではなく、状況に応じて工学的な判断で設定すべきなのでしょうか、その工学的な判断をする目安みたいなものを教えていただけないでしょうか。

?地盤を弾性材料として変形解析する場合はE=700N(E50相当)
?地盤反力係数を求める際の変形係数はE=2800N(道路橋示方書にあるE0)

コメント

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変形係数はその材料固有のもので変わりません

4倍とかは・・・・孔内水平載荷試験または一・三軸圧縮試験との
相関性を見るために、推定式に用いられれている係数
αの比=孔内水平載荷試験/N値
=4/1のことと勘違いされているのではないでしょうか

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回答ありがとうございました。
確認ですが、以下の考えでよろしいでしょうか。

・地盤の変形係数(材料固有の値)は、あくまでも孔内水平載荷試験で得られる値(E=700N)相当である。
・道路橋示方書等に示される変形係数E0は、E=2800N相当の値を便宜的に使用しているだけで、地盤の変形係数がE=2800Nということではない。(地盤反力係数を求める時に限り、E=2800Nを使用するということ)

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N値と孔内水平載荷試験による変形係数Epの関係
Ep=678N^0.998≒700N

平板載荷試験による変形係数E0と孔内水平載荷試験による変形係数Epの関係
E0=4Ep

N値と平板載荷試験による変形係数E0の関係
E0=2800N

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回答ありがとうございました。
上記関係式は十分理解しております。
地盤の変形係数(材料固有の値)はいくつですか?と問われた場合、
Ep,E0のどちらがより真値に近い値と言えるのでしょうか。

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上記の関係式を記載した者です。
やっと、質問の意図が理解できました。

完全な弾性体として取扱えない以上、仕方のないことでは
ないでしょうか。

たとえば、平板載荷試験、孔内水平載荷試験、1軸圧縮試験
いずれも応力-ひずみ関係(地盤反力係数)から変形係数を
求めますが、使用目的に応じて応力-ひずみ関係のどの部分の
傾きを用いるのか決めておく必要があります。

つまり、質問者の方が求められている真の変形係数には、
応力履歴、ひずみレベル、応力レベル全てが内包されている
必要があり、現実的ではないと思われます。

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Q:地盤の変形係数(材料固有の値)はいくつですか?と問われた場合、
 Ep,E0のどちらがより真値に近い値と言えるのでしょうか。

A:貴方が用いている式の中での土質試験の基本は平板試験としています
変形係数は:構造物の規模と設計レベルと調査費用によって必要な試験方法を選定
してする必要があります

日本で行われた最大の平板は3mです

どの試験がどの程度の精度を持っているのかは・・・その分野の専門の先生方によっても違いますが・・・土質工学会のQ&Aを参照されたい

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以前、僕も同様な疑問を抱いたのですが、その時に教えてくれた人はこう説明していました。

「地盤解析の分野は推定方法のほとんどは金属の分野に用いられている解析方法の応用というか
当てはめにしかすぎない。」

「まず、変形係数Eは地盤定数ではない。
正確な表現をするなら、地盤変数なのだ」と言っていた。

固有の値を持たないので、EpやらEoやらEsやら表現されているのだと。
均質な金属の結晶構造と、不均質な土粒子からなる土層構成が
同じ解析方法でイコールの関係が成り立つはずが無い。

土の変形係数を求める時には、前提条件として均質な土であることが必要で、ここに無理がある。

また均質でないことから、次のような問題も発生している。

応力-ひずみ曲線から得られる傾きから変形係数をもとめているけれども、
その試験において表現できる応力とひずみの範囲が限定されている。
これは試験の性格上しょうがないことで、用いる条件に近い応力-ひずみ曲線の範囲
に近い試験を用いる必要がある。
建築基礎構造設計指針2001のP41にそれとなく載っている。

さらに、沖積世の堆積物が問題!
堆積してまだ十分に続成作用が生じていないため、鉛直方向と水平方向の強度違方性がみとめられること
鉛直方向と水平方向では2~5倍の強度差がある。(場所、履歴によって様々)

ここに経験的にα=1~4が存在する

平板載荷は鉛直方向、孔内水平載荷は文字どうり水平方向の載荷試験であるため
納得できるかと思います。

したがって、設計に用いる変形係数は、その目的によって異なる。
ややこしや~
と書きながら復習してたりして。