コンクリートの耐用年数について

　私の知るところでは、「構造物の目的による」という所では
ないでしょうか。
　コンクリート構造物の耐用年数は、年月を経るに従って進行
する中性化深さによって決まるため、かぶりを大きく取れば取
るほど長くなります。
　また、分野や目的によっては、耐用年数が長くなると、希に
しか発生しない偶発荷重について大きい値を想定して設計する
場合があるかも知れません。
　設計時に、どれだけ偶発荷重を見るか、また、どれだけ「か
ぶり」を大きく取るかで決まってきます。

構造物を何年の供用期間で設計するのかは
本来は発注者が決めることでしょう。

しかし、擁壁の設計を頼まれたとして、
発注者に「何年対応で設計しときますか」
と質問して、回答できる発注者はほとんど
いないと思います。せいぜい、「○○仕様書で
設計しておいて」とか、「○○指針どおり」
という回答でしょう。そうした指針類にも
何年保たせるかは明記されていません。

何年対応でも設計は可能です。コンクリート
標準示方書に則ればよいのです。